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【新連載】「目が合うたび、キミに溶ける。」②
【第2話】「独占欲の嵐と、甘い逃避行」
「……はぁ。やっと仕事、終わった……」
すとぷりハウスのリビング。ちぐはソファーに深く沈み込む。
国宝級と謳われるその美貌も、今は少し疲れ気味。けれど、そんな隙のある表情さえも、メンバーたちの独占欲を刺激するには十分だった。
「ちぐ、お疲れ様。冷たい飲み物持ってきたよ。……膝、貸して?」
莉犬くんが小走りでやってきて、ちぐの膝にぽふっと頭を乗せる。
「え、莉犬くん……!?」
「ちぐの匂い、落ち着くんだもん。……俺だけのちぐならいいのにな」
子犬のような瞳で見つめられ、ちぐの鼓動が跳ねる。
「ちょっと莉犬! 抜け駆け禁止!」
ジェルくんが反対側からちぐの肩を抱き寄せ、耳元で低く囁いた。
「なぁ、ちぐ。明日のオフ、俺と二人で出かけへん? お前の綺麗な顔、俺のカメラだけで独占したいんやけど……」
「あーあ、また始まった。ちぐ、こっちおいで。僕が守ってあげるから」
ころんくんが強引にちぐの腕を引き、自分の方へ引き寄せる。
そこへ、部屋の隅で台本を読んでいたさとみが、ツカツカと歩み寄ってきた。
今は「表」の厳しい仕事モード。冷ややかな視線がちぐを貫く。
「……おい、ちぐ。いつまで男たちとイチャついてるんだ。さっさと自分の部屋に戻って明日の予習しろ。……目、逸らすな」
怒られる! と思って、ちぐは思わずさとみの瞳をじっと見つめてしまった。
瞬間——。
パチリ。
さとみの瞳が、一気に熱い色に染まる。
「……っ。あー、もう無理。我慢できない」
「えっ、さとみくん!?」
さとみは、ころんの手を振り払い、ちぐの細い腰をガシッと抱き寄せた。そのまま、お姫様抱っこで軽々と持ち上げる。
「ちぐは、今から俺が独り占め。……誰にも渡さないから」
「ちょ、さとみくん!? 表に戻って!」
「嫌だね。今はちぐを可愛がりたくて仕方ないんだ。……ねぇ、俺だけを見てよ。俺以外の男、見せないで」
そのまま、さとみは抵抗する間もなく、ちぐを自分の部屋へと連れ去っていく。
残されたメンバーたちの視線が、一瞬で鋭く尖った。
「……あーあ。さとみくん、あんなの反則だよ」
るぅとくんが冷たい笑みを浮かべ、手に持っていたペンをパキリと鳴らす。
「ななもり。さん……いいんですか? このままじゃ、ちぐちゃん食べられちゃいますよ?」
ななもり。は、優雅にコーヒーを啜りながら、でもその瞳の奥には静かな炎を宿していた。
「……ふふ、そうだね。じゃあ、みんなで『お迎え』に行こうか。ちぐは、僕たち全員のお姫様なんだから」
さとみの部屋の扉の向こうで、ちぐを待ち受けるのは——?