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第六話
【前回のあらすじ】
夜、とある和室でふと目を覚ましてしまった沙雪。
すると、外からの美しい笛の音に気がつく。
笛の音を辿っていくと、なんとその音の主は竜翔だった。
そして彼女は、ここに住む者たちの秘密を知ってしまう。
竜翔によると、『ここにいる者の殆どが人間に居場所を奪われた』という…
そしてなんと、灯和は昔、人間に殺されかけてトラウマとなっていたのだ…!!
そんな中でも楽しそうに生きている彼らを見て、紗雪は不思議な安心感を覚えた…
こうして、沙雪と妖怪たちの生活が幕を開けたのだ。
--- 昼の縁側にて ---
__チュンチュンチュン…__
__サラサラ…__
竜翔「……ん〜…」
灯和「…………………(スヤスヤ)」
__……サッ…サッ…__
火影「……寝ている…」
沙雪「寝てますね…」
火影「掃除まで手伝ってもらって悪いな沙雪。」
沙雪「全然大丈夫です!……あ、そういえば天舞は…?」
火影「『見回り』を言い訳に遊びに出ていったぞ。」
沙雪「あらら…」
火影「沙雪、そっちの柱を拭いてくれないか?」
沙雪「はい!」
__サッサッサッ……__
__…フキフキ……__
火影「………?」
沙雪「…?どうしたんですか?」
竜翔「…………んぅ…?」
沙雪「!竜翔くん!ごめん、起こしちゃった?」
竜翔「あ…おはよぉ…いや、なんか嫌な予感がしたから…気のせいかな…?」
火影「……いや、多分気のせいじゃないな。私も悪寒がした。」
沙雪「え…?どんな感じのですか…?」
竜翔「なんかこう…厄災が迫ってくるみたいな……」
バサッバサッ…
天舞「たっだいまーー!!!」
灯和「ん…?あぁ、おかえり天舞。」
天舞「あ、わりぃ。起こしたか?」
灯和「いや、大丈夫だよ。ちょうど起きようと思ってたし。」
火影「…お前も何か感じたか?」
天舞「そんな感じ。なんか変な気配したから帰ってきたんだよ。」
沙雪「……?全然わからない……」
---
--- そして夜… ---
__スッ…__
沙雪「みなさん、お待たせしました…!」
竜翔「はーい、ご飯できたよー!」
灯和「わー!ありがと!」
火影「天舞、配膳を手伝え。」
天舞「ほいほーい。」
__ブルッ__
竜翔「……んん…?」
沙雪「ど、どうしたの竜翔くん…?」
竜翔「なんかずっと寒気が……」
天舞「……俺も同じだ。」
火影「…嫌な予感がするな……」
天舞「……?」
突然、天舞が動きを止めて一点を見つめ始めた。
沙雪「天舞?どうしたの…?」
天舞「………なんか聞こえね?」
火影「…ああ、聞こえたな。」
竜翔「ボクわかんない…」
灯和「……いや、確かに何か聞こえる…これ…誰かが走ってくる音……?」
沙雪「え?何も聞こえな
__ドドドドド…__
その時、私は確かに聞こえた。
何かが走っている音を。
私以外のみんなも聞こえたのか、同じ方角を見ている。
沙雪「…!」
天舞「…やっぱなんか聞こえんな。」
火影「だな。」
竜翔「……なんだろうね…?」
沙雪「動物…かな…?」
灯和「……………いや…違う。もっと何か……不思議な……」
ドドドドドドド…
竜翔「……ねぇ、近づいてきてない…?」
火影「そうだな。確実にこっちにきている。」
天舞「マジかよ……」
沙雪「誰…!?」
灯和「……もしかして…《《あの子》》かな……?」
天舞「!!」
竜翔「!?だとしたら大分まずくない!!?」
火影「………沙雪、少し下がっていろ。あいつなら何をしでかすかわからん。」
沙雪「!はい…!!」
**ドドドドドドドドッッ**
天舞「火影!方角わかるか?」
火影「北西。目の前の障子の方角からだ。」
灯和「…!!もしかして…突き破ってくるつもり…!!?」
竜翔「えぇ!!?」
沙雪「!!?障子を突き破るって…!?」
***ガタッ!!***
**火影「!沙雪!!しゃがめっ!!!」**
---
ダダダダダッッッ!!!!
??「……お!見えたなっ!灯和の屋敷っ!!」
ガサガサッッ!!
**??「どけどけおぬしらっ!」**
** 「天下一!世界一!可愛くっ!!キュートなっ!!」**
** 「|猫葉《ねこは》様が通るぞーー!!!!」**
***ガッシャーーーンッッ!!!!***
沙雪「……!!?」
火影「…っ!!」
**猫葉「ニャハハハハハッッ!!!」**
---
第六話 〜完〜