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苧麻血威華我呿割さんのリクエスト!! 『【神の眼】を持つ転生者、未来予知と全属性適性で戦場を完全に支配する』
漆黒の雲が天を覆い、荒涼とした平原には鉄錆の臭いが立ち込めていた。
「これより、神聖同盟の残党、およびそれに荷担する反逆者を粛清する。全軍、魔導砲の照準を合わせよ」
帝国軍の総司令官、アルトリウス将軍の声が響き渡る。彼の背後には、整然と並んだ三千の重装魔術兵団。さらに、巨大な魔力結晶を搭載した十門の魔導砲が、青白い光を放ちながらチャージを始めていた。
彼らが包囲しているのは、崩落した砦の前に立つ、ただ一人の少年だった。
黒い外套を纏ったその少年――レイは、抜剣すら執らず、静かに目を閉じている。
「小僧、最期に言い残すことはあるか」
アルトリウスの嘲笑に、レイはゆっくりと瞼を持ち上げた。
その瞬間、兵士たちの間に冷たい戦慄が走る。
少年の瞳は、底知れない深淵のような輝きを放つ「星一色の極光」へと変貌していた。世界を構成するすべての魔力、そしてこれから起こる不連続な因果の連鎖。そのすべてを完全に掌握する【神の眼】が開眼した。
レイの視界には、すでに「3秒後の未来」が網膜に焼き付いている。
(中央第一砲、出力過多により左へ0.3度のブレ。後方魔術兵、2秒後に一斉詠唱開始。アルトリウスの足元、魔力の収束――『烈火の槍』)
「……言い残すことはない。お前たちの動きは、すべて『過去』だ」
レイが呟くと同時に、戦場が動いた。
「放てっ!!」
アルトリウスの怒号とともに、十門の魔導砲から大地を削る極大の熱線が放たれる。同時に、数千の攻撃魔術が雨のようにレイの頭上へ降り注いだ。
一瞬にして世界が爆炎と光に包まれ、大地が激しく震動する。誰もが、少年が塵も残さず消滅したと確信した。
だが、爆煙の中から、レイは足音一つ立てずに歩み出てきた。
その衣服には、埃一つついていない。
「な……馬鹿な! 直撃したはずだ!」
アルトリウスが目を見開く。
【神の眼】を持つレイにとって、今の飽和攻撃は隙だらけの格子戸をくぐるようなものだった。すべての魔法の軌道と着弾時間が事前に視覚化されているため、わずかに首を傾げ、半歩足の位置をずらすだけで、全ての破壊のエネルギーを完全に回避していた。
「次は、こちらから行く」
レイが静かに右手を掲げる。
全属性適性。それは、この世界のいかなる魔力をも、自身の意思ひとつで支配できることを意味する。
「風よ、集え。火よ、奔れ」
レイが短く紡いだ瞬間、平原の空気が一変した。
大気が牙を剥くような暴風へと変わり、それが青白い神聖な炎を纏って巨大な渦を形成していく。本来なら数百人の特級魔術師が儀式を経てようやく発動できる戦略級魔法『炎嵐の審判(プロミネンス・ストーム)』が、レイのたった一言で、何の前触れもなく顕現した。
「全軍、防御障壁を!! 展開しろ!!」
アルトリウスが悲鳴のような声を上げる。
三千の魔術兵が一斉に魔力を絞り出し、何重もの巨大な光の盾を構築した。城壁をも凌ぐ、絶対の拒絶。
しかし、レイの【神の眼】には、その強固な障壁の「魔力の結節点(急所)」が、鮮烈な赤い点として透けて見えていた。
「そこだ」
レイがパチンと指を鳴らす。
直後、猛烈な炎嵐が帝国軍の障壁へと激突した。だが、それは力任せの衝突ではない。レイが操作する炎の刃は、障壁の強度が最も脆い構造的欠陥へと正確に、ピンポイントで突き刺さった。
パリィィィィィン!!!
硝子が砕けるような轟音が響き、帝国軍が誇る最強の防陣が一瞬で霧散した。
吹き荒れる炎と暴風が、三千の兵士たちを容赦なく薙ぎ払う。悲鳴を上げる間もなく、兵兵の武器や鎧、そして十門の魔導砲が融解し、地面へと頽れていく。
わずか一撃。
陣形を維持している者は、もはや誰もいなかった。
「化け物……め……」
膝をつき、血を吐きながらアルトリウスがレイを見上げる。彼のプライドも、軍隊も、すべてが圧倒的な個の暴力の前に瓦解していた。
レイは、歩幅を変えずにアルトリウスの前まで歩を進める。その瞳の極光は、すでにこの男の命の灯火が消える瞬間までを見通していた。
「お前たちがどれほど軍勢を率いようと、どれほど強大な魔力を練り上げようと意味はない」
レイは静かに見下ろし、告げた。
「私の眼が未来を捉えた瞬間、その戦場はすでに私の支配下にある」
レイが右手をかざすと、アルトリウスの視界は完全な光に包まれた。
(終わり)
これでいいかにゃ?