閲覧設定

基本設定

※本文色のカスタマイズはこちら
※フォントのカスタマイズはこちら

詳細設定

※横組みはタブレットサイズ以上のみ反映

オプション設定

名前変換設定

この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります

公開中

参加したいです!

[花園咲良の過去](難しかったら、無しでも大丈夫です) 咲良は、心優しい少女だった。 自分よりも相手を優先する性格で、誰よりも争いが嫌いだった。 彼女の両親は鬼殺隊員だった。昔から稽古をつけてもらっており、小さい頃から普通の鬼は余裕で倒せるようになっていた。 でも、彼女は自分の力を認めていなかった。 そんな彼女の力は、町の人から恐れられていた。 町の人はみんな、彼女のことを"鬼"だと言う。 どれだけひどいことを言われても、彼女は稽古をやめなかった。 なぜなら、彼女には"夢"があるからだ。 その夢というのが、「鬼と仲良くすること」だ。 両親は、その夢を応援し続けた。 でも1人だけ、彼女の力を認めてくれる人がいた。由羅だ。 2人は約束した。「鬼殺隊員になって、一緒に世界を平和にしよう。」と。 でもある日、由羅は引っ越してしまった。 由羅の両親は、咲良のことを嫌っていた。 引っ越す前、由羅は彼女の家に手紙を置いた。 「絶対、また会おうね。」そう書かれていた。 12歳の、冬のことだった。 両親が、任務に行ったきり、帰ってこなかった。 ある日、お父さんの鎹鴉が足に箱を持って、彼女の元へ来た。 「···え?」 彼女は、その日に両親を亡くした。上弦に殺されたのだという。 箱には、お母さんがいつも着けていたネックレスが入っていた。 それから、咲良はひとりぼっちになった。彼女に話しかける人はいない。 彼女の力は、両親が鬼に殺された恨みや怒りによってもっと強くなっていた。 ···私は、みんなと違う。私の生きる意味って、何なの? 私は、みんなと関わって良い存在じゃない。 いつの間にか、彼女は寂しさを感じなくなっていた。 13歳の春のことだった。 「鬼殺隊員にならない?」 そう彼女に、声をかけた人がいた。 恋柱の甘露寺蜜璃と、霞柱の時透無一朗だ。 甘露寺さんはいつもの明るい、優しい笑顔で笑った。 ···恋柱様は、私が怖くないの? 私は恋柱様と違って、この力を愛せていないのに。愛されていないのに。 無一朗は、彼女に手を伸ばした。 ···霞柱様は、どうして私なんかを選んだの? 霞柱様は記憶を無くしてから、人に興味をほとんどもたなかったのに。 人を、信用してもいいの?この人達と、一緒にいていいの? ···違う。信用したいんだ。一緒にいたいんだ。 ずっと、寂しかったんだ。 「鬼殺隊員になって、一緒に世界を平和にしよう。」 「絶対、また会おうね。」 そうだ。私は由羅と約束した。 「っ、お父さんっ!お母さんっ···!」 私には、やらなければいけないことがある。 "大切なもの"を守ること。恨みを晴らすこと。 "夢"を叶えること。この世界を、平和にすること。 彼女は、無一朗の手を取り、笑った。 咲良は、鬼殺隊員になった。 そこで由羅と再会し、2人の絆はよみがえった。 彼女の鎹鴉は、お父さんの鎹鴉の「心咲」だ。 彼女は、お母さんのネックレスを着けた。 ···私は、争いが嫌い。だから、人と鬼が仲良くするのが私の夢。 でも、大切なものを傷つけるやつは、もっと嫌いだ。 もう何も、失わないために。咲良は今日も刀を振った。