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仮の苦悩
なんとなくカービィの二次創作が書きたくなったので...永遠にカービィ目線です。
内容は今まで倒してきた敵をもし、殺していたら?と考える話。
どちらかというと、角川つばさ文庫版のカービィですね。
一応、ハッピーエンドです。
ハルトマン、セクトニア、マホロア...様々な人をこの手で倒してきた。
それが良いことだったのか、悪いことだったのかなんて分からないけれど少なくとも、皆が喜んでくれた。
でも、皆が笑ってボクを祝う度に口には出さないけど、思うことがあった。
ボクが倒した後の皆は、どこに行くんだろうって。
今までは考えもしなかった。それがマホロアの一件で考えるきっかけになった。
赤くて円いリンゴを託してどこかへ消えたのを何度も何度も、ポップスター中を全て探し回るくらい探した。
いなくなったのが信じられなくて、ずっと一人で誰にも見られないように泣いていた。
やがて、もう戻って来ないという結論に辿りついた。今までは倒したら皆戻ってきたりしていた。
それがなくなった一つの変化だった。
それを考えて、倒した人たちを振り替えるとマホロアのように戻ってもこない人もたくさん、たくさんいた。
悲しくて、寂しくて、どうにも晴れない気持ちと罪悪感に押し潰されそうだった。
もし、ボクが今まで倒した人が目を覚まさなかったら?
もし、ボクが今まで倒した人が戻ってこなかったら?
もし、ボクが今まで倒した人が...死んでいるとしたら?
それは、ボクが殺したことになるのだろうか。
すがるような思いで星の夢を語るハルトマン、己の美に絶大な自信をもって醜さを嫌悪するセクトニア、ボクらを騙してまで目的を果たしたかったマホロア。
ハルトマンにはスージーがいて、セクトニアにはタランザがいて、マホロアは...きっと、ローアがいた。
デデデ大王だって、あんななりだけどワドルディたちからは厚い信頼を寄せられている。
ボクが倒した後の皆。残された皆。彼等は何を思ったんだろう。
悲しかったのだろうか。寂しかったのだろうか。それとも、ボクを恨んでいたのだろうか。
でも、皆はボクを感謝して褒め称えてくれる。きっと、良いことなんだろう。
それでも納得がいかないのは事実だから、それとなくメタナイトに聞いてみた。
経験豊富そうで、ボクらの中で大人なメタナイトだから良い答えをくれると思っていた。
でも、答えは、
「分からない。それを以て、どう思うかはその人次第だろう」
身体を羽のようなマントに隠したまま、仮面の中に黄色い瞳を光らせていつもと同じ冷たいけど暖かい声でそう言った。
そんな答えが欲しいわけじゃなかった。曖昧じゃなくて、はっきりとした答えが欲しかった。
やっぱり納得がいかなくて、デデデ大王のところへ駆け込んだ。
唐突にやってきたボクに少し驚いたような顔をしたけど、ちょっと考えて口を開いた。
「そんなもん、考えたことなかったぞ。なんで、そんなこと聞くんだよ?」
質問に質問で返された。ボクも口を開いた。
「だって、ボクらが倒した人たちの中で何人かは戻ってこないんだよ?!」
「そうだとしたって、それを考えても何にもならないだろ」
確かにその通りだ。けど、
「あのな、そう考えるのは別に悪いことじゃない。けど、倒さなかったら倒さなかったでアイツらのせいで滅茶苦茶になってたかもしれないだろ?」
「...でも...」
「確かに戻ってこないのは悲しいし、寂しい。でも何かが原因で戻ってこない可能性だってあるだろ。例えば...全員、大きなパフェを食い続けてるとかよ」
それは羨ましい。けど、そうじゃない。
「......お前は正しいことをしてるんだよ。だから皆、お前を褒め称える。どんなに大切な人でも悪いことをしたのは事実だ。殺したとか、倒したんじゃなく正しい行いができるように注意したと思えばいい。それにお前らしくないんだよ」
続けて言った。
「お前は、お前らしく美味いもん食って、寝て、笑って、戦ってればいい。それが《《星のカービィ》》だろ?」
そう聞いて、靄のような何かが晴れたような気がした。
自分らしく生きて、自分らしさを貫く。
それでいい。
それが、| ボ ク 《星のカービィ》だから。
個人的にはボスの中でハルトマンが一番可哀想かなと思いますね。
セクトニア(あの子)は美に囚われすぎた。マホロアは力に溺れた。ハルトマンは最愛の娘を探す為に人工知能に望みを賭けた結果、悲惨な末路を辿った。
黒い任天堂ですよ、本当に。それを考えるとディスカバリーは珍しくハッピーエンドですね。
なんですか?本編がマホカビっぽいって?悪いね、好きなんだよ。
趣味の話だけど、食べられないパンはなんだ?と聞いてマルクの靴という返答に対し、マルクが自分の足を食べて、だらだらと血を流しているイラストが好きです。pixivにあった。
ドラえもんもどっかで書きたいね、鬱だけど。