Episode 0 プロローグ

俺は見慣れた森の中を走る 何度､何度走ったのだろうか ｢ﾊｧッ､ﾊｧ……ｯ｣ 走りすぎて､息切れにもなっている だが､俺が目指した場所にもうそろそろ着いてしまうようだ あぁ、俺もこの世界に居れるのも時間の問題だろう 俺だって､生きたかった でも､頑張って､耐えても､この気持ちは変わらない もう限界なんだ だから､ごめんなさい ｢さようなら､ありがとう」 せめて､｢ごめんなさい｣は言わない事にした 最後の言葉が｢ごめんなさい｣だなんて嫌だし ｢ありがとう｣の方が､まだ良いかなって思ったから --- __｢ﾊｧｯ…待って!ﾊｧﾊｧ…まだ…行かないで‼︎私を置いてかないで‼︎｣__ --- あぁ､声が聞こえる 俺の仲間の､最初で最後の好きな人の声が 最期に××さんの声が聞けるだけでも俺は幸せ者だったのかな そして､俺は崖からズルｯという音を立て --- 飛び降りた --- --- ×××××は死んでしまった! --- --- ｢役立たずな｜私《村長》で､助けられなくて､ごめんなさい…｣ ---