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8 逃亡
ナイフが折れてしまった学。怪物となった
|零《ぜろ》から逃げ、ちなみの方向へ向かう。
だが何処までも追って来る。
学(クソッ。いつまでも走って来る。早くしないと体力が持たない。)
とある人影の姿があった。その姿はちなみだった。
学「ちなみ!」ちなみが学の方へ向かって来る。
その後ろで怪物となった|闇《やみ》が追いかけてちなみに向かって鎌を振り下ろす。
学「危ない!」
その瞬間一撃を喰らったのは学だった。`右肩を刺され大量に出血している`。
ちなみは何も出来ず泣いている。
学はそのまま鎌を持ち闇を足止めしている。
学「ちょっといい?ちなみは大怪我してるから、おんぶか抱くかどっちがいい。」
ちなみは泣きながら言う。「あんたの方が重傷だよ。私は一人で動けるし。」
そう言って動こうとした瞬間立てない。
学「ほら立てないじゃん。」
ちなみ「うるさいな。なんでもいいから逃げようよ。あと。死なないでね。学くん。」
学「彼女ヅラしないでくれ。」
ちなみ「してない!」ちなみをお姫様抱っこで持ち上げ逃げる。だが走ると肩から血が流れていく。
するとちなみが泣きながら答える。
ちなみ「ぐす......なんで......涙が......止まらない......んだろう。わ......私だって......戦えてたら......こんな事......ならなかったのに。」
学「泣かないで欲しい。」
ちなみ「ッ......そ......そうだろうね......な......泣いたら......だ......駄目......だよね」そう言って鼻を啜りながら泣き止む。
どんどん走って逃げていく。闇や零はもう追いかけて来ない。
一旦止まるとちなみはこう言う。「大丈夫?止血してあげる。」
そう言うと布を取り出し肩の方を布で縛る。
学「ありがとう。ちなみって優しいんだね。」
ちなみ「いつも優しいです!あんたの事が嫌いなだけです!」
こう言って二人は笑う。
ちなみ「早く......帰りたいね。」
どうなるんでしょうね