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大和「お詫びになるかわからないっていう割には、すんごい楽しいよねここ・・・?」
涙華が暮らす町にやってきた大和達は、さっきまでの緊張感は一転、めちゃめちゃ楽しんでいた。特にこういう異世界ものには目がない辰哉、ホラー好きの直斗、隼人のはしゃぎっぷりは異様なものである。いやお前ら大人だろ。
涙華「結構不思議な雰囲気でしょ?私も大好きな町なんです」
涙華の町・アヤカシ城下町は、和洋折衷建築であった。日本の瓦や漆、漆喰などがふんだんに使われているマンションや一軒家が立ち並び、真ん中にあるアヤカシ城は、形は外国の三角屋根の城で、建材は日本のものが使われていた。洋風街なのか和風街なのか、どっちともいえない雰囲気だった。
襲「日本の雰囲気は感じるけど、でも英国っぽいんだよね・・・うまく言葉にできないな」
涙華「私の友達を呼んでます。そろそろ来ると思いますよ」
?「お待たせぇ」
涙華「あっ、天乃ちゃん!美波ちゃんにりさとちゃんも!」
美波「|河瀬美波《かわせみなみ》よ。種族は河童、涙華の友人なの」
天乃「同じく友達の|長花天乃《おさはなあまの》だよぉ!種族は天狗!」
りさと「|想田《そうだ》りさと、さとり妖怪のアヤカシビト」
涙華「この子達が私の友達です!」
涙華は町のことを色々教えてくれた。
涙華には両親はおらず、探偵事務所を経営する叔父のもとで暮らしているんだとか。町は大きく四つのエリアに分かれていて、涙華は商店街エリアに住んでいるらしい。美波は埠頭エリア、天乃は森林エリア、りさとは都会エリアに住んでいるとのことである。
涙華「せっかくなので、みなさん好きなとこに行ってもらって構いませんよ。この町はそこまで広くもないですし、よければ案内しますので!」
辰哉「ヤマタノオロチのアヤカシビト何処おるん⁉︎」
天乃「それなら森林エリアだよ〜!こっちこっち!」
辰哉は一目散に天乃に着いて行った。その後を慌てて里音、文彦、襲、|猫井玉《ねこいたま》が追って行った。
大和「涙華さん、俺君の叔父さんに会ってみたい」
涙華「わかりました。それじゃ、商店街エリアに向かいましょうか。誰かついていきたい方います?」
乃愛「商店街・・・美味しいお菓子売ってるといいなぁ」
賢治「のあさんそれしか考えてないやん笑、俺も行くけど」
雛子「気になる〜!あたし行きたーい!」
信太「じゃあ俺も〜!」
涙華「では行きましょう。着いてきてくださいね」
涙華の先導で、5人は商店街エリアに出発した。