公開中
2話
都会の路地裏で。
空間がぐにゃり、と歪んで、一人の少年が出てきた。
「よし、軍団からは逃げ切ったみたいだ」中性的な顔立ちの少年が言う。金色の瞳が印象的な少年だ。
彼の名は|鳥羽《とば》|月人《つきと》。『X』のリーダーである。
「やるなァ月人、さすがリーダーだな、ケケッ」「それほどでも無いぞ、カルマ」同じ空間から黒犬が出てきて、少年を茶化す。
「皆は逃げ切っただろうな・・・あとで集合だ」その姿はあっという間に影に溶け消えていった。
銃声が鳴り響く中。
「めんどくさいですわ軍団は・・・」「言えてますね|姉《ねえ》様」黒髪に赤目、白髪に青目の少女。色が反転したような二人が軍団に追われていた。「あぁ、|私《わたくし》達月人くんのところに行かないといけませんでしたわ・・・|要《かなめ》、やっておしまい」「分かりました」青目の少女が手のひらを軍団に向ける。と、そこから大量の煙が出てきて双子の姿を消した。
夜道で。
「お前達『X』だな?軍団まで来てもらう―」「黙れ」大勢の軍団を相手に、銀髪に黒縁の眼鏡を掛けた少年が一言言うと、軍団の動きが止まった。「―今のうちに行こうか、|琉真《るま》ちゃん」「うん!やっぱり|椎葉《しいば》君は凄いな、あたしもそんなふうになりたいな・・・!」薄い青緑で、毛先が濃いピンク色。「我」と書かれた顔隠しを付けている、印象的な少女が少年の後を追う。
こうして夜はふけていく。
DATA
鳥羽 月人 危険度SSS
識別名・メンター
能力名・バベル
空間操作の能力。空間を歪ませ、自分の指定したところに移動ができたりする。