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1.最悪な目覚め
すず
清風高校に通っている「高瀬 奏」(たかせ かなで)は学校の帰り道、スマホに届いた一通の通知に目を落とした。
SNSのDMに送られてきたのは、今の自分の後ろ姿を盗撮した写真。
ゾッとして振り返った瞬間、目の前にいたのは見覚えのない作業服の男だった。
「見つけたよ、奏くん」
その言葉を最後に、視界は真っ暗になった。
スプレーで何かを吹き付けられ、奏の意識は泥のように沈んでいった。
数時間後、奏は目を覚ました。
「ここ…はどこ…」
奏がいる部屋はそう広くないコンクリートで囲まれた部屋だった。
「……体っ…が痛い…」
その時、奏がいる部屋の外から足音が聞こえてきた。
コツ コツ コツ コツ
足音は次第に大きくなってゆく
そして、足音は奏がいる部屋の前で止まり、ゆっくりとドアが開いた。
そしてドアから中に入ってきた人は、奏を連れ去った奴だった。
「よう、元気か奏」
奏は力を振り絞って喋った
「誰だ…!お前!俺を攫って…」
「奏、もうお前も高校3年生か…よくこれまで頑張ったな」
「な…なんの話をしてるんだ!」
「まぁここから逃げないと言うならお前を守ってやるよ。逃げようとするのなら……とりあえずついてこい」
奏は無言でその男についていった。
廊下を歩いている途中、
「なぁ、奏俺の名前は誠。普通に誠って呼び捨てでいいから呼んでくれ」
この時、奏の心臓がチクッと痛んだ
(誠……?)
「どうした?奏」
「別に…なんでもない」
(誠って…まさか…)
奏の顔が青ざめてきた
だが、すぐに戻った
(これは…気のせいだよね生き返るわけないし…)
「ついたぞ。奏ここだ」