Prologue

メリーさんや口裂け女は有名で誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。 電話をかけてくる？話しかけて綺麗？と聞いてくる？ そうかもしれない。 だが、そんなメリーさんや口裂け女にも人間のように悩みはあるのだ。 『何でも解決屋』略して『何解』は幽霊などの〔人ならざるもの〕のそんな悩みを相談、必要あれば解決までするような、相談と探偵の仕事を組み合わせたような店だ。勿論人間も利用出来る。 最近背後に気配を感じる、家のものが無くなっている気がする、などの悩みから無くし物の相談まで幅広く対応している。 一回来てみない？『何解』に___ 「っっと。よっしゃ、ホームページはこれでいいか？結構よく出来たと思うんだけどなぁ」 こじんまりとした事務所の、よくオフィスとかで置かれていそうな回転する椅子で、今出来たばかりのホームページを見せてくる。 「お前、作家にでもなるつもりかよ…。まぁ、悪くは無いんだけどさ」 まぁまぁと言いながら大袈裟に笑うこいつは俺のパートナーだ。『何解』は俺とこいつで始めた幽霊や幽霊がらみの相談も受け付ける探偵屋。 ちなみに『何解』はこいつがつけた略称だ。『難解』をイメージさせるが……まぁ、もう言っても聞かないので諦めることにしている。 ピーンポーン 「お、1人目の相談者だな！？今行きまーすっと」 慌ただしいあいつの声を聞きながら、これから忙しくなりそうだと俺は密かに思った。