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2章6話 “rebellion”
こんにちは。
ちょっと今年から二次創作の方にも手を出していこうかと思います。
あんまこのサイトに出てない奴やりたいですね…
出てない=需要がないという推測はさておき…
本編どうぞ!
前回のあらすじ
王家六男と交戦し、勝つも牢に閉じ込められてしまって…
「はい!もちろんです!」
何度もやめろと言われた。
それでも、異世界に転生し右も左もわからない俺を助けてくれた恩を返しに
--- ここまできた。 ---
「ここを開くには王の鍵が必要です!それを持ってたりは…」
「しません!」
王と直接対決する気でいたのに、まだ見てすらいない。
なのに究極をも超える《《スキル》》を破る方法なんて…
いや、さっきの使えれば…
「ワンチャン…ちょっと待ってください!」
そう言って俺は権能菜園を開く。
「ピクトさんもう一回《ハアクオカヒジキ》使えたりしませんか?」
///話は聞いていましたが厳しいですね…何せ演算能力は限界を迎えている上にさらに強力なスキルとなると…解析に2日間、演算に5日間かかります。///
1週間…キッツイなー…
「1週間戦争…頑張ってきます。」
そう言って俺は権能菜園を後にした。
「どうですかね?」
「いや、多分きついですね…《《至神スキルの権能》》ともなると解除に一週間はかかると…」
皆、この場所で一週間生き残る可能性の低さはわかっている。
「おや、あなたは何か勘違いをしている模様ですね。」
急に紳士の声が。あんた誰?
そんな訝しげな目が相手にも伝わったのだろう。
「おっと失礼、私はからくり人形作りをしているボン・ラ・ピエロニと申す者です。権能、表現者《エクスプレッショナー》を持っております。ところで、その王の鍵ですが、物質的なものです。王のズボンの右ポケットに入っている鍵束の中の
--- 🔑 ---
このような鍵です。」
いや、ほんとにあんた誰!?
なんでそんな詳しいんだよ!?
「王はこの階段を上がり、回廊を通った先の大広間にいます。」
そこは交戦中なんだよなとか思ってると、
「ですが、そこは交戦中の模様。あなたがここにきた刻印魔法のランダム効果の一つに大広間へ転送があります。それを引くまで魔素を込め続ければ…
大広間へ辿り着けます。」
最初の心を読んだのがすっ飛ぶほどのいい情報くれるじゃん!
「わかりました!やってみます!!」
「お気をつけて!」
そう言って地上へ上がる階段を駆け上り、身を潜めて権能菜園に入る。
「王様って倒せるかな?」
///いえ、このままでは厳しいと思われます。なので……///
「マジで!そんなことできるの!?」
///はい、あとこちらの《ユニットラッキョウ》を作れば耳の魔導具から私の声が聞こえると思います。///
「あっ、テイムの時のやつですね?」
///それですね、魔素の流れに触れるようにすれば私のような権能核も魔導具に干渉できるようになります。///
「複雑なことはわからないので行ってきまぁす!」
《ユニットラッキョウ》含め4つほど作物を収穫し、意識を戻すともらった作物を耳の魔導具に付ける。
ー//バッチリです!//ー
ピクトさんの声も聞こえたところで転送用の刻印魔法に魔素を込め始める。
「ここじゃない…ここでもない…違う…違う…違う……ここか。」
5〜6回目の転送で辿り着いた大広間。
そしてその正面にいるのは…
「ほぅ、転送魔法を利用してきたか…お前、中々の切れ物だな。」
この国の国王と女王。
「何しに来たんだか知らねぇが、ここに来たのが運の尽きだったな。お前…
--- 潰してやるよ。」 ---
じゃあこっちも名乗っとくか。
「俺はタツヤ、ミハゼギルドってとこの冒険者やってんだ。名前だけでも覚えてくれよ。あとなぁ、お前は妙に意気込んでるけど、俺は別にお前を倒さなくても「同盟は無いぞ。」当たり前だろ。」
話きかねぇやつだな…嫌われて当然だな。
「よぉ、ボタン。下がっとけ。」
「わかりました。」
なんか女王も従順すぎて怖いな…まぁこれで王対俺の1vs1になったからいっか。
「さっき、だいぶ強力な星光素をぶつけたんだがなぁ…屈しねぇなぁ。」
「星光素?」
「あぁ、星光素はわかるよなぁ。そう、それを持っているということは…
--- 俺は勇者ってことだよ。」 ---
勇者?星光素?
知らんなぁ〜!?
「そういうことか、無駄に強いと思ったらそういうことか…」
全然気持ちと違うことを口に出す。
「まっ、しゃあねえわな。こんな悪逆無道なのが勇者だと思わねぇよな。俺はこの国を守る。そのためには、
--- 手段を選ばねぇんだよ。」 ---
わかる。
俺だって仲間を傷つけたくないからその気持ちは痛いほどわかる。でも、
「それで傷つく人がいるなら、いや、いるから!
--- お前をここで止める。」 ---
「その勢い、いつまで持つかな?」
「目的を果たすまでは負けれねぇんだよ!」
俺は今まで倒してきた魔物の魂が封じられた剣を抜刀した。
「エリトネア王国国王、エリトネア・ハイドランジア…参る!」
国王もそう言って武器を取り出す。取り出した武器を拳にはめて……
え?
こういう人がメリケンサック使うって珍しいな。
「ハァ!」
「フゥン!」
迷わず切り掛かるが掌のメリケンにより受け止められる。
よく見るとメリケンには棘やゴツい武装がついており、殺傷性が高くなっている。
「そのままチャージ!」
鍔迫り合いになっている中、持っている作物のうちの一つを使う。
「怒風爪装填!《シングルチャージ》
--- 兇風殴怒爪斬《エンダイブスムージー》」 ---
《ナックルエンダイブ》という作物をチャージし放つ。エンダイブというのは別名メリケンサラダと言い、独特の苦味が…なんで俺こんな野菜に詳しくなってるんだ?
まぁ威力は保証されているのでかすり傷くらい…
「闘覇雄気《ヴァトルウォール》…効かんな?これで終わりか?」
挑発か、随分と舐めたことをするな!
「終わりな訳あるか!怒風爪斬!《ウィンドゥ・ブレイク》」
怒りに任せて必殺の剣技を放つ。しかし、勝負は一瞬だった。
「甘い。」
「ぐッ……グハぁッ」
腹に拳がめり込み、うつ伏せに倒れ込んでしまう。
「挑発にかかったな。隙が多い技をこれ見よがしに放ってくるとは…所詮その程度か。強者なら見込みがあると思ったんだがな…」
そう言って髪を掴み顔を上げさせる。
「入ったろ。なぁ、どうだ?反乱だぁ!とか言ってきて何も助けられずにこてんぱんにされた気持ちは?」
そう言ってエリトネアはかがみ込んでこちらを覗き見る。
もうここまでか…
--- キラッ ---
ズボンのポケットに入っている金属質のものが見えた。
すぐそこにあるんだ……みんなを救う鍵が。
まだ策だって残ってるじゃないか。
ー//このまま戦い続けるのは危険です。撤退がよろしいかと。//ー
そうか、ピクトさんにはわからないか。
男には…いや人には退けないときがあるんだよ。
「気持ち?最悪だよ、吐きそうだよ、帰りてぇよ。でもなぁ、あそこまで啖呵切った以上後には引けねぇだろ。安心しろ、まだ戦える。」
そう言って傷ついた体で立ち上がる。
「ほう、まぁお前の命は風前の灯。俺が国王の名において倒してやろう。感謝しろよ。」
「さぁ、倒れるのはどっちか…目に物見せてやるよ。」
「セイッ!」
「フゥン!」
再び、衝突。
剣とメリケンの接点から火花が散り、両雄の顔を赤く照らす。
「ハッ!おりゃぁ!」
一度剣を離し、その勢いで回転。
それを王が避け両者の間に間合いが生まれる。
さらに間合いを離すべく俺も後ろへ跳躍。
そして|技名宣言《コール》
--- 「|戴魔壽《いただきます》」 ---
そう言って俺はあらかじめ取り出していた二つの野菜、《アッセンブルアマランサス》と《デヴァウアーキワノ》を食う。
「これで使い切ったけど…ん〜、なんかアマランサスはえぐ味が凄いな…キワノはなんか薄ら酸っぱいし…美味しくねぇ!」
その瞬間。
ー//菜権スキル集結ノ権《アマランサス》と、貪食ノ権《ホーンメロン》を会得しました。//ー
まずは第一関門突破だな。
「何を遊んでいる?勝てると思っているのか?」
「まあお前にはわかんないだろうなぁ、お次は…
--- 集結ノ円卓《ラウンドラリーテーブル》」 ---
と、目の前に円卓が現れ、俺が出せる全ての野菜が出てきた。そしてそれを…
--- 「滅食ノ牙顎《ファングラトニージョー》 ---
全て喰らい尽くす。
ー//膨大な菜権スキルを獲得しました。それらを編纂し、集結ノ権《アマランサス》と貪食ノ権《ホーンメロン》を軸に塵芥権王《ゴミスキル》および御人権王《オヒトヨシ》を獲得しました。これで完成しました。//ー
スキル名ツッコミどころ多すぎだろ!
「何をしたとて無駄だ!」
メリケンが飛んでくる。
「無駄じゃない!菜庇防人《プロベジテクト》」
メリケンの殴打を手のひらで防ぐ。その手に痛みはない。
「うぉぉぉおおおおおおおお!」
「とりゃとりゃとりゃとりゃー!」
連続殴打を全て受け切り、
「塵滅怒斬《ダスト・ウィンドゥ》」
塵芥権王《ゴミスキル》の権能を乗せた剣で一切無駄のない動きの兜斬りを放つ。
「クッソ、急に強くなりおって、いいだろう。我の必殺受けてみよ。」
「望む所だよ!」
「龍胆華撃」
龍の形を模したエネルギー体が俺を襲う。
「聞いたことある技だな。さあ、こっちも行くか。」
「野菜放食《ビタミンバイキング》!」
こちらもビタミンA、B群、C、D、E、Kと全てのビタミンを備えた野菜ジュースのエネルギー体を解放する。
どゴォぉぉぉぉぉぉぉ
衝突した瞬間お互いの衝撃波がお互いを蝕み合う。
そして先に衝撃を敵まで届かせたのは…
「第一、王国に反乱しようと思わないことだな。おっと、もう消し炭になっていたか。」
王の言う通り、先ほどまで栄養素の塊を放っていた転生者はもうその場にはいなかった。
龍の過ぎ去ったにもかかわらず未だ爆発の続くその場には。
「塵芥鎌風《ダスト・ブレイク》」
戦場の跡地に吹く一陣の鎌風。
それは狙い済まされた一撃。
「そうか、はなっからこれが狙いか。」
王の問いに答えるは、
「そうだよ、じゃ、バイバーイ。」
無事に解放の鍵を手に入れ、反乱者となった転生者。
その転生者は、さらに風を纏いどこかへ去っていく。
そして残ったのは、
「クッソ、もう年だな、動けねぇや。」
床に仰向けで倒れる国王。
「あの野郎…覚えたぞ、タツヤ。生意気なガキだ。絶対潰してやる…タツヤ!」
また、単身牢へ向かう転生者もいる。
「あっぶねぇー!」
ー//いえ、あの状況なら成功率は相当に高かったと思われます。//ー
そうかもしれないけどねぇ…と思う。
ピクトさんから提案された戦法は「カウンター」。
相手の唯一わかっている技、「龍胆華撃」を全ての野菜を召喚した技で相殺したっぽくし、もう一つ手にしていたスキルの御人権王で龍胆華撃を防ぎ切る。
そのあと撹乱用の野菜を超速で収穫し、視覚を奪う。
マジで怖かったんだからな!
まぁそんなこと言いながら鍵を奪取し庭へ逃げたのち、もう一度玄関から入って牢屋に…
「着いたー!」
「うぉぉぉおおおおお!」
「これをこの鍵穴に挿して…さぁ、解放だ!」
牢屋から全員出てくるのを確認し、玄関から外に出て、森への帰還を始…め…
スクロールお疲れ様でした。
長ぇぇ…
頑張ったぁぁぁ!
え?正月から投稿してない?
知らんな?
次回は番外編、ちょっと短めのやつ出して、図鑑を作りながら二次創作していこうかと思います。
今月中に出せたらコメントください。
今月中に出せなくてもコメントください。
それではまた次回!