公開中
1-5
「はい、今からは皆にも自己紹介をしてもらいます。じゃあ、101号室から!」
自己紹介するとか聞いてないんですけど!
春野さんに100%バレるじゃん!どうしよう…シャクれるとか?シャクれたらバレないって聞いたことあるよ!?
内心焦りまくっていると、聞き慣れた優の声が聞こえた。
「朝比奈優奈です。あだ名は優です。よろしくお願いします」
良かったよ〜。変なテンプレとか作られなくて。さすがは我が班の特攻隊長・朝比奈優奈!
「鈴宮珠緒です。あだ名はたまっちです。よろしくお願いします」
安定感の珠緒だなぁ。カッコいいし。
ついに私の番が来てしまったようだ…
やるしかねぇな。
「橋本…恋です。あだ名はれんです。よろしくお願いします」
なるべく早口で話し、光の速さで座ろうとすると、春野さんがニヤニヤしながら「なんで『こい』なのに、あだ名が『れん』なんですかー?」と聞いてきた。
わかってるくせに。なんでそんな事聞くんだろう。…私のことが嫌いだからだろうな。
またただの気が弱いいじめられっ子に戻るんだ…。ここなら、変われると思ったのに。
「『こい』を音読みにすると、『れん』になるからです…」
さっきまで普通に話してたからか、2人もびっくりしてる…。そうだよね。ただの不登校いじめられっ子だって知ったら関わりたくなくなっちゃうよね。
思わず下を向いてしまう。
「…れんちゃん?もう座って大丈夫だよ?」
「え…っあ!ごめんさない…」
私のバカ!自己紹介してすぐに座ればよかったのに…。
「じゃあ、次は私たちですか?」
気まずい空気が走る中、1人の声が聞こえた。
春野さんと同じ班のいかにも真面目そうなメガネっ娘が聞いた。
緊張で周り見てなかったけど、私合わせて5人しかいないんだ。
……って、え!?4分の1春野さんってことなんだ…。
「はい!じゃあ、私から。春野葵です。あだ名はあおちんです。あと、そこにいるれんちゃんとは、大の仲良しでーす。よろしくお願いします!」
……仲良し言われましたけど!?そのような事実一切ございませんけど!?
これから班以外で何かやることになったら、「あ、れんとあおちん仲良しなんだよね〜2人でやりなよ(粋な計らい)」じゃん!
「瀬賀怜亜です。あだ名はれいれいです。よろしくお願いします」
想像通り。しれっとテンプレに戻すところとか。
思ってたより、林間学校生活厳しめ?
先週裏バージョンのれんちゃんでしたが、今回からは通常通りに戻りますのでご安心を。