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音間姉妹のコンサート①
「こんにちは〜」
「あら、早いわね。張り切ってるの?」
「まあ、そんなところ」
サニーが用意した晴れやかな日。
音間性那と音間感那の音間姉妹は、ムーンの住む家に来ていた。
「あ、サニーさん」
「久しぶり!で、どうした?」
「実は、演奏の演出についての相談で。指示を出したら、曇りや、雨にできませんか」
「できるよ!楽しみにしてるよ」
「ありがとうございます」
音間性那は、音楽で性格を操る程度の能力を、音間感那は、音楽で感情を操る程度の能力を持つ。どちらも楽器の付喪神だが、メーカーが同じだけで遠い親戚みたいなものだ。
能力を使って、音楽に感情や性格を没入させて味わう、という方法が彼女らのライブスタイルだった。
しっかり者の姉・性那がお金やビジネスのことを管理。人気者の妹・感那がファンサ。
「こんにちはぁ」
「あっ、昇子さん。どうしましたか」
「楽しそうで来ちゃったのよぉ。チケットって、必要だったかしらぁ?」
「大丈夫ですよ。普通に、趣味でやっていることですから」
「そうだわ。サイン、もらえるかしらぁ?」
「あっ、大丈夫ですよ!」
やってきた昇子が持ってきた紙に、感那は慣れた手つきでサインを書いた。
「ありがとう。楽しみにしてるわね」
そう言って、昇子は1000円を渡した。
「えっ?いえ、もらえません…これ、趣味ですから」
「ふふ、趣味だろうと仕事だろうと、わたしが気に入ったものなの。だから、受け取って」
「えっ…わかりました。ありがとうございます!!」
感那は1000円にどぎまぎしたが、すぐに性那に渡した。
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会場設備が整い、いよいよ始まった。
「皆さん!こんにちは〜〜〜!!」
「今日は、ライブを見に来てくれてありがとうございます!!」
担当、というのは特に決まっていない。
「みんなの感情を没入させる音楽を演奏する妹・音間感那です!」
「皆さんの性格を変えるほどの作曲をする姉・音間性那です!」
「「よろしくお願いしま〜す!!」」
さっそく、拍手が沸き起こった。
「それでは1曲目、いっくよ〜〜!!」