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[花園咲良の過去](難しかったら、無しでも大丈夫です)
咲良は、心優しい少女だった。
自分よりも相手を優先する性格で、誰よりも争いが嫌いだった。
彼女の両親は鬼殺隊員だった。昔から稽古をつけてもらっており、小さい頃から普通の鬼は余裕で倒せるようになっていた。
でも、彼女は自分の力を認めていなかった。
そんな彼女の力は、町の人から恐れられていた。
町の人はみんな、彼女のことを"鬼"だと言う。
どれだけひどいことを言われても、彼女は稽古をやめなかった。
なぜなら、彼女には"夢"があるからだ。
その夢というのが、「鬼と仲良くすること」だ。
両親は、その夢を応援し続けた。
でも1人だけ、彼女の力を認めてくれる人がいた。由羅だ。
2人は約束した。「鬼殺隊員になって、一緒に世界を平和にしよう。」と。
でもある日、由羅は引っ越してしまった。
由羅の両親は、咲良のことを嫌っていた。
引っ越す前、由羅は彼女の家に手紙を置いた。
「絶対、また会おうね。」そう書かれていた。
12歳の、冬のことだった。
両親が、任務に行ったきり、帰ってこなかった。
ある日、お父さんの鎹鴉が足に箱を持って、彼女の元へ来た。
「···え?」
彼女は、その日に両親を亡くした。上弦に殺されたのだという。
箱には、お母さんがいつも着けていたネックレスが入っていた。
それから、咲良はひとりぼっちになった。彼女に話しかける人はいない。
彼女の力は、両親が鬼に殺された恨みや怒りによってもっと強くなっていた。
···私は、みんなと違う。私の生きる意味って、何なの?
私は、みんなと関わって良い存在じゃない。
いつの間にか、彼女は寂しさを感じなくなっていた。
13歳の春のことだった。
「鬼殺隊員にならない?」
そう彼女に、声をかけた人がいた。
恋柱の甘露寺蜜璃と、霞柱の時透無一朗だ。
甘露寺さんはいつもの明るい、優しい笑顔で笑った。
···恋柱様は、私が怖くないの?
私は恋柱様と違って、この力を愛せていないのに。愛されていないのに。
無一朗は、彼女に手を伸ばした。
···霞柱様は、どうして私なんかを選んだの?
霞柱様は記憶を無くしてから、人に興味をほとんどもたなかったのに。
人を、信用してもいいの?この人達と、一緒にいていいの?
···違う。信用したいんだ。一緒にいたいんだ。
ずっと、寂しかったんだ。
「鬼殺隊員になって、一緒に世界を平和にしよう。」
「絶対、また会おうね。」
そうだ。私は由羅と約束した。
「っ、お父さんっ!お母さんっ···!」
私には、やらなければいけないことがある。
"大切なもの"を守ること。恨みを晴らすこと。
"夢"を叶えること。この世界を、平和にすること。
彼女は、無一朗の手を取り、笑った。
咲良は、鬼殺隊員になった。
そこで由羅と再会し、2人の絆はよみがえった。
彼女の鎹鴉は、お父さんの鎹鴉の「心咲」だ。
彼女は、お母さんのネックレスを着けた。
···私は、争いが嫌い。だから、人と鬼が仲良くするのが私の夢。
でも、大切なものを傷つけるやつは、もっと嫌いだ。
もう何も、失わないために。咲良は今日も刀を振った。