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21 新しい仲間2
それから20分ほど歩いた時。
不意に、ミリアーナが地図を指しながら言った。
「あ、思い出した。確かね、ここら辺! あるんだよ~」
「「何が」」
「何がですか?」
ミリアーナは3人の質問ににまにましながら答えた。
「旅で一番うれしいものと言えば?」
「村?」
「風呂?」
「お食事ですか?」
ミリアーナは「むっふふ~」と言った。
「正解あるよ! そのなかに」
「じゃあ、私のじゃない? 村はめっちゃ嬉しい!」
「村かあ……。まあ、あったらうれしいけど、それちょっとチートじゃない?」
「違うんだ……。じゃあ、ルシアのかな? 温泉!」
「違うよ! 正解はご飯でした! ここら辺はね、昔住んでた人たち……。って言ってもまあ、10年ぐらい前なんだけどね、畑が残ってるの。もちろん古い家もね。今はだれも住んでないんだけど。私は小さいころ一人で来たことがあって、ニンジンにかぶりついたり、大根引っ張ったり……」
私たちは絶句した。
あんなかわいくておとなしかった「ミリアーナ様」がそんなことしてたなんて。
本当に貴族かと疑うレベルだ。
ネオが最初に声を取り戻した。
「ちょ、ちょっと待って!? ミリアーナって……そんな野生児だったの!?」
「野生児じゃないよ~! ただ、なんかね、生えてたから。食べてもいいかなって思って? あ、ちゃんと水魔法で洗ったけど」
「生えてた!」
リリが額に手を当てる。
「……お嬢様。その頃、わたくしはまだメイド見習いでしたが……。勝手に出歩かないよう、何度も申し上げたはずです」
ミリアーナは「えへへ」と笑う。
「だっておいしかったんだもん」
(その理由で許される世界があると思ってるの、この人……)
私は深くため息をつきつつ、ちらっとミリアーナを見る。
「でもさ、その……畑って、まだ残ってるの?」
「残ってるはずだよ! ほら、ここからちょっと北に行ったところ。あ、泊まる場所はそこにしよっか!」
「……泊まるの?」
「うん! 古いけど、ちゃんと雨風はしのげるはず!」
ネオが不安げに手を挙げた。
「ねえ、それって……お化けとか出ない? 夜にガタッとか言ったら絶対無理なんだけど!」
ミリアーナは即答。
「出るよ?」
「え、出るの!?」
ネオがそこまでいったところで、私は小さいころのことを思い出してしまった。
それはミリアーナも同様だったようだ。
「あ、お化けが出るといえば――――」
「ぜっっったいに言うな!!!!!」
私はミリアーナの口をふさぐが、魔法でちょちょいのちょいと離させられてしまう。
「ちっちゃいころね? 私たちが二人で怪しい旅館に泊まったんだけど……」
私はもうなにを言っても通じないことが分かっていたから、顔を伏せながらミリアーナの話に耳を傾けた。
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目次
- 1......1 婚約破棄
- 2......2 胸の痛み
- 3......3 優しすぎるわ
- 4......4 笑ってないわ
- 5......5 奴隷ちゃん
- 6......6 家から出るか
- 7......7 奴隷が優秀すぎる
- 8......8 頭がいいのかしら
- 9......9 冒険にでるわよ①
- 10......S1 番外編
- 11......S2 番外編
- 12......10 冒険にでるわよ②
- 13......11 冒険にでるわよ③
- 14......12 双子の神狼
- 15......13 いざ冒けn……て、え?
- 16......14 フェンリルが地味に怖くてぴえん
- 17......S3 番外編
- 18......S4 番外編
- 19......15 森の奥深くに何とフラーゼ家の別荘がありました。
- 20......16 ダンジョン攻略1
- 21......17 ダンジョン攻略2
- 22......18 ダンジョン攻略3
- 23......19 ダンジョン攻略4
- 24......S5 番外編
- 25......S6 番外編
- 26......20 新しい仲間1
- 27......21 新しい仲間2
- 28......22 ごはん