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第二話 私の普段の姿
日が明るくなる頃、私は店兼我が家に帰ってきた。
「ただいま〜」
私がそう言うと奥からドタドタと足音を鳴らしながら3人の子どもが走ってくる。
「”おかえり〜〜!!”」
3人は私をぎゅーっと抱きしめる。
「ただいま、みんなちゃんと寝た?」
1番上の子である、ケン 11歳 しっかりものでいつも元気
ケン「うん!みんなちゃんと寝かしたよ!ご飯もちゃんと食べて健康そう!」
「ありがとうニコッ」
2番目に上のミナ 10歳 しっかりものだけど甘えん坊さん
ミナ「ご飯作るの私も手伝った!!すごいでしょ〜」
「すごいじゃん!」ナデナデ
ミナ ニコニコ「へへ〜ん」
「おれはさかあがりできるようになった!」
「すごいじゃーん!」
この子は末っ子のリョウタ 7歳 いつも元気であわてんぼう
奥から大人の女性が歩いてくる。
「おかえり、ミア」
「ただいま」
この人はルナ、18歳。私のお姉ちゃんのような存在だ。捨てられていた私やこの子達を拾って育ててくれた。戦い方も教えてくれたすごい人。ルナは普段は依頼を受けないでこの子達の面倒を見たり、家事代行の依頼を受けている。危険な依頼は基本私が受けて、私が受けきれないような危険すぎる依頼は断るか、ルナが受けるかのどちらか。私が依頼を受けているときは、なるべく近所に怪しまれないように隠しきっている。
ルナ「後でおばさんのとこに荷物運ばなきゃだから手伝ってね」
「は~い」
おばさんかぁ、私がルナに拾われた最初の頃によくお世話になった人らしいけど、私にはそんな記憶は全然ない。
リョウタ「まえからおもってたけどおばさんってだれ〜?」
ケン「確かに、、、、いつもルナとミアしか行かないから俺達は知らないね」
ミナ「気になるっ!ミナも会ってみたい!」
ルナ「えぇ〜行くの〜?」
3人「”行く!!”」
ルナ「はいはい」
「ルナ〜、私奥から荷物持ってくるね〜」
ルナ「おねが〜い、荷物はいつものとこにあるから〜」
「は〜い」
私はいつものように木箱を2つ持っていく。今日はりんご・飴・コメ・小麦が入ってる。おばさんは甘いものが好きってだってのは知ってたけど、なんで飴なんだろう?
「ルナ持ってきたよ〜」
ルナ「ありがと〜」
「てかこの飴って買ったやつ?」
ミアが木箱を覗き込む
ミア「きれ〜、飴がキラキラしてる!」
ルナ「あ〜、それ私が作ったやつw」
全員で顔を見合わせる
「”えぇ〜〜!!”」
私はびっくりしてものすごい早口で
「ルナって飴作れたの!?しかも売り物みたいだし!!」
ルナ「うんw」
ミア「すご〜い!!」
ケンとリョウタは顔を見合わせたままぼーっとしてる。
ルナ「2人とも〜ぼーっとしてると置いてくぞw〜」
ルナは木箱を持ち上げてからかい気味に言う。
二人はびっくりして
ケン&リョウタ「”今行く〜!”」
「息ぴったりじゃんw」
私は思わず笑ってしまう
---
--- おばさんの家 ---
ルナがチャイムを押す。
『ピーンポーン』
?「はーい」
扉が開く。扉が開くとすぐに
ルナ「おばさん、今週も持ってきたよ〜」
おばさん「あぁ、いつもありがとうね。」
私は気を遣わせないように
「全然いいよ〜、なんなら鍛えられるから私も嬉しいw」
と思ってもないことを口にする。
おばさん「そーぉ?ならいいわ。あらっ、そこのオチビサンたちは?」
ルナ「私が拾った子たち、まだ会ったことなかったよね」
三人は怖いのか私とルナの後ろに隠れる。
「怖がらなくても大丈夫だよ、優しい人だから」
ミアがそっと前にでて
ミア「はじめまして!ミア・エルです!10歳で家の手伝いをしてます!」
おばさんは少し驚いた顔をしてからすぐに笑顔になって
おばさん「あら偉いねぇ、自己紹介できるのぉ。飴ちゃんあげるねぇ」
ミア「わーい!!」
ケンが少し緊張しながら
ケン「はっはじめまして!ケン・エルです!いつもルナたちがお世話になっております!」
おばさん「まあ!しっかりものねぇ、良い弟を持ったねぇ〜、ほれ飴ちゃん」
ケン「あっありがとうございます!」
ルナも私も少し心があったかくなった。二人がもらった飴を見て、リョウタが少し羨ましそうにしている。
「リョウタも自己紹介してくれば?」
そう聞いてもリョウタは首を横に振る。
「なんで?怖いの?」
リョウタは顔を縦に振る。
「このおばさんはとっても優しいから大丈夫だよ」
リョウタは元の親が虐待をしてたから、大人に対して抵抗がある。けど、前よりそれは軽減されてきている。
リョウタはゆっくり前に進んで
リョウタ「リョウタ・エルです、、、、、、はじめまして、、、、、、、」
自己紹介を終えるとピュッと私の後ろに隠れる。
おばさん「おやまぁ、頑張ったねぇ、飴ちゃんをあげようか。」
リョウタは飴を受け取ると一気に顔が明るくなった。
おばさん「この子達もとてもかわいいわねぇ、昔のミアちゃんを見ているよう」
おばさんは微笑みながら言う。血も繋がっていない私に似るわけがないと思いながらも、少し微笑ましくなった。
今回は平和な日常回でした。次も日常回にするつもりだよ〜