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宇宙人と学校
朝のチャイムが鳴った。この辺り一帯は子供が少なく、偏差値も普通なので、生徒が少なく、クラスも一つだけ。アルの本当の年齢は分からないが、高校2年生の設定なので、秀と同じクラスなのは確定であった。
秀は黒髪黒目の後ろの席。そんな男とピンク髪の美少女が兄妹なんて知ったら・・・このクラスの生徒はどんな反応をするだろか。アルと仲良くなりたい男どもが、自分と仲良くしようとしだすだろうか?そんなことを考えていると、担任が教室に入ってきた。
「今日は転校生がいます」
そう担任が言った瞬間、教室がざわつき始める。
「はい!」
とある男子が手を挙げた。
「性別は!?」
「女子だ」
担任の一言に、男子生徒が狂喜乱舞する。そんな男子を女子が白い目で見ていた。
「はい、入ってきていいよ」
その合図と共に、教室のドアが開く。アルが入ってきた。
秀は驚いた。白いセーラー服と藍色のプリーツスカートが、とても似合っていたからだ。
最初はその可愛らしさに喜んでいた男子達が、あることに気づいた。
「猫耳・・・?」
アルにはがっつり猫耳と尻尾が生えているからだ。しかもそれは飾りというのは難しいくらいにフワフワと動いている。
「はい、自己紹介どうぞ」
「八尋アルです。北海道から転校してきました。仲良くしてくれると嬉しいです」
転校前の住処が北海道なのは、秀の親が、北海道にいるからだ。だがそんなのお構いなしに、生徒たちの視線は一点に集まる。視線の先は、
(やっぱこうなるか・・・)
秀だった。
「八尋・・・?」
誰かが口にした。それに気づいたアルがこう言った。
「八尋秀は私のお兄ちゃんなんです!前は母と暮らしてたんですけど・・・お兄ちゃんのことが気になって・・・」
完璧な妹ムーブだった。ちなみに、昨日練習は一切していない。
「そうなのか八尋!?」
「う、うん・・・」
秀は男子達の勢いに呑まれそうになった。愛想笑いで何とかやりきる。
「取り合えず、アルさんは秀の隣の席に座って」
「はい!」
アルは笑顔でそう返事した。秀はまた、その笑顔に引き込まれそうになる。秀だけでなく、周りの男子も引き込まれていた。その姿に、秀は少しもやっとした。
アルはその後、他の女子たちと楽しそうに話していた。
秀はその間、男子達に質問攻めにされていた。
今回は少なめだったので凄いスピードで書きました。やっぱりこれ書いてて楽しい。このアイデアくれた方本当にありがとうございます!