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道化師ちゃんっ![8]
はじまるヨォ。あ、待って。マホロアのやつどうなった?
外に出ると、改めて二人は空を見上げた。
ガシュ、ガシュといやな音が響いている。
「・・・。随分と激しい戦いになっているようだな」
少し寂しそうに、アクラがつぶやく。
「どうしたんですか?なんで、少し・・・」
「・・・気にかかることが、メロの身に降り掛かりそうで、こわくて」
「・・・そうですか」
何も言わずに一度下を向くと、フロートはアクラの裾を引っ張った。
「アクラさん!ギアです!落ちています!さっきのものだ!」
「何・・・?」
きらり、ちかりと光るのは、まさしくギアだ。
「うむ・・・。どちらかの服に引っ掛かってきたのか?」
少し磨いてポケットにしまうと、再び上を見る。
と、その瞬間。
空から、黄色い何かが一つ、物凄いスピードで落ちてくるのが見えた。
「なっ・・・!?」
アクラは回り込むと、すかさずキャッチした。
「ウゥ・・・」
「!さっきの声の主!」
どさ、と黄色い髪の少年は倒れ込むと、弱々しく上を指差した。
「だめだ・・・にげ・・・」
すると、またもや上から何かーー・・・。
「待ってください!あれはキャッチしてはいけません!自ら、降りてきています!」
「ということは!メロか!?」
軽い地響きと共に足をついたのは、メローーとは言い難い姿だった。
「!?」
服は少し破れているが、傷はついていない。
しかしーー。
「どいてくれる?とどめがさせていないよ」
「!」
アクラが気配を感じ飛び上がる。
どうやら、メロが攻撃を仕掛けたようだ。
「やるじゃん。」
また、くく、と笑うと、メロは黄色い少年に近づいた。
「うっ・・・勘弁して・・・」
「メロ。もういい。私が話をしよう」
「だまれ」
メロがまたしてもアクラに鋭い風の刃を振るう。
「うわっ!?」
避けたものの、吸い込まれるような勢いに、アクラがよろめいた。
「あぶないーーっ!はぁあ!フレイトロック!!」
突然、吹雪が巻き起こる。
二つの風が打ち消しあい、どちらも消えた。
「はぁ、はぁ・・・。助かった」
「いえ・・・」
不安げにフロートが見つめている先は、アクラ・・・ではなく、メロの方だ。
「やっぱり、何か変です。こちらに攻撃を仕掛けてくるなんて、あり得ない」
二人の心がきまった。
「ぜったいに、助けないと!」
あとがきみんな、一話から読んだ方がわかるよ。(宣伝)