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妹紅と慧音
※妹紅と慧音の百合
※キャラ崩壊・オリジナル設定アリ
永遠の命を持つ者___
八意永琳、蓬莱山輝夜、そして__
わたし・藤原妹紅である。
永琳が作った、永遠の命を持つことができる禁忌の薬『蓬莱の薬』。わたしたち3人は、この薬を飲み、不老不死の肉体を得た。
輝夜とは、今日も殺し合いをしている。だが、最近、わたしに良き理解車ができた。
上白沢慧音。寺子屋の教師だ。ワーハクタクと人間のハーフで、わたしのことを理解してくれている。
だが、獣人とは言え、いつか、彼女の寿命も尽きるだろう。
わたしはさみしく思いながら、慧音に会いに迷いの竹林を抜け、寺子屋へと向かった。
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「あ…」
今日は、寺子屋はお休みだった。『慧音先生の事情があります』という立て札。
慧音に何があったのだろう___
「妹紅さん」
「影狼…。慧音は何処か知らないか?」
「慧音さん?それなら、迷いの竹林に行って、永遠亭へ行ったよ」
「そうか。ありがとう」
永遠亭?何があったのか。いや、単純にちょっと怪我しただけで、永遠亭へ治療しに行っているのかも知れない。
わたしは永遠亭へと向かった。
「あら、妹紅。どうしたの、永遠亭へ来て」
憎き輝夜が、|飄々《ひょうひょう》とした様子で話しかけてきた。上品で高級そうな、重たそうな着物。どれだけ大切にされてきたかがわかる。艷やかなロングの黒い髪。
わたしは白髪だし、こんな高そうな身なりはしていない。自分にないものばかりで、鬱陶しくなる。
「慧音。慧音が休んでるんだろう」
「慧音?ああ、あの獣人教師ね。あいにくだけど、永遠亭にはいないわ。少なくとも、わたしは見ていない」
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永遠亭の裏へとまわる。薬品置き場になっているところだ。
「慧音ー?」
「妹紅っ…?」
微かに、わたしを呼ぶ慧音の声がした。そして、ゴクッとなにかを一気飲みする音も聞こえた。
バンッと戸を開ける。そこには、ひとつの空っぽの瓶が転がっていた。
「飲んで」
「わっ!?んっ…」
慧音に、強制的に何かを飲まされた。
「慧音っ、蓬莱の薬っ…!」
足元にある瓶のラベル。『⚠️絶対に飲むな⚠️』と書かれている。『蓬莱の薬』を示唆している。
わたしが瓶の中のものを飲み干すと、慧音はその瓶を落とした。ガラスにヒビが入る音がする。
「慧音、まさか…」
「ごめんね。これが妹紅の本心でしょ?これで、わたしも妹紅とずうっといられる。あの憎きお姫様に奪われない。これからはずうっと一緒にいましょう」
「おい、慧音っ!!」
『蓬莱の薬』を飲むこと。わたしがずうっと禁止してきたことだ。不老不死のつらさを、わたしは知っているから。
理解者に、飲んでほしくないのに。辛い思いをしてほしくないのに。
「辛くなんてないわ。さ、ずうっと一緒にいましょ」
足元に転がっているびんのラベルは___『惚れ薬』。
「うん」
大っ好きな慧音に、わたしは弾むように返事をした。