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【海であい、泡沫に】壱
「 」セリフ
( )心情
( 効果音
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叶「 __、__様!朝様、起きてください! 」
朝「 ぅぅん、、、うるさっ 」
清々しい朝とは言えない目覚め。
声の主の方を見ると、従者として共に暮らす叶が居た。時計に目をやると起きるには少し早い時間だ。
朝「 起こすの早くない? 」
叶「 鬼が出ました。 それも“上ニ”です。 」
朝「 、あら 」
この世には鬼が存在する。
鬼は人間を喰べる事を目的とし加害を加える。一般の人間には“鬼”の存在は知られておらず、“清めの里”という鬼を討伐する為の組合のみその存在を知っている。
天変地異、死など人間に計り知れない物事は穢れと言われてきた習わしで、鬼は“穢れ”と呼ばれる事が多い。
鬼にはランクがあり“下一”→“上十”になるにつれ、強い鬼となる。最近では、中々“上”以上は見かけない。久しぶりのご対面だけど、俺が必要なのかと疑ってしまう。
朝「 俺じゃないと ダメなの、それ? 」
叶「 上からの 命令です。 」
朝「 断ったら...? 」
叶「 お兄様に**即**連絡ですね☆ 」
そう言いながら、携帯を取り出し兄へ電話を掛けようとしている。まだ断るとは言っていないのに...兄さんは、俺が討伐の任務を飛ばすとめちゃくちゃ怒って怖いんだよなぁ。
朝「 ちょっ、ストップゞ!!やるから! 」
叶「 良かったですニコ 急ぎましょうか♪ 」
朝「 はぁ、、ルンルンだね... 」
ため息混じりの返しを無視する叶を追いかけるように布団から降りる。適当に身支度を済ませて家を出発する。
さぁ、今回はどんな鬼と出会うのだろうか。
--- *** ---
朝「 さっむ、 」
着いたのは、家からかなり離れたか森の奥。
季節は春だけれど、まだまだ寒い時期。一向に鬼の姿は見つからないが、先程から鬼と交戦している人達の気配がする。
近づいているのは確かだ。
叶「 ...あ、居ましたね。 」
朝「 おぉ、これまた大変そうだね笑 」
叶「 思ってませんよね... 」
叶がジト目でこちらを見てくる。
“上ニ”は世間一般から見たら強い方だけど、俺からしたらそんなね。コイツの討伐は赤子の手をひねると何ら変わりもない。
朝「 術式【 留探 】 」
と留の在り処を探す術式を唱える。
この鬼には“留”言わば鬼の“心臓”が複数あるパターンのようだ。正味、面倒くさい心は勝つが、これも仕事みたいなものなので、放り出す事も出来ない。
朝「 さっさと終わらせるか( ボソッ 」
鈴( チリンッ
今日も耳が腐る程聞いた鈴の音を聞いて討伐を始める。普段耳にピアスの形て鈴型の物がついている。そして、必要とした時のみ 形が変形し俺の討伐用の武器の刀となる。先程、交戦されていた方々には、一旦退いてもらった。
朝「 これで1on1だね笑 」
鬼「 ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!! 」
朝「 、よっと! 」
軽々と宙返りをし攻撃を避ける。
知性の無い鬼だと、叫び散らかすから五月蝿くてしょうがない。それに、考えも無しに突っ込んで来るから攻撃も単純。留が複数あるとしても本物は一つしかない。まぁ運か、、、
と心の中で呟きながら、自分の運の無さを思い出す。ついてない。
朝「 まずは 一つ目ッ ( グサ 」
鬼「 うぅあぁぁ...( ボロボロ 」
朝「 お、ラッキー ♪ 」
運良く本命の留を突いたらしく、鬼特有の死に方を無様に晒している。詳しく説明すると、鬼はガラスが割れた様にボロボロと崩れる様に死んでいく。それぞれで個性(?)があり、討伐の一つの楽しみとなっている。末期かもしれない笑
戦士「 あ、あの! 」
「 ありがとうございました( ペコリ 」
朝「 いえ、頭上げてください( 汗 」
「 それでは、お先に失礼しますね。 」
叶「 失礼します。 」
一通り挨拶を終え、時間も惜しいし俺は嫌われ者のため足早にその場を後にする。
今日は、高校2年生の始業式。初日から遅刻はあり得ない、もってのほか。焦りつつ叶と帰路に着いた。
叶「 今回も素晴らしかったです。 」
朝「 ...あ そう、、、 」
叶「 ふっ、昔から変わりませんね笑 」
朝「 うっさい!!( 逃 」
いつになっても褒められるのには慣れない。
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記念すべき第一話です✨
このお話に何日かけたか...気が遠くなります笑
でも、小説は書くも読むも大好きなので!
次話もお楽しみに^ ^