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弐
ひなと出会ったのは10年前。
僕は高校1年生だった。
大学受験まであと2年。
行きたい大学もなかったし、やりたいこともなかった。
正直、死のうと思ってた。
ただそんな時にハマっていたのが小説執筆だった。
僕は書き上げた小説を図書の先生に見せるのが日課だった。
ある時、先生がいなかった。
(あれ、どこだろう......)
「君、どうしたの?」
綺麗だと思った。
透き通るような声。
いつまでも見ていたい。
「図書の先生を探しているんです。」
「図書の先生は出張だよ。だから私がかわりに来てるんだ。」
出張か......
「何か渡したいものとかあるの?」
「あの、これ......」
先生以外に見てほしくない新しい小説の原稿を渡してしまった。
彼女が見る。
まだ名前を聞いていなかった。
「へぇ、いいじゃん」
いつの間にか笑っていた。
「あの、君の名前は.........」
「私の、名前?私は|四宮姫菜乃《しのみやひなの》。ひなって呼んでね!」
「ひ、な......。僕は|五十嵐聖《いがらしせい》。」
「綺麗な名前してるね。聖って呼んでいい?」
「いいよ、ひなはいつもここにいるの?」
「うん、大体はね」
ずっと通ってた図書室なのに、ひながいることに気づかなかった。
「あのさ、聖。」
「なに?」
「私と一緒に小説を書こう。」
切るとこわかんない()