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サイコな聖愛ちゃん1
愛美
*この話はフィクションです
1.友達だもんね?
「えー、だってだってだもん!」
「それ理由になってないから」
同じ班の女の子が苦笑いして軽く反論する。
私は星野聖愛。中1。
どこにでもいるふつーの_ではないけど女の子だ。
今は給食の時間。私は給食が大好きだ。
そしていつものように大笑いする。
「急にどした?もー、こわーい」
「お前また吹くなよ?」
私にとって笑うことは条件反射みたいなものだ。
「ねーねーボウリングの最高スコアみんなはいくつ?優空はねー176」
優空ちゃんが話題を変える
「私はー165ー」
「俺189ー」
「はいー俺215ー俺の勝ちー!」
「えーすごー」
「聖愛は?どうなの?」
「私はねーボウリングやったことないの」
「え」
「マジ?」
「やばー」
「友達いないもんねー」
場の空気が凍りつく。
こんな事を言ったのは翔だ。
「あははー」
私はとりあえず笑って流す
そう、私には友達がいない。
いや、仲のいい子はいる。友達がいないだけだ。
あ、思い出した。キラキラネームの続き_
私はすでに給食をだべ終わっていたので
さっと紙を取り出してメモする。
「あ!こいつなんか書いてる!」
翔がメモを取りあげようとしてくる。
「えー何?もしかして優空たちの会話メモしてる?」
「こわー」
「あーちょっとー見ないでよ!」
私は慌てる。
「え、なにこれ」
翔が一瞬固まる。
「えーと」
私は誤魔化そうと試みた。
だめだった。
「ちょっと優空にも見せてー」
ああ!もういつもこんな感じで!もう!(?)
「えーとなにこれ。えくれあ?なうしか?きてぃ?らいと?ななみ?ありえる?」
クラスで大爆笑が起こる。
「これキラキラネームだよね」
と、美憂が「あるモノ」を見つけた。
「あ、漢字も書いてあるじゃん。永久恋愛でエクレアは死ぬんだけどw」
「ヤバ」
「今の鹿でナウシカもウケるー」
また大爆笑だ。
「お前のあだ名エクレアな」
と翔が勝手に決める。
まーいっか。「マジカルマリアちゃん」は脱却かな。
「あ、マジカルマリアちゃんも忘れるなよ」
「えーそんなー」
みんなすごい笑ってるなー
じゃあいっか!
_キーンコーンカーンコーン
給食の終わりを告げるチャイムが鳴る。
「手を合わせてください!」
翔は号令係だ。
「きりーつ、礼、ごちそうさまでした!」
「きりーつ、礼、はいらんだろー」
「はーい、もう一回。ちゃんとごちそうさましてくださーい」
ななみん先生こと、高野七海先生、私達の担任がやんわりと注意する
「ごちそうさまでした!」
「ごちそうさまでした!!」
ひゃっほー!昼休みだ!
「おいエクレア!ここ教えろー」
げ、早速エクレア呼ばわりかよ。
しかもせっかくの昼休みなのに。翔め_
ま、いっか。
でも一応文句を言っとく。
「どうしてあなたの宿題を私が手伝わないといけないんですか?」
「俺の前の席だから」
「もーしょうがないな」
実は私、ぶっちゃけ翔のことが好きなんだよね。
だから内心嬉しかったりする。
_ピーンポーンパーンポーン
ん?なんだろう
「先生方と生徒の皆さんにお知らせをします。よく聞いて下さい」
みんながざわざわする。
「たった今緊急職員会議で決まったことです」
なんだろう。
「約1時間後から5時間後にかけて非常に激しい雷雨になると気象庁から発表されました」
_?
「なので午後の活動はなしとします。このあと帰りの会をして家に帰ってください」
「よっっしゃー!」
みんなが一斉に叫ぶ。
わたし的には学校が好きだからちょっと嫌だなって思った。
でもそんな事を言ったら
「やっぱ聖愛ってちょっと変だよね」
なーんて言われちゃうんだろうなー。
「じゃあ帰りの会しますよー」
とナナミン先生が声を掛ける。
帰りの会進行係の康太が前に出る。
康太は翔ととても仲が良いが私は康太が苦手だった。
なぜならビミョーな感じでいじってくるから。
ぼーっとしているといつの間にか先生の話になっていた。
「今日はいつもよりも早く帰ることになりました」
_ダカラナニ?
「早く帰れる意味を考えて行動してください」
出たナナミン先生の「考えて行動してください」
はいはいわかりましたよ。
「ゴロゴロゴロっ」
ピカーッ!
「あー!」
悲鳴が上がる。
主に翔の悲鳴だ。
実は翔は雷が大の苦手だ。
私は笑いそうになるのを必死にこらえる。
「先生!こんな雷の中生徒を帰らすんですか!?死んじゃうっ!」
「えーと翔、これからもっとひどくなるから」
「あー!」
そんな騒ぐかな。普通。
「じゃあ号令かけてください」
ナナミン先生はめんどくさくなったのか指示をする。
翔はまだ暴れている。
「翔くんあいさt」
「きりーつ気を付け礼!」
「さようなら!!」
このクラスの自慢は元気が良いことだ。
「おい!マジカルマリアちゃん」
今度は何!?
「俺の宿題やっといて」
「は?」
「魔法使えば一発しょ」
「なんで私がやらなきゃいけないんですか?」
「友達だろ?友達だもんねえ?」
えーそんな〜
「友達だもんな!じゃあな!」
めちゃくちゃに走って去っていってしまう。
「私は魔法なんか使えないですけど!」
そもそも「マジカルマリアちゃん」って
呼ばれるようになったのナナミンのせいなんですけど!
担任責任取れよー!
あと友達いないって言ったの翔だろうが!
私も走って帰る。
_傘持ってないから雨降る前にね。
*****
みんなは裏の顔とかある?
私はね_____
「や、や、やめて!何でもするから!」
「じゃあ死んで?友達だしねえ」
「嫌だ死にたくない!死にたくない!」
「こっちも仕事なんだし〜」
私は呑気に答える。
できるだけ怖がらせないようにしないとね。
もう遅いかもだけど。
「いや本当に!何でもします」
「じゃーあなたの息の根止めさせていただいてもよろしでしょうか?」
「あーーーーーー!」
私はにっこり笑って
「友達だもんね」
と言った。
ふう、即死できたみたいね。
私はできるだけ苦しませないようにするのが一番大変だと思う。
あと、最期に見るのはやっぱ笑顔じゃなくっちゃ。
私が今殺したのは、クラスメイトの美憂だ。
私は俗に言う殺し屋だ。
これが私の裏の顔だ。
_親ですら知らない。
おっと忘れちゃいけなのが記憶消しだ。
私は魔法は使えないなんて言ったかもだけど
「そんな人もともといなかった」
とみんなに思い込ませる魔法(?)は
使えるんだよ?すごくない?
私に仕事を依頼してくる人は
そこを気に入ってるみたいだね。
別に私は美優を恨んじゃいない。
別に嫌いではない。
怨恨殺人なんかじゃない。
あくまで仕事。
だから美憂。
「恨まないでね」
返り血やらを後始末をしてから家に向かった。
*****
end
Q.ナナミン先生の本名は?
_A.作者も覚えてません。作中のどこかに登場しているはずです。