公開中
自主
朝学校に行くと嫌いなあの子の机の上に百合の花瓶が置いてあった。
周りは悲しそうにすすり泣いてる、内心喜んでるくせに。
「自業自得よ、当然の報い」
そう思った。
HRで嫌いなアイツの話がされた。
「今朝、ア⃠イ⃠ツ⃠さんの遺体が校庭で発見された。何か知っていれば先生に直ぐ教えてくれ」
そう言う先生の姿、悲しげな仮面を被ったクラスメイトがあまりに可笑しくて、滑稽だ。
私は勢いよく右手を上げて立ち上がり、笑顔で真実を教えてあげた。
「はい!私がやりました!
あの子を奈落へ落としました。
で?だから何か問題が?
だってみんなあの子嫌いでしょ?」
これで私はみんなのヒーロー!でしょ?
何でみんな私をそんな目で見るの?
ー1ヶ月前ー
虐め、いじめ、イジメ…もう慣れた。
助けてくれる人は誰もいない。
親友でさえ、私を無視し、殴る。
女王様気取りで足組んで、みんながあの子を慕ってる。それもこれもあの子は気に入らない奴を徹底的に潰しに行くせいだ。
今日も私は奴隷の様に扱われる。
「ねぇねぇ、飲み物買って来てよ」
「お金は…」
「は?それくらいお前が出せよ」
「ッッ…でもっ」
嫌いなあの子が取り巻きに目配せをした。今から殴られるんだ。
殴られてる私を見てみんなが笑ってる。
あの子はみんなに振りまく愛想も、私にだけ悪意振りまくの。本当に腹が立つ。
そうだ、やり返せばいいじゃん?
いつも最後まで教室に残ってるもの。
「貴方が自主的に始めた遊びなら、最後まで果たしてやる」
今日は少し違った。あの子は私を屋上に連れて行った。私にとって絶好のチャンス!
そして、いつもの様に私を殴り始めた。
まぁいいや、最期だし、殴られてあげる。
「ねぇ…」
私が話かけるとあの子は動きを止めた。
とっさに私はあの子をフェンスに押しつけた。あの子は落ちるか落ちないかギリギリを攻めている。
「嫌われ者だなんて知らなかった?
人気者気取りで笑っちゃうw」
「な、何言ってるの、離してっ⁈」
私は力を込めてあの子を押した。落ちたと思ったけれど、私の腕がズンと重くなる。
本当に生命力が強いのね。あの子は私の手を掴んでる。だけど下は奈落の底。
「た、助けてっ…!」
私は容赦なく手を離す。
「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
なんて可哀想で無様な末路なの。
「小癪な貴方によくお似合いだわ」
私はそう言ってその場を立ち去った。
雨が降ってきた。
家に帰った後、私は唐突な快楽を覚えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「で?次の番は誰ですか?
見て笑ってたクズなみなさん。
自首したって許しはしない」
そう宣言し、喜劇の復讐劇が始まった。
数日後、私は気づいたら冷たいコンクリートの部屋の壁にもたれていた。