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こんなはずじゃなかったのに。〜星のカービィWiiでマホロアが記憶を無くしていたら〜第九話
「ま、マホロア〜!?」
ふわふわ、とゆっくりと降りてきたマホロアに、カービィは目を見張った。
なぜなら。
「どうして・・・!どうして、そんなに落ち着いているの!?」
この星には、異空間に入らないと移動できないはずだ。
まさか、移動していたと言っていたのは、マホロアだったのだろうかーー。
もう、マホロア自身が聞き飽きたセリフ。
きたなくって、薄汚れてーー・・・。
「ブラボー、ブラボー。さすがは、星のカービィ」
「!?」
真っ暗になった瞳をマホロアに向けたカービィは、驚き、そして、全てを知った。
マホロアは、キラキラと輝くクラウンを手に取る。
「オォ・・・!これガ、マスタークラウン」
「なっ・・・マホロア!ぼくだよ!カービィ!ねぇ!忘れちゃったの!?」
忘れるわけない。
マホロアは心の中で、そう叫んだ。
ワドルディは、興奮して落ち着かないカービィをなだめた。
「ねぇ!なんで!?なんで!」
ぶるぶると震える手を、クラウンで抑え、頭に持ってくる。
ひたすらに抵抗する手。
だが、もうマホロアは心を決めていた。
カチ。
まるで、飲み込むかのように、クラウンはマホロアにはまった。
鋭く爪のような形に変化したクラウンの先は、マホロアを縛るように光る。
「マホロアーー!!!」
カービィの声は、もう届かない。
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「ククク!やっトわかってくれタ!?《《騙して》》いたんだヨ!キミをネェ!」
「そんな!そんなわけない!だって・・・!だって・・・!」
悲しそうに、そして、悔しそうに、カービィが地面に手をつける。
「なーンデ、わかってくれナイノ?あの日、ボクは、船からこの星につっこんダ。記憶をうしなっタ・・・。ッテ、いう、お芝居はモウ終わり。ドウ?理解できタ?」
それはない、とメタナイトが言おうとするが、真剣な眼差しでワドルディが止めた。
その意思が伝わったのか、メタナイトは静かに首を縦に振った。
「わかった。状況を見よう」
デデデ大王も、マホロアを睨む。
だが、その瞳を見て、黙り込んだ。
何も、いうまい。
三人は、カービィとマホロアのやりとりをただ、ただ見つめた。
「だってだって・・・!あの時、マホロアって、名前をつけた時!マホロア、笑ってた!ほんとうだと思った!!」
「ウルサイ!もともと、ボクの名前はマホロアっていうんダヨ!!」
お互いが叫び合う。
だが、カービィは、ふっと、優しく笑った。
「嘘だ。確かな証拠、見つけたもん」
あとがき今日中に完結させちゃおっと。
見てくれて、ありがとう。
多分、ファンレターが届かないと、これ、続けられなかったもん。
みんな、大好きだよ!!!本当に!