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九
文彦「奥すぎるだろ・・・」
八雲「ここに幽霊の井戸が・・・?」
恵麻「みどりくん大丈夫?」
碧「ツカレタ・・・」
八雲「井戸が見えてきた!もう少しだ!」
文彦「これが幽霊の井戸?確かにぼろぼろで不気味だな」
恵麻「あ、待って!中に誰かいる!井戸に落ちちゃったのかな?」
碧「ライトアルカラテラシテミル」
碧はペン型ライトで井戸の底を照らした。
中に女の子が座り込んでいる。
恵麻「ねぇ!大丈夫⁉︎聞こえる⁉︎」
女の子「誰か・・・いる!すみません、助けてください!」
文彦「今ロープを下ろすから、それを掴んで上がってきて!」
文彦は近くにあったロープを下まで下ろし、女の子を上まで引き上げた。
八雲「君は?」
女の子「私は冬本瑠美です。誰かにここに呼び出されて、井戸に突き落とされました。突き落としたのは男です。あいつは『お前には施設の囮になってもらう』とか意味のわからないことを言っていて・・・。スマホのカメラっぽいのも見えたんですが、すぐにどこかに行ってしまいました。それから人が近づく度に助けを求めたんですが、何故かみんな悲鳴を上げて逃げてしまうんです」
碧「タブントシデンセツノウワサニツカワレタンダネ」
八雲「多分そいつが言ってた『施設』は、実験施設のことだ!瑠美さん、施設の入り口についてヒントはなかった?」
瑠美「あ、それなら録音データがあります!何かボソボソ言っていたので、あとで聞こうと思って録っていたんです。何か手がかりが残されているかも!」
恵麻「聞かせて欲しい」
瑠美「わかりました!」
〜再生中〜
文彦「なるほど、この踏み石の一つが取り外せるのか」
碧「デモ、ドレガハズセルノカワカンナイ」
恵麻「片っ端からやってみる?」
瑠美「いえ、どの石かは大体わかると思いますよ」
八雲「え⁉︎ほんとに⁉︎」
瑠美「聞いてください、この音は落ち葉を踏む音です。落ち葉が周りに落ちている踏み石は少ないです。そして、『この木ほんと邪魔だな』と言っていますね。木が近くにあるということでしょう。そして、カタカタという音が何度か聞こえます。なかなか外せないくらいに滑る・・・つまりコケが生えているんです。これらから導き出される答えは・・・」
瑠美は一つの踏み石に近寄り、それに指をかけて持ち上げた。
カタリ
八雲「開いた!」
恵麻「すごい、ボタンが出てきたよ!」
文彦「瑠美さん天才だよ!」
瑠美「いえいえ。私をこんなことに巻き込んだ報いを受けさせてやります。ボタンの暗号を解けば中に入れるはずです」
今回の登場人物
冬本瑠美(ふゆもとるみ)
井戸に落とされた少女。17歳。閃き力と推理力に長けている。