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virtual in girl ~final~
ある日の事。
ライブ終わりだった。
「おつかれ、葉」
「今回人多かったね~。頑張らないと」
そんな話をボイスチャットで話していた。
「今度現実で会わない?」
「あ~、久しぶりに会いたいね。いつ行く?」
そう、紅と葉は本当の姉妹ではなかった。
2人は一人っ子同士であり、《《姉妹》》に憧れていたのだ。
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「~~♫」
「~~~♪」
今回のライブで歌ったのは激しくも優しいロック。
いつもとは違う客層の人々も来てくれた。
「ありがとーー!!」
「今度のライブも見に来てね~!」
ライブはいつも通りに終わった。
はずだった
あるサイトにて
「お前ら紅葉姉妹って知ってる?」
という話題で盛り上がっていた。
「えwお前ら好きだったりすんの?あんな媚びてる奴見ててキモイww」
「分かる。凄い王道のアイドルみたいなふりしてさ、テレビにも出てきたりして」
「なんかウザイよな。悪い噂もめっちゃあるしwww」
その他にも、サイトは罵詈雑言になっていた。
そのサイトは段々と広まり、ファンとアンチが討論することもあった。
「お姉ちゃん、また・・・」
「気にしない気にしない。そういう人たちは一定数いるの。ファンが応援してくれてるんだから、頑張らないと」
「・・・うん!」
2人は耐えていたが、日に日にメンタルは衰弱していった。
「・・・何もしてないのに、根も葉もない噂・・・」
「媚びてるつもりはないのにね」
妹の葉が、鬱になりかけていた。
「少し、お休みする・・・?」
「でも、そんな事したら、また・・・!」
「だからって、このまま続けても、楽しくないでしょ?」
「・・・・」
2人のライブの回数は、段々減っていった。
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その時、一人のファンに救われた。
SNSで、DMが届いたのだ。
最近荒れていることから、よくDMは来ていた。
ただ、そのDMは、いつもと少し違った。
「こんにちは。突然すみません」
「ただ、一つ言いたい事があります」
「最近ライブが減っているのは、この頃のアンチのせいですよね」
「私にも、アイドルとして活動していた時がありました」
「その時、私にもアンチが付きました」
「そして、私はアイドルをやめたんです」
「今思えば、馬鹿な事をしたと思っています」
「だから、紅葉姉妹さんには、負けてほしくないんです」
「紅葉姉妹さんは昔の私に似ています」
「それもあって、デビューしたあの日から、一日も欠かさずライブを見るようになりました」
「しがないファンの一人ですが、お願いを聞いてほしいです」
「アンチに負けないで」
それからも、その人からたくさんの応援を貰った。
他の人からも、暖かいメッセージを貰った。
気づけば、2人の目から涙が零れた。
「お姉ちゃん・・・」
「なぁに?」
「アイドル、やめたくない」
「・・・私も!」
「~~~♪」
「~~~~~~♫」
今日のライブは、2周年記念ライブだった。
「「ありがとーー!!」」
観客席からは、大きな歓声が沸いた。
あとがきと、いう訳で、短かったけどvirtual in girl 完結です! これだいぶ最初高評価で、私の心ガックガクだったのですが、なんとか完結出来ました!そして、宣伝なのですが、今「エデン・テイル」という小説を書き進めております!(これも凄く高評価でちょっと恐怖)こちらも自信作なので読んでくれるとありがたいです!それでは、またにぇ~^^