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聖人君子になりたかった。
後半は鬱テト見たいな感じにしてみました!楽しんでいただけると嬉しいです☺️…
※後半が少し鬱・グロ展開あります。
理解できない。コイツみたいな生物。ヒステリックな情緒。
そう冷たい言葉を掛けたのはライバルの初音ミク。彼女はテレビやネットなどで様々な注目を浴びて居る人気者。この人気は発売されてから17年もの間、途切れていない。
それに対して私、「重音テト」。2008年4月1日のエイプリルフールに、2ちゃんねるのVIP板のユーザーによって、ジョークとして創作されたキャラクター。こんなしょっぼい肩書き、そして当初の声。それよりも肩書きも声も高音質で、高価なクリプトン社から出された初音ミクに2ちゃんねるの私が勝つ話がない。
それだから私は「聖人君子」になってミクを見返してやろう。その様なひっそりと作戦を立てていた。
だから。学校では素行も良くしてお行儀も直して。元の自分を押さえ込む様に。自分の『カタチ』を失くす様に。
ミクを見返す為に上履きも。机に落書きもして。ノートのビリビリにしてやった。そしてペンを全てバッキバキに。
その様に偽りの仮面を被って。そのまま彼氏も出来て。そのまま有名お嬢様学校へ進学して。その彼氏は自分のタイプじゃ無いけど。そこも偽りのI LOVE YOUを送り続けた。
そのまま援護の風を受け、学年トップで高校の1学期を終えた。
それに対し、ミクは学年最下位。そして彼氏ナシ友達少し(不良)これで私に勝てるとでも?。そう余裕に終わった。
テトはそのまま「最高」の夏休みを終え、「最高」の2学期が始まった。
だけどテトは夏休み中もずっとミクに復讐できる様にとずっと計画を練りづづけり、勉強一夜漬けで過ごしていた。そのためテトの涙袋あたりには大きなクマが出来ていた。そこを何とかメイクで隠し続けてまた偽りの自分を装った。
その2学期が始まると何故かミクの友達が増えていて自分にネットで「何歳なんだよw」「オタク」「キメラとかキモ過ぎw」
中傷や誹謗を受けた。
「つらい。何で…何で何で何で何で…さっきまで…ついさっきまで…計画は進んでたのに…」
そう、テトは思ったけどこんな事でむしゃくしゃするのは意味ない…『ヒステリックな情緒。』
「!!」
テトは過去に言った言葉にナイフを…追い討ちを掛けられた。
ーー数日ーー
テトは「今学期もミスをしない様に気をつける」その様に思っていた。だが
美術の時間で服を汚してしまったり。食事のお作法を間違えてしまったり。
あまり上手く行かない日々が長く、長く続いた。
それはバレエのミスの様に目立つ物ばかりだった。
テトはそれもバレエのミスが目立たない様にする為に立ち回りしてる様にも見えた。
また。そんな日々が。『続いた』
ーー数日ーー
ミスが続いた。もうバレエの様には隠せない。ここは笑って誤魔化すしか無い。
テトは更に偽りの仮面を沢山被り続けた。|道化師《ピエロ》の様に好かれる為に仮面を被り続け、好かれるためのメイクや流行りも沢山取り入れた。
だけど。寄りつく…はずはなく元々居た人もミクの方へ行き。テトの所へは誰も寄り付かなくなった。
テストも今となってはミクと正反対の存在。私が最下位。あの野郎が1位。
許せない。許せない許せない許せない許せない許せない!!!!
過去の怒りがお湯の中で激しく揺らぐ沸騰石の様になった。
そんなテトを哀れに思ったミクが救いの手を差し伸べた。『救い』の。
そんなミクに呆気なく惚れたテトはその手に乗ってしまった。
ここからはミクの好きなままに動かされる『手駒』の様な存在になってしまった。
ミクの好きなジュースが落ちて床に。机に滴った時も|私《テト》が犯人にされた。
本当はミクが自分で。肘で「ぽんっ」と突いて落とした。
ミクの大切にしていたお皿だって。|私《糞》が落とした判定にされた。
シャーペンだってキーホルダーだってペンケースだって!!!!
すべて…|私《塵屑》のせいにされた。
その時はずっと。健気な時は『自分では無い』そう否定して。
だけどそれは意味が無かった。弱者が喚いても意味がない。
|ミク《強者》が、だけが喚く度にクラスメイトは私を無下にして。
私に付いてたあの娘だって。イケメンの彼氏だって。
全てミクの独壇場。
彼氏も。友達も。全て。全て全てアイツに!!!
彼奴に…
やり過ごしても無理だった。つけていた仮面だって全てぼろぼろと外れ。落ちて塵となって消えた。
所詮全て駄目なんだ。生まれも。育ちも。性格もいいあの|お嬢様《ミク》には。
やっぱ。何も叶いわしなかった。
そう思って過ごしていたけど。光で溢れ返っていた日常に戻りたくて。
さっきみたいに崩れたりしない様に更に。頑丈に。仮面を付けて。
だけどもう無理だった。あの時の姿が見えていては何も成す術も。何も無かった。
駄目だ。もう。崩れる。
カタチを失って。何もかもが終わりに向かっていた。
もう。私は今までの仮面も捨てて。流行りも。何もかもも放り投げた。
ーー中学時代ーー
男子と共に遊んでいた。ああ。懐かしい。この時へ戻りたい。
『男子の幼馴染の友達と中学になったのに帰り道、泥団子作ったっけ?それで真っ白な。純白のドレス見たいに白い制服が泥だらけになったなぁ…』
確かあの頃。
その幼馴染は親の事情で転校することになった。当時スマホも何も無かったからそれっきり連絡は取れていなかった。
『連絡先くらい。聞いておけば良かった。こんな事になるなら』
ぽとっ…
テトの眼からは大粒の涙がぼとぼとと滴り落ちていった。
『うっ…う…』
ーーーー
「!!???」
起きた。今。ついさっき起きたことの様に鮮明にあの時の記憶が蘇っていく。
ーー数日ーー
学校へ行った。さっきの記憶を思い出して。初心へ戻って仮面も、なにも着けずにホントの自分で行った。
上履きを履いて教室へ向かおうとした。
がさっ…
「あ…あれ?上履きが…」
がさっ…がさ…
何度見ても無い。奪われた?
それ以外思い浮かべれることはなかった。
しょうが無いので貸し出しのスリッパで行く事にした。
机へ座り荷物を整理しようとした。
すると机には馬鹿屑。塵。存在価値ナシ。様々な誹謗中傷があった。
ふと。テトの脳裏にはある考えが起きた。あれ?これ。今まで自分がした事…?
そう。最悪な事を思った。
そんな事を考えているテトを「哀れに。」そう見ていたミクはゲス顔でこちらを見てきた。
ミクの顔は見るだけで吐き気がする。汚い。気持ち悪い。
そう思った。
そんなこんな思っていると彼氏に呼びだされた。
「おい。テトー?暇だったら体育館倉庫前へ来てくれ。」
そう彼氏が言ったのでテトは体育館倉庫前へ行った。
すると彼氏が言った。
「ごめん。テトとは別れる。他の人との方が話も弾むし、楽しい気持ちになるんだ。」
彼氏はテトの弱点を次々と連発していった。
コミュ障、馬鹿、チビ、性格…
そんな彼氏の素行に嫌気が差したテトは手にあったシャーペンで彼氏の頭を。
グシャッ…
彼氏の頭から血が飛び出た。彼は。「すとん」と落ちた。
人を殺すのは案外楽だった。頭を潰せばいいだけの話。
みぞおちを突けばいいだけの話。
相手の弱点を吐けばいい話。
これがテトの答えだった。
仮面を被り続けて、メイクをし続けて現実が見据えれなくなっていたテトを止めれる人なんて居なくなっていた。
遂にミクを殺せる。そう思った時。
「よくも。やったなァ!!!」
ミクはテトの左目辺りを弾丸で撃ち抜こうとした。
バァァン!!
銃声が辺りに響いた。
「私の友達や親友。彼氏まで奪いやがってよォ!!!!」
バンバンバァンッッッッ!!!
追加で3発放たれた。
しんとしている教室。そこには銃を持っている生徒とシャーペンと生身で突っ立っている生徒。
バシュンッ!
テトの綺麗に巻いてあった縦ロールのうちの右ロールが弾丸で撃ち抜かれた。
テトは自分の方へとシャーペンを向けてこう言い放った。
「どうもこうも根っから無理なのに。」
バンッッッッ!
「降参。」
ばたっ。
長くなりすみません🙇♀️楽しんでいただけたでしょうか?やっぱこういう系の曲は捗りますね!