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4話 縛り
ねぇ、ずっと私は性別っていう縛りに縛られなくっちゃいけないんだろ?私が男子
だったらすたぽらに居ていいの?もう分かんないからさ、早く楽にしてよ。
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俺はずっと家族の長男で、
『兄弟の最年長よ』
『しっかりものね』
そんな言葉だけ言われる。俺が本当に欲しかったものはなんだろう?愛?幸せ?なん
だろな。全部全部この世は曖昧で、分かんない。いっそのこと楽にしてよ。
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俺が間違えたのは何時からだっけ。そっか、あの冬。妹のコナに嫌な思いさせた
んだ。
「こた兄、寒いよーっ。」
手に白い息を吹きかけるコナ。そっと俺と母さんでコナの手を掴む。
「こた兄、ママ、あったかいね!」
笑顔のコナに俺はまだこの先の不幸も分かんなかった。俺の視界にはトラックが
ゆらり見える。俺はそっとコナを抱きしめる。
「こたっ!コナ!」
母さんはトラックに引かれる。それを俺は見つめることしか出来なかった。俺と
コナ、父さんは生きれた。でも、母さんは。
父さんはコナだけ可愛がり、俺には一切愛情なんてくれなかった。コナは小さかった
のに、虐めで自殺した。これは兄の俺が止めれなかったのが悪いんだろうか?
わからない。俺は父さんに殴られ蹴られ。ドゴッボガッボコッドゴッボコッ!ずっと
ずっと痛いだけ。
「◯ねよ!」
ずっとしんどいだけ。だから俺は人前では明るいこったろを演じてるんだ。本当は
辛いよ。でも、明るくなくっちゃ、嫌われるから。
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昔俺は一人の男の子に助けられた。
「俺、くに!君は誰?」
中学生ぐらいの男の子だ。
「俺は、こったろだよ。」
「親は?」
人懐っこい笑顔で訪ねてくる少年。親なんて、愛をくれないだけなのに。
「虐待されてるんだよね、」
ずっと俺はいいたかったことを言った。
「こっちにおいでよ!ご飯も、寝るとこも全部平等だよ!」
俺はその言葉に涙が出てしまった。そっと少年は俺と手を繋ぎ、そっと歩き
出した。
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そっと俺は歌ってみたの曲をレコーディングする。
「世界が私を拒んでも今愛の歌歌わせてくれないかな」
そっと俺はMIXする。部屋には一人のパソコンが響く。
「こたぁっ!」
階段からくにおちゃんの呼ぶ声が聞こえる。俺はヘッドフォンを取り、
「くにおちゃんどした?」
そう言う。
「あーそーぼ!」
階段の下から笑顔で遊ぼと誘ってくる。
「っ、いいよー!」
編集は終わっていない。でも、この今の瞬間を楽しまなくちゃ。そう思った。
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こたは最近〝最年長〟、〝仕事〟。ずっとその言葉に縛られてる。なんか、ずっと
こたは深い海に沈んでいるような、そんな気がしている。俺はこたを無自覚で
傷つけてたらどうしよ。
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