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別れ道
黛side
黛 「遅い。イブラヒム〜。叶さ〜ん。(パッションズミ)」
黛 「やっぱ、先に行かせるんじゃなかった。」
黛 「…嫌だけどさっきの部屋を探してみるか。」
ガチャッ
黛 「…やっぱりこれが可愛いと思えないんだけど。」
黛 「なにか動かせるなら、この人形か、本棚かな?」
黛 「よし。動かせた。これで先に行ける。」
黛 「…なんのスイッチだろう?」
黛 「心理学的に利き手に近く、端っこではない場所が選ばれやすいとか言うしね。」
カチッ
イブラヒムside
イ 「え、なんか絵が動いて橋になったんだけど。」
叶 「本当だね。通ってみる?」
イ 「うん。」
ぴょん
叶 「これ、月?の形してるけど、どうするんだろう。」
イ 「落としてみるか。」
ヒュゥゥゥ
叶 「割れてないかな…。」
イ 「大丈夫だと思う。多分。」
叶 「じゃあ、先に行こう。」
星と鉱石の煌めきのところ。
叶 「ねぇイブくん。」
イ 「どうしたの?」
叶 「まゆゆってイブくんのお父さん?」
イ 「お父さんではないけど…なんとなく知ってる気がする人。」
叶 「ふ〜ん。お母さんって優しい?」
イ 「お母さん?って言うのかわからないけどめっちゃ強いよ。」
叶 「お母さんが強いんだ。」
叶 「あのさ、イブくん。もしここから出られるのが二人だけだったらどうする?」
イ 「え?」
イ 「うーん。俺は俺以外の二人に出てもらいたいな。」
叶 「え、いいの?お父さんとお母さんに会えなくなっちゃうよ?」
イ 「でも、俺はそれでいいかな?」
叶 「ふ〜ん。あ、あくまで例え話だからね」
イ 「わかってるよ。」
黛side
黛 「気付いたら月の形をしているブロックが上から落ちてきたんだけど。」
黛 「これ普通にあたったら死ぬんじゃない?」
黛 「まぁいいや。形に当てはめればあれ(ツル)がどかせられるだろうし」
カチッ
黛 「やっぱり。先に行くか。」
人形 「ねぇまゆぅ。私一人でさみしいの。一緒に連れて行って。」
黛 「え。…。…………でも逆らうとめんどくさそうだし連れて行くか。」
ギチギチギチ
黛 「重っ。無理。持てない。ごめん。」
スタスタ
人形 「ねぇ、なんで無視するの?」
黛 「持てないんだって。」
人形 「私のこと嫌いなの?」
黛 「ノーコメントで。」
人形 「お友達いっぱいいるの。紹介してあげるね。」
黛 「多分さっきあった。」
人形 「え イ え ん に こ こ に イ ろ」
黛 「逆ギレされたんだけど。」
ドアの前に人形がいる。
黛 「ちょっと、どいてもらっていい?」
ずらす
黛 「はぁ。入るか。」
ガチャッ
黛 「イブラヒム、大丈夫かな?」
ここまで読んでいただきありがとうございました