公開中
幻想を喰らう者
紅 猫椛
ここはとある田舎町。誰も町の名前を覚えておらず、もうほとんど人が姿を消した場所。そんな町に男1人旅。「こんな所に町があるなんて」そう言いながら町に入っていく。古い家、見渡す限りの自然。「何もないななんかないのかね」ふいに、婆さんが目の前に来た。「な、なんだよ」「おや新入りかい?ここは、なんでも手に入る場所だよ。金も名誉も。」ただ…。そう続く、婆さんが言うには手に入れたら途端に消えてしまうらしいまるで誰かに食べられたように。だから想像をしない、幻想を抱かない、夢を見ない。そうした方が賢明だと言うのだ。そんな事が可能なのだろうか?出来たとしてそれが人と呼べるのか?そう考えてた。突然男はその考えと共に食べられていた。婆さんは神社に来ていた「あの男もわしの想像じゃったか。だから警告したのに、この町は想像するだけでなんでも手に入れた場所。それはある怪異を神に祀り上げる事で成り立っていたのじゃが、その信仰が薄れてしまった時にただの餌場になってしまった。寂しさからあの男を作ってしまった。もうこの町はわし1人じゃったな。」
もうこの田舎町は誰も知らない。
オリキャラの食事所の1つのお話でした。