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こんなはずじゃなかったのに。〜星のカービィWiiでマホロアが記憶を無くしていたら〜最終話(イラストつき(URL切れたらまたつける))
「なっなんダッテ!?」
マホロアは動揺して、カービィを慌てて睨んだ。
「だって!わかるんだ。マホロア、そんなことをしない。ううん。するよね。知ってる。でも!」
カービィは、あの数日前の夜のことを思い出した。
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「マホr・・・」
「ちょっと待ってくれ、カービィ」
メタナイトは、カービィを呼び止めた。
「何?どうしたの、メタナイト?」
「話したいことがあるのだ。マホロアのことで」
「?」
てこてこと広間へついていくと、話に耳を傾ける。
「マホロアのことがわかった。あいつは・・・」
カービィは、絶句した。
「嘘・・・。それじゃあ、マホロアは、詐欺師って、こと・・・?」
「・・・そういうことになるな」
「嘘!嘘だ!だって、だって!」
「慌てるな。・・・だが、記憶はないはずだ。これは本当だ」
「うん。」
真剣に話すメタナイトをよそに、頭の隅ではマホロアのあの眩しいほどの笑顔が浮かんでいた。
「だから・・・」
「待って。でも、信じるよ。ぼく、マホロアがどんなだろうと、信じる。絶対、忘れたりしないし、何があっても、マホロアにつくよ!」
「え?あ、いや、その話は・・・」
カービィはフン、と鼻を鳴らすと、部屋をずかずかと出ていった。
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マホロアは、かなり動揺していた。
(な・・・。ナンデ?なんで・・・?)
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ボクは、あのひこころに決めた。
記憶を思い出した、あの日。
「マホロア!ねぇねぇ、おいしそうな雲が・・・」
「ねー、マホロア!この色、綺麗だね!」
「マホロア、マホロア!ご飯、食べに行こーよー!」
あの、幸せな時間が。
「えへ!マホロアといると、楽しいんだよね!」
「だって、優しいし、かわいいんだもん!」
あの、あのーー・・・。
「ぼく、マホロアと一緒にいたい!ぼくのお家においでよ!」
カービィは笑った。
ボクを、本当に大事にしてくれた。
この幸せを。
崩さずに。
ボクを、わすれテ。
恨んで、恨んで、恨み切れないほどの怒りを持って、嫌いになっテ。
「ごめんネ。カービィ。キミはネ。オヒトヨシすぎるんだヨォ。あんなに、あんなに、ボクはキミを利用しようとしていたのニ。どうしてナノ?なんで。なんで。本当は、大好きなんかニなりたくなカッタ・・・!」
どんなに自分に痛みが跳ね返ってきても。
それでも、返し切れない幸せと、笑顔と。
どうして忘れられないのだろう。
どうして苦しくなるのだろう。
思い出したい一心だったのが、今では、忘れたいこころに変わっている。
なんでーー。
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「カービィ!消えて!帰って!!」
どれだけ攻撃しても、倒れない。倒れて、くれない。
「ネェ!帰って!ボクを、忘れテ!キミのそばで、キミを汚すのはイヤダ!」
「いやだ!ぼく、帰らない!きみのそばで、笑ってやる!!」
傷だらけになっても。
キミは、立ち上がるんダ。
何があっても。
どれだけボクが、きみを痛めつけても。
愛してくれるんダ。
空っぽになったボクを、愛で満たしてくれるんダ。
キミと笑っていたい。
だから。
だから。
だから。
だから。
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「ウワァアアア!」
マホロアが、黒い煙に包まれる。
たちまち、もう、原型も無くなった姿へとかした。
「マホロアーー!!!」
本当に、届かない。
声が。
どうしたかったの?
「だめだ!もう、取り返しがつかない!武器をもて!」
メタナイトがいうが早いか、カービィたちは武器を構えた。
それぞれの攻撃は、徐々にマホロアを傷つける。
ぽろ、ぽろとカービィが涙をこぼす。
そしてーー。
マホロアの、いった通りに、カービィは・・・。
マホロアの胸に向かい、剣を刺した。
「ごめんね。気づいてあげられなくて」
たった一言、カービィはマホロアを思って呟いた。
マホロアの、心が、全てが、ぱりん、と割れた。
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「マホロア!ずっと、一緒にいようね!」
「マホロア!」
「マホロア、」
「マホロア?」
わかっていたんダ。
ボクは、いつもそうダッタ。
大事なものこそ、独り占めして。
欲しいもののためなら、ヒトを簡単に裏切って。
ごめんネ。
キミが、本当に。
友達って、心から言ってくれたのが嬉しくテ。
キミがいれば、本当はクラウンも、愛情も、いらなかったんダ。
暖かいその手が、その瞳が。
キミとみた、あおい海が。
キミと見た、ひかるホタルが。
どんなものだって。
キミとみれば、輝いていタ。
友達。
いい響き、ダネ。
ボクも、そう、やって、言おう、カナ。
あの、ネ。
カー・・・ビィ。
ボク・・・が。
罪を・・・。
償って・・・。
そしたら、
また、
友達って、
よんで、
心から、
|最高の友達《ベストフレンズ》って・・・、
言って、
くれる、
カナ。
あの・・・ネ。
最後に・・・聴いてネ・・・。
キミと、
出会えて。
ほんと・・・・に・・・。
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「あ・・・。何あれ」
三年後、カービィは、また空を見上げていた。
ローアは、ポップスターで、みんなを乗せて漂っている。
その時だった。
「ネェ、|ベストフレンズ《カービィ》。」
あとがきふふ。完結したよ。
支えてくれて、ありがとうございました。
心から、お礼を申し上げます。
このストーリーを思いついたのは、ちょうど青葉がしげる五月ごろでした。
そのころは、このサイトを知らなくて。
一人で、面白そう、と考えておりました。
ベストフレンズ。
この言葉は、五月の言葉として、ボクのこころに残るのでしょうね。
https://s4.aconvert.com/convert/p3r68-cdx67/a5j79-eskfk.jpg
ありがとうございました!