公開中
6 家から出るか
みやめお #meo
登場人物
ミリアーナ・フラーゼ:聖女の任務を与えられた公爵令嬢。聖女は王子と婚約しなければならないという法則に従わず、公爵のシェイと婚約をしていたが、父親に二人の婚約を解消された。
シェイ・レッドガルド:ミリアーナの元婚約者。
リアム・アッシュ:アッシュ国の第一王子。
イザベラ・アッシュ:王族アッシュ家の長女。リアムの妹。
「私、全属性魔法を使えるようになりたいのよね」
私は自分の部屋に戻り、リリにそう相談した。
この世界には五大魔法の水、炎、雷、土、風がある。
これは基本の属性で、そこから派生した魔法は、水魔法から派生した魔法の属性は、氷属性魔法、炎属性魔法から派生した魔法は毒属性魔法、そしてその毒属性魔法から派生した魔法が闇属性魔法だ。雷属性魔法から派生したのが、光属性魔法で、闇属性魔法と融合することで魔界と天界ができた。そしてその境目がこの地上だ。それは置いておいて。土属性魔法単体から派生した魔法はなく、風属性魔法と融合することで派生したのは、音属性魔法だ。
つまり、この世界にある魔法の属性は、水、炎、雷、土、風、氷、毒、闇、光、音属性魔法の全10種類だ。
そして人間が生まれ持った才能として、スキルがあり、スキルには数えきれないほどの量がある。
今だって新しいスキルが発見されているのかもしれないのだから。
私のスキルは、鑑定スキルと、感情移入のスキルだ。
また、10歳から与えられるスキル、又の名を「ギフト」というものもある。
それは職業のようなもので、私のギフトは「聖女」だった。
「それはいいのではないでしょうか。お嬢様は何の属性の魔法が使えるのです?」
リリにとっさに聞かれ、覚えていなかったっけ、と少し疑問に思う。
「水、炎、雷、土、風……闇、光……だけ」
「新たに光属性魔法が使えるようになったのですね」
覚えてはいたけれど、何を使えるようになったのか聞きたかったのか。
「うん」
「では今お嬢様が使えない魔法属性は、氷、毒、音……ですか」
「うん」
「私の属性は水と音……。では氷魔法は二人で頑張ればできるかもしれませんね!」
「うん」
リリ、ごめんなさい。
あなたの話には何というか|間《ま》がなくて……。
リアクションする暇がないのよ。
リリに手を引かれ私は頷くが儘に庭に出た。
ちゃんとネオもついていて少し感心よ、私。