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雨上がりの笑顔
花音「え…」
場は絶望的だった。あんなに、あんなに頑張って、本気で戦い、やっと倒したと思ったのに。
斗鬼さんは倒れてない。
斗鬼「なかなかやるんじゃん…。本気を出させてもらうわッ!」
#名前#「うそ。。もう…終わりだ…」
斗鬼さんは結んでいた髪を解いた。と、不思議なことに夕焼け色の髪が夜のような黒色の髪になる。
あんな強かった相手が本気を出した。もう私たちは勝てこっない。
#名前#「はあはあっ…」
そんな私を見て斗鬼さんは笑った…ように私には見えた。
斗鬼「これでどうだ…!|雑音鳴《ベルクラッシュ》!」
斗鬼さんは私目掛けてその攻撃を打った。その途端、私の耳で雑音が鳴り響く。
鼓膜を撃ち破いてしまいそうな勢いだ。
#名前#「何ッ。これ……。うっ。。」
苦しむ私を見て花音さんとリアさんが慌て駆け寄る。
リア「どうしたんだ!僕には何も…」
花音「 #名前#だけに…何かが起こってる…?」
斗鬼「テメーらにもやってやるよ。|雑音鳴《ベルクラッシュ》!」
リア「はっ!」
2人危機一髪。なんとか避けた。その間にも私の耳にはずっと聞こえる。雑音が。苦しい。痛い。耳がグオングオンする。
#名前#「2人とも…お願い!倒しッ…!」
花音「 #名前#…。わかった!こいつを倒せば #名前#が助かるのね。お願い、耐えてて!」
リア「任せて!」
#名前#「うンッ…」
2人はちらりと一瞬だけ目を合わせた。
花音「喰らいなさい!猛毒紫炎!」
斗鬼「甘い!」
斗鬼さんは軽々と避けた。だけど。そう後ろでリアさんがいたのだ。
斗鬼さんはハッと気づいた…が、もう遅い。後の祭り。
リア「ふん……。秘術『式神宝箱』これで苦しみなさいな」
リアさんは大人数の式神を出した。斗鬼さんは突然の不意打ちには耐えれずドッと倒れた…。
花音「まったく、あんたのせいで、みんな、苦しんだのよ。責任取りなさいよ」
斗鬼「…」
リア「はあ、倒したし、帰るか」
私たちが斗鬼さんに背を向けた時、斗鬼さんが声を上げた。
斗鬼「…君はなんで異変を解決しようとするの?」
私には変な問いにしか聞こえなかった。当たり前だよ。異変で苦しむ人がいるんだから。
そのまま私たちは歩き続けた………。
その翌日、私の家に斗鬼さんがやってきた。
斗鬼「この間は迷惑かけてごめんなさい。僕も君の仲間になりたい。ダメかもだけど」
そう言う斗鬼さんはどこか憂げで、私はぎゅっと心を掴まれた。気づいたらこう言ってた。
#名前#「君はもう私の友達よ」
私は久しぶりに寮に戻った。「早く戻ってきてね」
そんなクランの声が脳裏に響いた。私は嘘をついてしまった。クランを結構待たせている。私は大慌てでクランの部屋まで走っていた。クランは部屋で何かをしていた。
#名前#「クラン!」
クラン「あ!おかえり!私、ものすごい発見をしたの!」
クランは変わらない笑顔で「ものすごい発見」を見せてくれた…。
それは…。
ちっちゃな精霊だったんだ。