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1話 一年A組①
「あなた方は、選ばれしもの」
そんなメールが、ある日の放課後、一斉に届いた。
はじめは皆、誰かのイタズラだと思っていた。
、、、だが、違った。
「おい、さっき変なメール来たんだけどさ」
「おう、俺のとこにも来た」
「実はさ」
「うん」
「メアド欄、メアド書いてなくて、ただ1文字「神」としか書いてないんだよ
「まじ?」
「調べてみ」
「マジだわ」
私、倉本・美波のクラスは、普通と変わらない、ごくありふれたクラスだ
2軍、という、そんな普通なクラスの中でも一番普通な層にいる私には、
、、、よくある、「クラス全員強制参加のゲーム」みたいなのには、関係ないはずだった。
でも、今は違う。
だって、目の前によくわからない、目玉だけの物体が浮かんでいる、とかいう、
明らかに「普通じゃない」ことが起きているのだから。
それは、ある日突然現れた
クラスの全員に「あなた方は、選ばれしもの」とかいう、
いかにも怪しいメールが届いた次の日、
それは、クラスの教壇の上にふよふよと浮いていた。
みんな、怖くて教室に入ろうとしなかった。
でも、一軍の男子が1人、勇気を出して入った
結果、なにもなかった。
それに続いて、他の男子がぞろぞろと、そして、それについていくように、一軍女子がキャーキャー言いながら入る
そこからは、割と普通にみんな教室に入っていく。
そんな感じ。
いかにも、「普通」な反応だった。
チャイムが鳴る。
みんな警戒してたから、一瞬ビクッとなる。
でも、特になにもなかった。
なにもなさすぎて、逆に怖くなってきた頃。
「あなた方にはゲームに参加してもらいます」
いきなり、声がした。
なんか、読み上げソフトの声をもうちょっと人間らしい音程にした、みたいな感じ
「ゲーム」
その不穏な響きに、教室はざわつく
「目ん玉野郎、ゲームってどういうことだよ、俺たち帰るからな!」
と、クラスのムードメーカーの柳 あきらが、完全なフラグ発言
「帰っても構いません 、、、一億円のチャンスを逃していいなら、ね。」
一瞬の静けさの後、全員が口を開いた。
「一億円って、どういうことだよ?」