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手記を綴る。
さて。
このようにして、僕は様々な事を学び、喪失の衝撃から、救済されて立ち直ることができた。この記憶を、記録として、僕は残したいと思う。
そこで、僕はこの手記を書いたというわけだ。
タイトルを、当初僕は悩んだ。けれど、ありのままに書く事にした。
『ナオが死んだ。』
僕はこうして手記を綴り始めた。誰が読むのかは分からない。だがいつか、我が子に一度くらいは目を通してもらおうと思う。救済された僕の記憶は、僕にとってとても貴重で大切だ。もしこれを読む、『貴方』がいるならば、貴方にも僕は愛と幸福を知らしめたい。既に得ている方には再確認のための手記として、まだ得ていない方には、その道標になる手記であるように。僕はそれを祈る。
今、この手記を綴っている僕は、幸せだ。
―― 終 ――