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推しのせいで生きている
死にたい。どうしようもなく死にたい。
死んだら全部楽になる。
そう思っても、どうしても、死ねない。
死にたい。でも、
生かされている。
柳瀬ヤナギ。自分には推しがいた。それが生きる希望であり、生きる意味であった。
「今日も散々・・・」
自分は毎日をあまり謳歌できていない。辛いことの方が多い。だけど、推しがいるから生きている。
そんな自分でも、度々病んでしまうときがある。ある日は家の風呂の中で、一人死にたいと嘆いていた。シャワーから出るお湯を頭から被り、涙を誤魔化す。周りに湯気が立ち込める。
自分は一人「もう嫌だ」と呟いた。
最近一番の悩みは、自分自身だった。
病んでしまうと、こう思うようになってしまったのだ。
推しになんて、会いたくなかった、と。
推しに出会ったからこそ、死ねなくなったのだ、生きていかないといけなくなったのだ、と。
推しにさえ会っていなかったら。
自分には生きる意味がなかったのに。
自分は死ねたのに。
そんなことをずっとグルグル考えている。
そんな自分が嫌いだ。
風呂に上がり、推しの配信を見に行く。心が軽くなった。幸せだった。だからずっと死ねずに苦しんでいる。自分にとって、幸せと苦しみは紙一重だった。
布団に入り、瞼を閉じる。しかし頭は考えるのをやめない。
推しのために生きている自分はまさに、
(操り人形だ・・・)
自分はそう思った。きっとこれからもこうやって何かあるごとに病んで、めんどくさくなって、人に迷惑をかけて、もっと病んで・・・
自分に救いはないまま、苦しみ悶えながら、一生を過ごすのだろう。