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雪女と氷精のボス
…妙に寒い。
そうだ、わたしはルナに負けたんだ。
ラグナと勝負して。
「ごめんね、雪菜。」
「いえ、まだまだ未熟だと思わされました。」
「…わたしもルナもボロボロだわ。あいにくわたしたちは貴女より年上。再生力が衰えてるのよね。」
わたしは結構体力が回復している。
「はい、体力はあります。」
「敵がいるの、倒してくれない?」
「…え?」
たしかに、わたしは雪女なのに、異様な寒気を感じる。
「…フィガー!」
氷精のボス、フィガーだ。
ボブヘアーにした水色と白髪が入り混じった髪。なんとも言えぬ強さを醸し出していた。
「あなたが、隕石を衝突させたの!?」
「違うよ。僕にはそんな力がないし。衝突させてないよ」
「…じゃあ、関係ないのね…」
的が外れた。そしたら、犯人は星精のリンダなの?
「いや?《《関係なくはない》》な。《《協力はした》》けど」
「誰の協力をしたのじゃ!」
「リンダさ」
…的は、外れていないのかもしれない。
「そう。星精のボス・リンダ。彼女が『地球隕石衝突滅亡計画』通称『地滅計画』を考案したからね。
妖精たちの決まりとして、いろんなモノに関わるときは必ず各精たちのボスの許可がないといけない。僕はボスとして、ちゃあんと許可を下した」
「なんで、許可を下したんですか!」
フィガーが、物珍しそうに言う。
「ありゃ、なんでその|巫女さん《夜羽夢》と|登山家《瑠芽》がいるの?人間だよね?おかしいなあ、僕らの目的は《《全人類を滅亡させること》》だったのに。成功かと見せかけて、失敗かあ」
「なっ…!」
淡々と言うフィガー。
「なんでって、分からないの?みんな、どんどん環境を破壊して行ってる。このままじゃ、僕らは暑くて消滅しちゃうんだよ?僕たちの世界で言えば、君たちは間接的に《《人殺し》》しているんだ。それに、罪を感じないのは、おかしいでしょ?」
「…」
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「〜〜おかしいでしょ?」
「…」
|わたし《瑠芽》は何も言えなかった。
フィガーの言うことは、明らかに正論だったから。言い返せることは、何もない。
「でも、なんで生き残ったんだろ?リンダ、計算が狂ったのかな?」
「フィガー、どうしたの?」
幼いながらも偉大なパワーを感じる少女は、平然とフィガーに話しかけた。
結局凛花と燐、ゆめ登場できなさそう。
あと長らく更新できてなくて、すみませんでした…
でも!もうすぐ完結予定です