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不思議な世界の愛莉好ちゃん ニ〜召喚への扉〜
愛莉好ちゃんという女の子が、不思議な世界に召喚される物語です。
是非最後まで読んでくださいね。
ニ
|彩花畑《いろどりはなばたけ》の中に蝶々が入ったため、アリスもそれを追いかける。
蝶々はアリスの金髪と同じ色の花に近寄ると、なんということか懸命に掴んだ。
「え……っ!?」
アリスは思わず声を漏らしていた。
蝶々が花を掴めるほどの力はないはず、と驚いていると、蝶々はアリスのリボンカチューシャの間にその花を差し込み、満足げにしながらへろへろと倒れた。
アリスはその蝶々を慌てて優しくそっと掴むと、ささやかだがしっかりとした温かい温もりが感じられた。
蝶々はやがて体を起こすと、桃色の花に近づき、蜜を吸うと、なんということか蝶々の体が桃色に変わり、ぐったりとした体が楽になったように見えた。
アリスがまたしても驚いて目を見開いていると、蝶々は今度は右側へ飛んでいく。
アリスもワンピースの裾を摘みながら花の間を縫って、蝶々の方へ駆け始めた。
三
蝶々を追っている間に、花畑は消えて、また無限に続く草原が広がっていた。
蝶々がアリスを誘導した先には丘があった。
アリスは蝶々を追いかけて丘の上に行くと、そこには木で編んだと見える|籐籠《とうかご》が置いてあった。
蝶々がアリスを籐籠に誘導するため、アリスもそれを追う。
「どうしたの……?」
アリスが小さく聞くと、蝶々は籐籠に近づき、持ち上げようとするが、重いために全く持ち上がらない。
アリスが代わりに持つと、蝶々は満足そうにくるくると回った。
アリスは思ったよりも重かった籐籠の中身を覗く。
中には、桃色、紫色、水色のグラデーションが幻想的な液体のマラル水が入っている小瓶が一つ、アプリコットクッキーと呼ばれるクッキーが一枚、大きな地図が一枚、小さな紙切れが一枚、プラチナ色に輝く手鏡のマークが入った鍵が一つ。
すると、蝶々はアリスの方を一度振り返ってから、真っ直ぐに続く道へ、誘導を再開した。
ルビについて質問をしたのですが、音翔さんが方法を教えてくださいました。
音翔さん、ありがとうございました。