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君と歩んだこの日々を。
「おはようございまーーーーす!」
元気の良い、ともうるさいとも取れる大きすぎる声で俺は自転車の上で小動物の様に小さく飛び跳ねた。
彼等の腕には、「生徒会」と書かれた腕輪がはまっている。
なるべく彼等の視界に入るまいとこそこそ自転車を押して校門に足を踏み入れた。
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「ーーで、ーーなので」
俺の目の前で担任になるらしい、長身の男が立って、なにか説明している。
正直ほとんど聞いていない。
声が上から降ってくる。同級生よりかなり背の高い俺にとっては変な感覚だ。
「さぁ、ここが教室だ。」
担任が3年2組と書かれた教室をさした。
教室はずっとざわざわしている。
パンパンッ!
いきなり、教室から手を叩く音がした。
気づくと目の前から男が消えていた。
え、てか、音なく歩いて行ったのか!こ、怖すぎるっ!
「報告がある。このクラスに転校生がくる。」
担任がそういった瞬間、さっきのざわめきが戻ってきた。
「入ってきてー。」
声がする。
入りたくない気持ちを抑えて一歩踏み出した。