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ツカレガミ 第四話
とりあえずでかい怨霊は半径2mくらいって設定です。
あんまグロいのはないと思うから大丈夫だとは思うけど一応年齢制限つけときます
後ろを振り向くと湊は銃を撃っていた。しかし、怨霊は意外と素早く、湊の銃弾を避けると湊に攻撃を仕掛けた。だが、銃弾は急に弾道を変え、怨霊を撃ち抜いた。撃ち抜かれた怨霊は塵になって崩れ、やがて消えていった。
「あれは…?」
「湊の能力だよ。あのくらいの大きさなら重力を操るのも簡単らしいからね」
「重力でどうにかなるもんなのか…」
「まあ…その辺は気にしない気にしない」
「えぇ」
「それより僕らはこっちに集中しよう」
「はい」
大きな怨霊はこちらに気付く様子はなく、呻き声をあげている。
秋人は腰に差した刀を抜くとその場でその刀を一振りした。すると斬った空間が裂け、その刃は怨霊へと届いた。
しかし、怨霊はダメージを受けた様子は一切なく、こちらへ気付くと大きな腕を鞭のように振って攻撃してきた。
「え」
秋人は咄嗟に何かを掴んで持ち上げるような動きをした。
すると怨霊の腕が歪んで、自分たちに当たりそうだった攻撃が外れた。
「あー危な」
「えっ…これは…」
「空間を歪めたんだ。それよりも次が来るよ」
また秋人は空間を歪めて攻撃を回避した。
「てか火力不足ですよ!しかも攻撃する隙すらも与えてくれないし!」
「あぁ…まずいね…しかももう空間を歪める力も残っていない…」
「え!?本当にやばいじゃないですか!このままじゃ本当に死にますよ!」
そして怨霊はまた腕を振るう
「これは…やばいね…」
もう死んだ、そう思っていたその時後ろから銃声が聞こえたかと思えば、怨霊が爆発した。
「え!?なんですかこれ」
「多分誰かの能力だよ。それにしても滅茶苦茶な能力だな…」
爆発した怨霊は膨らんでいくと、やがて塵となって消えていった。
そしてその後ろには白い髪で神主のような服を着て、ガトリングガンのような物を持った男がいた。そしてなぜかその男は片腕血だらけで、裾から血が滴っていた。
「お前ら…死神か…」
「それより大丈夫なんですか!?」
「あぁ…大丈夫だ…」
そう言うと男は自分の腕に手をかざした。
するとかざした場所に緑の魔方陣のようなものが浮かび上がり、やがて血が止まった。
「なるほど…霊媒師か」
「あぁ、俺は霊媒師をやっている|血咲《ちざき》 シオンだ。」
「霊媒師…?」
「僕らと同じ怨霊を祓う人だよ」
「そうなんですか…てかさっきの能力はなんですか?」
「俺の能力は自分の体の部位を爆弾にすることができるんだ」
「だからあんなに血だらけだったのか…」
「まあ普段は血を使ってるからな。いつもストックしてるが今回は血が足りなかった。」
「回復できるからって無茶な戦い方するなぁ…」
「回復?」
「さっきの緑の魔方陣みたいなののやつだよ。あれは霊媒師にしか使えないやつで妖術っていうんだよ」
「なんで霊媒師にしか使えないんですか?」
「霊媒師はかつて霊媒師に選ばれた一族に しかなれないんだ。それでそれぞれの一族に一つ妖術が与えられたんだ」
「ちなみに霊媒師は誰が選んだんですか?」
「最高神って言われてるよ。最高神が憑かれ神を洗脳して任命したらしくて昔は主に死神に対抗するために作られた集団らしいよ。名前は昔は違ったけどうーん…何だっけ」
「まあ…とりあえず対立してるんですね…」
「まあ最高神も交代したくないだろうからね」
「まあもう今は怨霊を祓うだけだけどな」
「それより湊…遅いですね」
「確かにね…あれくらいならすぐ終わりそうだけど…中にもいたのかな」
「めっちゃフラグ建ってんな」
「そういうこと言うのやめようよ…」
「まあ別れる時もフラグかなり建ててたから…」
「やめなって…」
「ま…まぁとりあえず行きましょうよ」
「そうだね」
「俺は…帰っていいか?」
「ちょっとは空気読もうね」
「…すまん」
「秋人さんたまにめっちゃ怖いですよね」
「そう?」
周りを見ると先程の霧とは違い、真っ黒な壁が立方体のようにして自分達を囲んでいた。
「てかなんですか?これさっきの怨念?とは違う気がするんですが…」
「これは…結界みたいだね…早く向かった方がよさそうだね」
「結界…?」
「まあ人が出入りできなくなる感じのやつだよ。ある程度知識と力があれば誰でも作れるよ」
「なるほど…」
「じゃあ行こう」
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数分前
外の怨霊は一通り祓った。だがしかし、学校の中にも怨霊がいるようだ。
「まだそっちには行けなさそうです…もう少し待っててください」
そして廊下の怨霊達を祓っていった。
「そんな雑魚に無駄に弾を消費しちゃだめじゃないか」
「誰だ」
振り向くとそこには黒いローブのようなものを着た黒髪の女がいた。その女は片目は青色だったが、もう片方の目は金色に輝いており、その瞳孔には十字架が刻まれていた。
「君が僕の名を知っても意味はないだろう?だって今から君は僕に殺されるんだから」
女は拳銃を取り出して湊を狙って撃った。
湊は咄嗟に能力で弾道をずらして、その弾を女に向けて放った。その瞬間女は黒い液体のようになって床に溶けていくように消えた。
「へぇ、自分の弾じゃなくても操れるんだ。どういう能力なんだろ」
いつの間にか女は自分の後ろに回り込んでいた。
「まあでもゼロ距離で撃ったら操れないよね?」