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神が料理を食べた後
「うむ、どうじゃ、神の飲み物は?」
「・・・うぅ・・・」
「おい?大丈夫か?」
「・・・ううう・・・うまい」
「え?本当か?どうせまずいって言うんじゃろ」
「いや、めちゃくちゃ美味しいです」
「本当に?」
「ああ、こんな美味いものを飲んで不味いなんて言えないよ」
「そうか、それは良かった」
「・・・いや、でもこのワインは一体どこにあったのですか?」
「それは秘密じゃ」
「そうですか、それじゃあ仕方がないですね」
「そうじゃろ、そうじゃろ」
「はい」
「ところで、今日はどうしたのじゃ?」
「えっと、神の料理が欲しくなってきました」
「そうか、そうか、そうじゃな、神の料理は必要じゃな」
俺は神の料理が欲しいと伝えると、神は笑顔になって、俺に神の料理を渡そうとしてくれた。
「神の料理は、今ちょうど出来たところなのじゃ」
「そうですか、それは楽しみです」
「よし、神の料理を食べさせてやるかの」
「はい!」
神が取り出した神の料理は俺が見たこともないような料理だった。神の料理というのは毎回変わっているようだ。神の作った料理はどれもこれも美味しく、俺の好物ばかりだ。そして今回は特に俺の好きな物ばかりだった。俺はその神の料理を堪能していた。
「美味しかったです。ごちそうさまでした」
「うむ、満足したか」
「はい」
「では、また明日くるからの」
「また明日お願いします」
神は帰っていった。神を見送ると、俺は寝る支度を始めた。
「はあ、やっぱりあの神、優しいんだよな」
俺は神の作ったチーズナマコを食べ終えるとベッドに倒れこんだ。
神の作ったチーズナマコはとても美味しかった。神が作ったチーズナマコを食べると幸せな気分になる。俺はこの幸せを噛み締めながら、
「明日も美味しい料理、食べれるといいな」
などと考えつつ、眠りについた。
次の日俺は、神の料理を食べた後、いつも通りに仕事に向かった。しかし今日の俺はどこかおかしい。なぜか胸騒ぎがしているのだ。俺は仕事をしている間もずっと考えていた。「一体なんだっていうんだよ、全く、変な胸騒ぎがする」
しかし、考えれば考えるほど分からなくなってくる。そこで俺は思い切って上司に話してみることにした。
「すみません」
「ん?なにか用かね?」
「いえ、少しお聞きしたいことがあるのですが」
「うん、なんでも聞いてくれ」
「あのー、最近なにか変わったことはありませんでしたか?」
俺はそう聞いたが、「は?そんなことないぞ?」と返されてしまった。「そ、そうですよね。ははは、ははは」俺は適当に返事をしたが、心の中では不安が渦巻いていた。
「なにを言っているんだね君は、さっきから」
「いえ、別に、ははは」
俺は笑い返すだけで精一杯だった。
「じゃ、じゃあ、僕は失礼しますね」
「ああ、わかった」
そう言って俺は席を立ちあがった。そして帰り道、俺は自分の家に向かう道を歩いていた。
そして俺の横には女神がいる。俺と一緒に歩いているのは当然神なのだが。俺が話しかけようとすると、神は何かを言い始めた。
「おい、お主よ」
「はい、なんですかい?」
「お主はなぜ神の料理を食べなかったのじゃ?」
「え?あ、いや、だって神様の料理だし」
「まあ、そうじゃな。でも食べた方がいいのじゃぞ?」
「いや、ちょっと食欲がなかっただけですよ。それに昨日の夜、美味しいものを食べたので」
「うむ、美味しいものは美味しいうちに食べるのが一番じゃからな」
「はい」
「うむ、それでいいのじゃ」
「はい」