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神様神社 3話
ある日のこと。
「早く家に帰りたいな・・・ん?」
背筋が凍る感覚。
何かがいる。
思わずその感覚の主を突き止めようと、周りを見渡した。
なにか黒いものが視界の端に写った。凝視する。
それは大きな黒い塊だった。そしてそれを、神様がぶん殴っていた。
「ていやぁぁぁっ!!!!」
神様の渾身の一撃。黒いものははじけとんで、びちゃ、と黒い肉?が周りに飛び散って、霧散した。
「ふぅ・・・って、あかり!?なんで此処に・・・っているのは普通か、これが見えてるの!?」「は、はい・・・」拳についた黒い肉を振り払いながら、今度は神様が私を凝視した。
「なるほど、それが化け物だよ」私の話を聞いた神様が言った。「あれが?」「うん。あんな感じじゃない、色んな形の化け物がいるけどね。」「じゃあなんで今になって見えるように?」「おそらくこれのせいだろうね〜」神様が、私のカバンの横についた、あのお守りを指差す。
「これですか?」「うん。私の力でも一応神の力にはなってるからね・・・この僅かな神の力の影響で、化け物が見えるようになったんだと思う。」「そうですか・・・」
「って、うぅ・・・」突然神様がばたーん!とぶっ倒れた。
「神様!?」「あかり〜・・・何か・・・」「何か?」「何か・・・お賽銭か・・・お供物か、ない?」「あ、はい!」私はカバンの中に隠し持っている小銭入れから、500円玉を取り出した。
「それを神社の賽銭箱の中に・・・」「は、はい・・・」私は神社の賽銭箱に、500円玉を投げ入れた。
「・・・ふぅ、助かった・・・」「神様、さっきのは?」「力切れ〜。さっき化け物を倒すときにも神様の力を使うからさぁ、もともと神様の力少ないし、こうやってぶっ倒れちゃうんだよね〜・・・」「なるほど」「あ、そうだあかり!」「はい?」
「うちの巫女さんにならない!?」
・・・は?