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ラストリゾートをうちの子で
愚かで美しい花となれ
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頭の中を乱反射する目覚ましの音
くしゃくしゃにかき乱されたの頭の中で考えている
今日見た悪夢すら遥か彼方へ消えてゆく
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14:37
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時計に示された数は、惰眠と諦めの印
十四時過ぎにようやく開いた目が世界を映す
ルシファー (ぼやけてる)
目を擦っても視界は戻らない
曇っているのは心の奥
鳴呼。来なくて良かったのに。
またやって来た今日に当たるように、舌打ちをして意味もなく布団から出る
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姶まる僕の最終演目
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「人が死んでしまう体温は四十二度!?」
スマホのニュースは今日も下らない
呆れた誰かのの溜息と途切れることなく吹き続ける|煙草《スモーク》
ルシファー (鳴呼、リンスーきれてたんだっけ?洗濯も溜まってたんだよね。…もういっか)
家の中は汚く狭くなった
まるでベランダの様だ
それかゴミ溜め
哀れな道化の様だ
ルシファー (それが僕だった)
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?? 「さあ何処までだって行こうか」
差し出された手は温かくて、幸せな気分になれた
鳴呼…昔は良かった
彼は此処までだって一緒に着いてきてくれて…よく笑った
それが【彼】だから
ルシファー (逃げ場の無いこの世界で逃避行することの何が悪い?)
恐れなんてものは無いな
もうナニも無いな
いっそのこと歩き疲れたところで終わりにしようか?
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こんなにも愛しくて堪らないからって、飼い馴らし過ぎてしまった
いや…逆に飼い慣らされてしまった
でも悪くないと思えてしまう
ぎゅっと手を繋いだままの|怠惰《幸せ》がこっちを見てニヤリと笑った
「こんなもんさ」と何度も笑った
憐れむ様な蔑むような遠い目で
きっとそれが人生なんだ
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べリアル 「大丈夫。さあ|何処《どこ》までだって行こうか」
こんな自分をべリアルは受け止めてくれた
ごみ溜めから救ってくれた
自分がどうなろうと関係ないのに
でも…他は違う。
ルシファー (鳴呼|此処《どこ》までだって分かった)
自分の存在他にとってはどうでもいいんだって
あってもなくても困らない「飾り」なんだって
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行き場の無い世界に花束を捧げましょう
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胡散臭い宗教団体ならきっとそう言う
ルシファー (何でもいいよ。それにもういいよ)
放っといて欲しい
ルシファー (見渡す限り【僕だけ】置き去りみたいだ)
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「散々だ」って嘆いた報われぬ者の屍越えて
死屍累々とした現状に祈りを…救いを……
もう何回だって憂いた
「助けて」
宛名の無い助けは届かずに終わる
匿名で救いを求めても踏み潰される
ルシファー (救済なんて何にも無いよ。僕なんてもういないよ)
「サヨナラ」
殴り連ねた言葉と共に終わりに行こうか
落ちぶれた舞台に幕を下ろすのさ
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「鳴呼…これでよかったんだ。後悔してないんだ」って、そう何度も唱えて隠してる
掴めずに空に消えてゆく|ユートピア《幸せ》
ルシファー(あの時きっと。…ねえ?きっと引き返すには少しだけ遅過ぎたようだ)
べリアル 「ルーシィナニしてんだ?」
地獄の日々は終わりを告げた
どれだけ辛くても、自分の側にはべリアルがいるから
きっと大丈夫
ルシファー 「なにもしてないよ?」
僕はまだ、この世界に悔いがあるようだ
べリアル 「ならいいけど。…行くぞ」
ルシファー 「うん!」
綺麗な日だった
別の解釈だから許して