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最高の恋人、最高の夫婦。
登場人物
宮本 みゆ(主人公)
村上 海斗
木村 陽奈
私、宮本みゆ。
私には、好きな人が|いた《・・》。
でも…その人は、他の人が好きで、いつからか冷めてしまっていた。
それから私は、ひとりぼっちだった。
友達の陽奈だけが、私の支えだった。
そしてある日。
私は、放課後体育祭のリレーの練習をしていた。
そして、陽奈にバトンを渡そうとして、いっそう強く地面を蹴って、走り出そうとした瞬間、だった。
「きゃっ」
私は声をあげてしまった。
落ちていた小石につまづき、転んでしまったのだ。
すると___
「危ない!」
誰かが私の体を支えた。
「えっ?」
「大丈夫か」
「…?」
海斗だった。
「…だ、大丈夫…です」
そう返すのがやっとだ。
だって、こんな年頃の女の子を、男の子が助けるなんて、誰でも緊張するよっ!
___でも。
そのとき私は、緊張とは違うドキドキを感じた。
心臓が喉元まで跳ね上がる。
「…///」
顔が熱くなる。
これ…恋?
このとき私は海斗に、ひとめぼれしてしまったのだ。
それから、私は海斗を目で追うようになっていた。
目が合わないとソワソワするのに。
目が合うとドキドキしすぎて、目をそらしかける。
ある日。
私は陽奈や海斗、その他の友達と、遊園地に遊びに来ていた。
「___次、お化け屋敷いこーぜ!」
お調子者の男子の声が響く。
「さんせー」
「いーよー!」
「おっけー」
「行く!」
私は怖いものが苦手だ。
でも、みんな賛成しているし、私は意見を言い出せなかった。
すごく暗い。
私は入り口のところで、もうすでに固まってしまった。
うぅ…怖い…
「ぐすっ…」
私はただひとり、泣いていた。
いつのまにか他のみんなは先に進んでいた。
すると。
「大丈夫か…?」
海斗の声がした。
「ぐすっ…」
私は答えられない。
「怖いのか?ここから出ようか。歩けるか?」
「うぅ…ぐすっ。む、むりかも…」
「ほんとに大丈夫か?じゃあ…」
「?」
さっ。
海斗は私の体に手を回した。
そして。
確かに、おんぶ___したのだ。
「…へっ?」
「ほら。行くぞ」
「…//」
私は顔が前よりいっそう熱くなった。
そして。
次の日は、日曜日だった。
私は長い階段を登っていた。
すると。
「きゃっ」
足元がくらついた。その瞬間。
___ドンッ!
落ちたのだ。
そして私は、緊急で病院へ運ばれた。
「右足を骨折しています。歩くことはしばらく難しいかもしれません」
「…へ?」
そして、松葉杖をレンタルすることになったが、しばらくかかるようだった。
なので、階段を登ったりするときは、海斗がおんぶやお姫様抱っこして登っていた。
そのたび私は顔面が崩壊する。
そして、海斗との恋は深まっていった。
骨折も完治した頃。
私は卒業式の日を迎えた。
海斗と違う学校だったらどうしよう。
そう思った。
そして式が終わった。
トイレに行ってから教室に戻ると、席に紙があった。
「みゆへ 放課後、校舎裏に来て。 海斗より」
「へ…!?」
少し声が漏れた。
これ…これって、こ、告白…!?
どうしよう…!
また顔面が崩壊したっ…!
必死で隠す。
放課後。
心を落ち着かせながら、校舎裏に向かった。
そこには海斗がすでに待っていた。
「あの…」
海斗が口を開く。
「俺、みゆのことが、ずっと好きだったんだ。だから…付き合って…くれないか…?」
「えっ…!?」
予想通りの展開なはずなのに、私は返事できないほど顔が熱くなる。
「えと…わ、私も…す、好き…!」
そこまで言って、もう何も言えなくなった。
「よかった」
すると___
ちゅ
海斗の唇が頰に触れる。
甘い恋の気持ちが溢れ出す。
私はようやく笑えた。
10年後___
今の私の夫は、海斗。
まだ子供はいないけどね。
私たちはあれから、ずっと付き合い続けて。
結婚して、同居してるんだ。
今でも関係は悪化しないまま。
だって。
私は、海斗のことが好きで。
海斗も私のことが好き。
私たちは___最高の、夫婦だから!