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第6話:新たな仲間
「そう言えば、何て呼べばいい?」
『そ、それは…わ、私に名前が無いので…す、好きなように呼んでもらえばいいです』
おう、一番面倒な返答が来たぜ…。
ただでさえ、名前を決めるのが嫌いなのに…。
まぁ、自分が呼びやすい名前にすれば良いか…。
(蜘蛛…スパイダー…ポイズンスパイダー…メス…白色…夜行性、アルビノ、赤目…)
「…スピラ…スピラでどう?」
『どんな意味が?』
「え?な、何となく」
『…まぁ、言い名前なので良いです』
どうやら、気に入って貰えたらしい。
今度、意味を教えてあげよう。…それまでに、考えておかないと。俺は、そんな事を心の奥底で思うのだった。
『では、契約しましょう』
「あぁ、とりあえず従魔之契約でいい?」
『はい!!』
〈黒蜘蛛…固有名:スピラをテイムしました〉
契約が完了したという文が目の前に映り、俺はスピラに目を合わせ…。
「これから宜しく」
と、言うのだった。
〈固有名:スピラが進化を求めています。許可しますか?〉
一難去ってまた一難とは、正にこの事だ。
「まぁ、強くなって欲しいし…許可」
そう言った瞬間、スピラの体が光り輝き…一回り小さくなった。
『これで、ご主人様にいつでも一緒に居られます!!』
「確かに…でも、よかったの?大きい方が、強いと思うけど…」
『大丈夫です!!』
なら良いのだが…俺は、そう思いながら扉の方に目を向け…。
「ふんっ!!」
と、声を上げ、思いっきり手を振った。
その瞬間…バキバキと、変な音を立てながら扉が変形し壊れた。
「よし!!じゃあ、行こうか!」
その後、野乃と合流しこれからの話をする事にした。
「では、これからの事は…ギルドを設立、魔物をメインに討伐と言った感じで良い?」
「『賛成!!』」
二人の了承を得た事で、俺はギルドを設立することを決意した。
ちなみに、この世界は、ほぼ〈ARO〉と同じなので…お金に関しても同じだった。
日本円をほぼ持っていない俺からすれば、最高にラッキーだった。
「では、ギルド名は…【クノ一ギルド】でどう?」
「いいよ~」
『私も、反論はありません』
「じゃあ、場所は…」
その日の夜…。
「よし、今日は寝よう。色々と疲れたし…」
そう言って、俺が眠りに付くと。
『儂との契約覚えとるか?』
…目の前に、見た事のある少女が立っていた。
鬼の様な角に、和服、透き通るような白い髪と肌、赤く輝く手…そして、バックに映るインパクトの強いヒョウタンの山。
「わ、忘れてはいなかった。ただ、意識して無かっただけ」
『そ、そうだよな。わ、儂なんかより…』
何故か、悲しそうに下を向く少女。
言っている、こっちが悪い感じがする。
いや、覚えてなかった俺の方が悪いのは事実何だが…。
「す、すまん。」
『しかも、血を分けた存在では無く…蜘蛛ごときの方が儂より先に名を付けるとは…』
うぅ、何も言い返せない自分が辛い。
「だ、だったら…今名前を付けるのはどうだ?」
『むぅ…二番手かぁ…』
それほど、楽しみにしていたのか…。
これは、申しわけない事をしたな…。
「だったら、スピラには付けなかった名前の意味も合わせた物でどうだ?」
『た、確かに…それなら…』
なんとか説得できたようだ。
「じゃあ、お前は…緋鬼(こうき)でどうだ?」
『むぅ…かわ良くない!』
理由可愛いな…。
「う~ん…だったら、野馬白幽(はくゆう)でどう?」
『…いい!!可愛さも、怖さも混じっていい!』
それなら良かった。
〈――固有名:白幽との無限之契約が完了しました。〉
こうしてまた、一人…仲間が増えたのであった。
次の日…。
目が覚めると、そこにはただひたすらに白い雲の様な物が浮かんでいた。
「なにこれ…??」
そう、呟いた瞬間…。
『儂じゃ!!』
と、雲の様な物が喋った。
「この、声…白幽!?てか、何その姿…??」
『いやぁ、擬人化もできるのじゃが…体力があるのが面倒だからな!』
「ただ、歩くのが面倒なだけじゃ…」
『そんな訳無いだろ!!』
「じぃー―…」
『うぅ…違うぞ!』
「ほんとに?」
『ほ、本当だ!』
「ほんとのほんとに?」
『そうじゃ!』
「なら良いや。そう言えば、その状態の場合って…食事はいるの?」
俺は、少し気になった事を聞いてみた。
『いや、そんなものはひつ…いや、必要だ。』
そう言った瞬間、雲の様な物が消え、全裸の少女が立っていた。
ちなみに、大事な所は煙さんが全部隠してくれている。
「!?!?」
「この状態なら、取り込めるからな!!」
俺は、厄介事にまだ頭を抱える事になりそうだと感じた。
スピラちゃんと白幽ちゃんが新たに仲間に入りました!
今度、ちゃんとしたスキル表等を出します。
↑しばらく進んだら出します。