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2話
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**2話 ひび割れの予感**
翌日の放課後。
いつもの「ベース」には、いつも通りの9人が集まっていた。
だが、昨日よりもどこか、空気が少しずつ重くなっているのを誰もが感じていた。
「今日も寒いな……」
レオンが肩をすくめながら呟く。
「まったく、風邪ひく奴が出そうだな」
「風邪じゃ済まねぇだろ」
アッシュが真剣な表情で言った。
彼の目はどこか鋭く、まるで誰かを見張っているようだった。
「おい、そんな殺気立つなよ」
ジェイが笑いながら、いつものムードメーカーの顔を作る。
「ま、みんな大丈夫だって。信じてるぜ」
フィンは黙って焚き火の火を見つめている。
彼の顔には疲れが滲んでいた。何かを抱えているのは明らかだったが、誰もそれを口に出せなかった。
「ライルは?」
ノアがふと、そっと尋ねる。
ライルは今日はいつもよりも静かで、周囲の様子を細かく観察しているようだった。
「……何でもない」
ライルはそう言って首を振ったが、その目は明らかに何かを訴えていた。
リクは今日も静かに端に座っている。
笑顔は見せるものの、時折眉間にわずかなシワが寄る瞬間がある。
それは彼の心の内を見透かすような一瞬のひび割れだった。
「なあ、みんな」
レイヴが言葉を切り出した。
「お前ら、最近何か変わったことはないか?」
みんなはそれぞれに首を振るが、心のどこかで、答えたくない答えがあることを知っていた。
「……何もないってのは、嘘だろ」
セスが冷たく言い放った。
「お前ら、誰かが何か隠してるの、感じてるだろ?」
「感じてる」
アッシュが短く答えた。
「誰かが嘘をついている。真実を隠している」
ジェイの声は少しだけ震えていた。
「……誰なんだ?」
レオンが声を低くして言う。
「わからない」
フィンが静かに答えた。
「でも、確かに“何か”はある」
ライルが頷いた。
リクは黙っていた。
その瞳は、まるで何かを隠すかのように、暗く深かった。
誰が真実を握っているのか。
誰が嘘をついているのか。
それはまだ、誰にもわからなかった。