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ずっと一緒に・・・
当たり前ですがキャラ崩壊してます(話し方とか性格とかわかんなすぎて笑)
それでもいいよ~って人は読んでください!
**-|仁人《じんと》side-**
「お疲れ~」
高校の同窓会を終えて帰路に就く。
ズボンのポケットからスマホを取り出し、メッセージアプリを開く。
『|佐野勇斗《さのはやと》』と表示されているトークを開き、「今から帰る」とだけ送った。
勇斗とは大学1年生の時から付き合っていて、2年前から同棲している。
しばらく歩いていると、カフェでスマホを見ながらコーヒーを飲んでいる勇斗を見つけた。
中に入って声をかけようか迷っていると、勇斗が急にばっと顔を上げた。
俺がいることに気づいてくれたのかと思ったが、勇斗は全然違う方向に視線を向けている。視線の方向をたどると、一人の女性が手を振りながら勇斗に近づくのが見えた。
「誰なんだろう?」と思いながら見ていると、勇斗が立ち上がって相手の女性を抱きしめた。その女性も驚くことなく笑顔で受け止めている。
まるでいつもやっていることかのように・・・
俺はその光景を見ていられなくなり、何も考えずに走り出した。
---
気付いたときには家の玄関に立っていた。
どうやってここまで来たのかも、あれからどのくらいの時間がたったのかも、何もわからない。
頭が混乱したまま中へと進み、リビングのソファに座った。
その瞬間、さっき見た光景がよみがえってくる。
勇斗が女性を抱きしめて、相手の女性は笑顔で受け止めていた。勇斗も嬉しそうな笑顔を浮かべていた。
考えれば考えるほど「浮気された」という言葉が頭を埋め尽くしていく。
その時、玄関のドアが開く音がした。勇斗が帰ってきたらしい。
「仁人~!ただいま~!」
いつも通りの明るい声。
それに応える気力もなくて何も言わずにいると、ドタドタと走る音が聞こえてきた。次の瞬間、大きな音を立ててリビングのドアが開け放たれた。
「仁人!?あ、いた!なんで「おかえり」って言わねぇんだよ~、不安になるじゃん!・・・ってなんで泣いて・・・」
勇斗が俺の顔を覗き込んできて、俺は慌てて顔を背けて立ち上がった。
勇斗の声を聞いた途端、なぜか涙があふれ出てきてしまったのだ。
感情がぐちゃぐちゃになってパニックになり、とりあえずこの場から離れたくて自分の部屋に駆けこんだ。
薄暗い部屋の中、扉の前で蹲って泣いていると、勇斗の声がした。
「仁人!なんかあったのか?なぁ、なんかあったなら聞くから出てこい。それか部屋に入れて」
__「無理、だよ・・・勇斗のせいじゃんか」__
「え、俺!?俺、なんかした?・・・仁人、俺謝るからちゃんと話そう?」
__「嫌だ・・・」__
「え~」
勇斗を困らせてるってわかってるのに自分の気持ちを優先してしまう俺ってほんとに子供だなと思う。もう25なのにな。
「なぁ仁人。ドア開けて。俺、今日一日仁人に会えなくて寂しかったんだぞ。顔くらい見せろよ」
そう言われて俺は立ち上がってドアを開けた。少しだけあいた隙間を通って勇斗が部屋に入ってきて、俺はすぐに抱きしめられた。
あれだけショックで怒っていたのに、寂しいって言われてすぐドアを開けたり、抱きしめられて嬉しいって感じたりするって、ほんとに単純すぎて自分が嫌になる。
「仁人、会いたかった・・・」
「・・・俺は会いたくなかった」
「え!?」
俺は勇斗から離れてベッドに座った。勇斗は驚きすぎて動けなくなっている。
「じん・・」
「勇斗、別れよう」
勇斗が俺に話しかけようとしたのを遮ってそう言った。
すごく怖かったけど、それを感じさせないように意識して落ち着いた声で言った。
「もう無理なんだ、勇斗と付き合うのは。俺は釣り合わないしさ」
「釣り合わないって、そんなことない!俺は仁人じゃないと嫌なんだ!・・・なんで急にそんなこと」
「急じゃない。ずっと、思ってた」
そこまで言ったところで、止まっていた涙がまた溢れ出してきた。
とにかく勇斗から離れたくて、この場から逃げ出したくて、部屋を出て玄関へと向かった。
後ろから勇斗が追いかけてきて途中で止められた。
「仁人!ちゃんと話そう!」
「話すことなんて無い。・・・勇斗なんて大っ嫌いだ」
俺はそう言い残して家を飛び出した。
行くところなんてない。これからどうすればいいのかもわからない。
ただただ逃げたくて走り続けた。
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**-勇斗side-**
仁人が家から出て行った。
こんなことになるのは初めてでどうすればいいかわからない。
とりあえず仁人に電話をかけてみたけど、スマホの電源を切っているのか繋がらなかった。
仁人の友達に連絡してみようかとも思ったが、そもそも仁人の友達なんて誰も知らなかった。
「俺は仁人のこと何も知らなかったんだな」
友達のことも、こういう時どこへ行くのかも、仁人が抱えていたことも・・・。
「いや、違う」
何も知らないわけじゃない。
ずっと一緒にいたんだ。考えれば何かわかるはず。
そう思ってしばらく考えていると、あることを思い出した。
俺は急いで家を出て、車を発進させた。
10分くらいで目的の場所に着いた。
それは家の近くにある公園。小さな丘があって、そこからは綺麗な星が見える。
少し前に2人で来たときは曇っていてあまり星が見えなかった。だから、「また今度2人で見に来よう」って約束したんだ。
「いた・・・」
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**-仁人side-**
「2人で来ようって約束したのになんで1人で来てるんだよ~!」
公園で星を見ていると、いつの間にか勇斗が来ていた。明るい声で話しかけてくる。
「なんで・・・」
なんで居場所が分かったのか。俺だって最初からここに来ようと思っていたわけじゃないのに。
「なんでって、俺と仁人の思い出の場所だから。それに、仁人が教えてくれただろ?嫌なことがあったときはここに来るって」
だいぶ前の話を覚えてくれていたことが嬉しくて、自然と涙がこぼれる。
そんな俺を見て勇斗は何も言わずに優しく抱きしめてくれた。
俺が落ち着いた頃、勇斗が優しい声で
「仁人。俺、なんかした?何が嫌だった?」
と聞いてきた。
しばらく話せなかったけど、勇斗は俺が話すまでずっと待ってくれた。
「今日、勇斗がカフェにいるのを見た。勇斗が女の人を抱きしめてるのも見て、浮気されたって思って苦しかった」
勇斗は一瞬驚いた顔をして、すぐに優しい表情に戻った。
「仁人ごめんな、不安にさせて。あの人は俺の元カノ。浮気じゃないから」
「元カノって・・・。元カノをあんなに嬉しそうに抱きしめるのもおかしいと思うけど」
「ははっ、そうだよな。あ、いつもしてるわけじゃねぇからな!今日は2年ぶりに会って嬉しくてさ。仁人と付き合い始めてからは友達として仲良くしてるだけだから!」
そうやって説明されてもなかなか納得できない。
勇斗は友達だと思っていても相手はまだ勇斗のことが好きかもしれない。
勇斗は明るくて面白くて優しいから、勇斗のことが好きだって言う人はいっぱいいる。勇斗は鈍感だから気づいてないけど。
勇斗は俺のことを好きでいてくれてるってわかってるけど、それでもいつも誰かにとられるんじゃないかって不安になる。
俺が1人で考え込んでしまったのを見て何かを感じ取ったのか、勇斗は俺の手を優しく握ってくれた。
勇斗の顔を見ると泣いてしまいそうで見れないけど、きっと優しい顔をしているんじゃないかと思う。
「仁人。仁人は俺にどうしてほしい?なんでも言っていいよ」
「なんでも?引かない・・・?」
「うん、大丈夫。絶対引かない」
まだ怖さはあったけど、勇斗のその言葉を信じて俺は自分の気持ちを口にした。
「勇斗はモテモテだから誰かにとられそうでいつも不安になる。だからほんとは・・・女の人と会わないでほしい。飲み会とかにもあんまり行かないでほしい。・・・会えないと寂しいから、ずっと一緒にいてほしい」
泣きそうなのを必死で堪えて全部伝えた。
どれだけ優しい勇斗でも引かれてしまいそうで、怖くて不安で俯いたまま顔を上げられないでいると、大きな手で頭を撫でられた。
顔を上げて勇斗のほうを見ると、嬉しそうな笑顔で俺の顔を見つめていた。
「ったくもう、仁人はかわいいな~!いっつもツンツンしてるのにこういう時は絶対甘えてくるのほんとに好き!・・・っていうか俺、仁人しか見えてねぇから。仁人以外とかマジで興味ない。だからそんなに不安にならなくていいからな」
「ん」
勇斗の言葉を聞いて俺は心の底から安心することができた。
ぐちゃぐちゃになっていた気持ちがすーっと落ち着いて、リラックスしていたとき、勇斗がいつもの明るい声で話しかけてきた。
「っていうか仁人は~?俺のことどう思ってるの~?」
「・・・嫌いじゃない」
好きって言えないの、ほんとに俺って素直じゃねぇな。
俺は素直になりたいのに、勇斗は俺のこういうところも好きって言ってくれるから、もうこのままでもいいかな、なんて思ってしまう。
「嫌いじゃないってことは、どういうこと?」
__「・・・好き」__
「え?聞こえないからもっとでかい声で!」
「あぁもう!好き!大好きだよ、バーカ!」
「仁人かわいすぎ笑」
2人で静かに見つめあってお互いの愛を確かめ合う。
「俺も大好きだよ、仁人」
「うん」
俺は死ぬまで勇斗と一緒にいる。
できればその後もずっと一緒がいいな。
なんて、からかわれるから勇斗には絶対言わないけどな。
俺たちは輝く星空の下、口付けを交わした。
最後まで読んでくれてありがとうございます!!!
二次創作は初めて書いたので、あまりうまく書けませんでした。
これからもっとうまくなるように頑張っていろいろ書いていきます!
それでは~!