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ふと顔を上げると、斜め上にメニューが書かれた看板がずらーっと並んでいた。
その中には、『Udon』『Oyakodon』など、いくつもの日本食が入っていた。
照「宮舘さんって日本食作れるんですか?」
涼太「はい。日本で修行してたからね」
照「え、すご!」
涼太「ていうか宮舘さんじゃなくていいよ、『舘さん』とかで大丈夫だよ」
照「あ、じゃあ舘さんで。俺のことは照とか自由で大丈夫」
涼太「じゃあ照って呼ぶね」
照「うん、お願い」
蓮「持ってきました」
照「ありがとう、目黒」
蓮「…へ?…あ、」
照「…?」
蓮「い、いや、…なんでもないです」
目の前に小さめの皿が置かれ、その上には陶器のようにツヤッとしたいくつもの色とりどりのチョコが置かれた。
蓮「…俺が作ったものなんで、そんな大したことないですけど、……よかったら召し上がってください」
照「うん、いただきます」
一つチョコを手に取り口に入れると、その瞬間ぶわっと口の中で濃厚な味が広がった。
照「…‼︎…甘くて美味しい‼︎」
蓮「…ありがとうございますっ」
涼太「よかったら久しぶりに日本食でも食べてく?」
照「え!いいの⁉︎…いや、流石に申し訳ないしお金払うけど……」
涼太「いいんだよ、別に」
照「わざわざすみません!」
涼太「じゃあちょっと待ってて」
そのまま、舘さんはキッチンへと入っていった。
俺はチョコの残りを全部食べ、目黒の方へ向いた。
多少、表情が引き|攣《つ》っている目黒。
照「チョコ美味しかった。ありがとな」
蓮「……いえいえ、…そんな、………岩本さんに気に入っていただけて幸いです」
照「…ふはっw」
蓮「…⁉︎……な、なんで笑うんですかいきなり…‼︎」
照「いーや、めっちゃ敬語で丁寧だなーって思って」
蓮「や、やめてください…///」
さらっとした黒髪に、真っ白で透明感抜群の肌。
桜色のぷっくりとした唇と長いまつ毛がとても綺麗。
照「…目黒、俺のこと岩本さんって呼ぶのだけはやめて?」
蓮「え?…じゃあなんて……」
涼太「はい、丼ものだよ」
照「うわ、丼もの久しぶりだ!美味しそう、いただきます!」
涼太「熱いから気をつけてね」
照「うまぁーっ、美味しい!」
涼太「ふふ、気に入ってもらえてよかった」
照「これから通います!」
涼太「ほんと?ありがとう」
そのまま俺は丼を平らげ、手を合わせて感謝の気持ちを述べた。
照「ごちそうさまでした」
涼太「ありがとう。ウチ、昼から夜までやってるからいつでもおいで」
照「はい!ありがとうございました!」
涼太「目黒のこと助けてくれてありがとうね、またいつでもきてね」
照「ごちそうさまでした!美味しかったです!」
カランコロン、と鈴の音を聞きながら俺は外へと向かった。