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collaboration.22
仕方なく森の要求を受け入れたルイス。
しかし、無言の笑みを浮かべており──?
ルイスside
ルイス「……。」
桜月「あの、ルイスさん……?」
ルイス「何かな、桜月ちゃん」
桜月ちゃんが僕を見て小さく悲鳴を上げた。
仕方なく受け入れた。
とはいえ、握り締めていた拳が緩まることはない。
表現しがたい空気の中、満面の笑みを浮かべているのは|幼女趣味《ロリコン》とエリス。
あの中年に関しては一眼レフを構えている。
エリス「凄く似合ってるわよ、ルイス!」
森「桜月ちゃん可愛いよ! あ、もちろんエリスちゃんもね!」
僕と桜月ちゃん、そしてエリスは森さんが渡してきた服を着ていた。
その服というのが何と《《ロリータ服》》。
もちろん桜月ちゃんとエリスは似合ってるんだよ。
でも、どうして僕まで着させられたのだろうか。
断れば良かった。
でもマフィア加入と天秤に掛けられたら、ねぇ?
中也🕰️「違和感が仕事してねぇ……」
ルイス「中也君?」
中也🕰️「ア,ナンデモアリマセン」
桜月「ルイスさん、そんなに怒らないでください! あの、もしかして、私が選んだ服も着るの嫌でしたか?」
ルイス「そんなことないよ! 普通に森さんが選んだという事実と、こんなゴスロリを成人男性に着せて喜んでいる森さんに吐き気がするだけだよ!?」
紅葉「ルイス、事実とはいえ云いすぎじゃ」
森「じじつ……?」
ヤバい、桜月ちゃん泣かせる。
普通に森さんが嫌いなだけなのに桜月ちゃん傷つけるのは違うだろ、ルイス・キャロル。
森「ルイスくん、君に依頼をしたい」
ルイス「無理です」
森「即答……」
しくしく、とまた泣き真似をする森さん。
本気で一回殴ってもいいかな。
紅葉「|私《わっち》と|首領《ボス》は今から会合がある故、エリスの行きたい喫茶店に行けなくてのぉ……ルイスに付き添ってもらいたいんじゃ」
ルイス「なんで僕が──」
エリス「今日限定のパンケーキがあるのよ。ほら、美味しそうじゃない?」
桜月「美味しそう……」
ルイス「あの、僕まだ良いとは……」
中也🌸「確かに美味そうだし、可愛いな」
エリス「良く分かってるじゃない!」
ルイス「だから僕は──」
中也🕰️「お願いします、ルイスさん。そのパンケーキが実は……」
テニエル「ブフォッ」
え、何でテニエル笑ってるの。
僕は嫌な予感がしながらも中也君🕰️の持っているチラシを覗き込んだ。
ルイス「……。」
僕は無言のまま異能空間から銃を取り出した。
そして|安全装置《セーフティ》を外して|首領《ボス》へと向ける。
引き金を引けば、銃弾が森さんの頬をかすって後ろの本棚に着弾した。
僕はニコニコと笑っているけど、目が死んでいることだろう。
テニエル「何だよこの条件! カップル、それにロリータ服じゃないといけないって! 馬鹿じゃねぇの!」
桜月「パンケーキは三種類あるのに一組どれか一つまで……?」
エリス「本当、酷いわよね」
頬を膨らますエリス。
少し悲しそうな桜月ちゃん。
まだ笑っているテニエル。
中也🕰️「あの、ルイスさん……」
ルイス「行けば良いんでしょ、行けば。でも森さんは後で絞める」
森「え?」
ルイス「よし、早速行こうか」
森「ねぇ、ルイスくん、絞めるって何、」
紅葉「ほら早く会合に行くぞ」
それから僕と桜月ちゃん、エリス、テニエル、ダブル中也は例の喫茶店にやってきた。
中也🌸「で、どうするんだ?」
ルイス「普通に君は桜月ちゃんとで、エリスは中也君とでしょ?」
テニエル「ちょっと待て、俺もメンバーに入れられてるのか?」
桜月「逆にボス入らないと三種類ならないじゃん」
エリス「そうよ! 早速入りましょ!」
エリスの行動力のせいで、心を決める前にこの格好で店に入ることになってしまった。
まぁ、街を歩いてきたから別に良いけど。
店員「いらっしゃいませーご注文をどうぞー」
エリス「カップル限定パンケーキの苺!」
桜月「私はカップル限定パンケーキの桃で!」
ルイス「……カップル限定パンケーキのチョコバナナお願いします」
テンション低、とか思ってるんだろうな。
満面の笑みで云ってもヤバい奴だろ。
一生あの|幼女趣味《ロリコン》許さねぇ。
???「カップル限定パンケーキのチョコバナナお願いします」
ふと、聞き覚えのある声が聞こえた。
隣のテーブルも注文しているようだ。
桜月「お姉ッ……鏡花ちゃん!?」
鏡花「……桜月?」
中也🕰️「似合ってるじゃねぇか、鏡花も」
桜月「中也の言うとおり! 和服じゃない鏡花ちゃんも可愛い!」
鏡花「桜月も可愛い」
敦「……今日もルイスさんはいないんですね」
鏡花「敦、いる」
敦「え?」
ルイス「……ドーモ」
驚きながら、敦君は色々と弁明を始めた。
いや、別に怒ってないよ。
ただ敦君から見て普通の女子に見えたことが少し悲しいだけだよ。
店員「お待たせしました!」
テニエル「早ッ」
運ばれてきたパンケーキはどれも美味しそうだった。
でも、僕は正直お腹が空いていない。
なのでエリスにあげることにした。
ま、僕が出資者じゃないし何でもいいや。
エリス「ここの喫茶店、ティーカップも売ってるのよ。ルイスが好きそうなのもね」
ルイス「……そうなの?」
エリス「えぇ。それにクッキーとか紅茶も美味しいから後で見てみたら?」
紅茶はマッドハッターが好きだし、見てみようかな。
ティーカップとか、可愛いのは三月ウサギも好き。
クッキーも買ってみんなでお茶会でも出来たら──。
鏡花「ルイスさん、何か楽しそう」
桜月「そうだね。多分、大切な仲間のことを考えてるんだと思う」
中也🕰️「……寂しくなったか?」
桜月「ちょっとだけ。ほんのちょっとだけ、ね」
テニエル「……今頃だが、そっちの中原は何でライダースーツなんだ?」
ふと、テニエルがそんなことを云った。
彼方の中也君は深い暗緑色のライダースーツを着ている。
というか、僕と桜月ちゃんで選んで着せてるんだけど。
桜月「趣味嗜好が一緒で私服が被るから。女装してくれないし」
中也🌸「普通に女装とかしたくねぇよ!?」
ルイス「……中也君が着てくれたら僕は女装しなくて済んだ説ある?」
テニエル「あるな。まぁ、その場合俺かお前が中原の彼氏になってたわけだが」
桜月「ルイスさんが彼氏役……」
中也🌸「なに顔赤くしてるんだよ。ルイスさんが格好いいのは否定できねぇけど」
桜月「中也の方が格好いいよ!」
テニエル「うわっ、リア充ムカつくわ……」
と云いながらも、テニエルは楽しそうに笑ってるんだよな。
前まで本気で云ってたのに。
ちゃんと反省して、彼女と仲間になった。
ふと、僕は思う。
魔人君と考えていたことより、シヴァの件は大事になってしまった。
それこそ、世界を越えるほどに。
でも、僕はもう後悔していなかった。
色々と思うことはあるけど、結果こうやって僕達は笑えている。
前と違って、僕達は最後まで楽しめている。
前みたいに、別れを急ぐ必要はないんだ。
それから僕達は一度エリスと中也君と別れ、街を散策することにした。
服はくれるらしい。
いらない、というのが正直な感想だけど云わないでおいた。
何か使うことがあるかも──。
ルイス「いや、無いな。あるわけがない」
桜月「ルイスさん、着替え終わりました!」
ルイス「……ロリータも良かったけど、いつもの服も似合ってるね」
素直な感想だった。
しかし、桜月ちゃんは耳まで真っ赤に染めている。
正直に云いすぎるのも良くないな。
多分、彼方の中也君に殺される。
ルイス「とりあえず敦君達のところへ行こうか」
桜月「は、はい……」
現実に戻ってきて、僕達は散策を開始した。
途中、買い物もしたりして凄く楽しい。
今はクレープの移動販売車に並んでいた。
未成年組には近くのベンチに座って待って貰っている。
相変わらず鏡花ちゃんはクレープが好きだな。
桜月ちゃんが隣に座っていると、本当の姉妹に見える。
彼女の世界では本当に姉妹なのもあるだろう。
未成年組を見守りながら、僕は缶珈琲を飲んだ。
中也🌸「……ルイスさん、様々なところで会計任せて済みません」
ルイス「気にしなくて良いって。僕もクレープ奢ってもらったし」
中也🌸「いや、俺達の方が奢ってもらってるんですけど……?」
テニエル「心配しなくても、ルイス・キャロルの方がお前より稼いでるぞ」
中也🌸「マフィア幹部より稼いでるってどういうことだよ!?」
ルイス「あははっ、色々とあったからね」
ニコニコと誤魔化しておくけど、質問攻めしたいんだろうな。
中也君、凄く困惑してるし。
ルイス「てか、どうして僕の方が稼いでるって知ってるの?」
テニエル「お前を泉桜月の世界に呼ぶ前に調べてたからな。今は休業中なのにどうなってるんだよ、お前の収入」
ルイス「株が上手くいってるのと、この前宝くじ当たった」
テニエル「運が良すぎるだろ」
中也🌸「運が良いとかで完結しちゃダメだろ」
???「おや、ルイスさんではないですか」
ふと、そんな声が聞こえて僕は振り返る。
太宰「それにテニエルさんと別世界の蛞蝓」
中也🌸「うるせぇよ、青鯖」
太宰「あぁ、気持ち悪い。中也一人でも嫌なのに、もう一人いるなんて耐えられない」
中也🌸「それは此方の台詞だ。せっかくの珈琲が悪くなる」
テニエル「別世界でも仲悪いんだな、お前ら」
確かに。
まぁ、太宰君と中也君の関係は何処でも変わらないということだろう。
太宰「そういえば桜月ちゃんは?」
中也🌸「鏡花や敦とそこのベンチに──」
太宰「じゃあ心中してくれないか聞いてくることにしよう!」
ルンルン、と太宰君は未成年組の方へ行った。
中也🌸「オイ、太宰手前──」
ルイス「心配しなくても、すぐ戻ってくるよ」
ねぇ、と僕はテニエルの方を見て微笑む。
No side
ルンルンと軽いステップで歩く太宰の手には、いつの間に買ったのか花が握られている。
太宰「やぁ、桜月ちゃんに敦君に鏡花ちゃん。良い天気だね」
敦「あ、太宰さん」
太宰「一体何の話をしてたんだい?」
桜月「ひ、秘密です!」
鏡花「恋バナ」
桜月「鏡花ちゃん!?」
なるほど、と太宰は顎に手を添える。
そして悪戯っ子みたいな笑みを浮かべた。
太宰「因みに二人から見て私は彼氏としてどうだい?」
「「ない」」
太宰「ない!?」
敦「ふ、二人とも即答したね……しかも息ぴったり……」
鏡花「自殺癖のある人は、普通に嫌だ」
桜月「私には中也がいるから!」
見事に振られた太宰が膝をつくと同時に、足元に穴が開く。
そのまま太宰は逆さまに落ちていった。
桜月達がルイスの方を見ると、手を振りながら微笑んでいる。
ルイスside
ルイス「おかえり」
太宰「戻し方、もう少しありませんでしたか?」
テニエル「残念ながら、俺はこれしか出来なくてな」
悪い笑みを浮かべる僕とテニエル。
対して太宰君は外套を払いながらため息をついた。
中也君は少し僕を見て感心しているようだった。
中也🌸「クソ太宰をよく手懐けられますね」
ルイス「そこまで付き合いは長くないけど、色々経験してきてるから」
戦争もそうなんだけど、万事屋始めてから変な人と絡むことが多くなった。
太宰君もその中の一人、と思うことにしている。
さて、次はどこに行こうか。
第二十二話。
あ・と・が・き・だ☆
ということでやって参りました、後書きのコーナー。
司会進行は私、海嘯が務めさせていただきます。
それにしても平和回って良いですよね。
心が穏やかになると言いますか、何というか。
個人的にはネタとかが上手く書けないんで戦闘シーンの方が書いてて楽しいですけど((
相変わらずうちの太宰さんは桜月ちゃんをナンパしまくってますね。
別に私の中の太宰さんのイメージが女たらしとか、そういうわけじゃないんです。
さっきも言ったけど、上手くネタに走れないんですよ。
頑張った結果がこれなんです。
ルイスくんの面白い小説が読みたいそこの貴方。
貴方が書いてください((
そしたら海嘯とルイスくんからファンレターが来ることでしょう((
興味ない人が殆どだと思いますけど、三人に着てもらいたいロリータ服について。
どうやってURL貼るか分からんかったんで、言葉で説明します!
エリスはやっぱり王道のピンクとか白のふわふわ系かな…。
いや、ゴスロリもいいかも。
何でも似合うよね、多分。
桜月ちゃんも王道だと思う。
でもね、和風か中華風のもいいと思う。
黒が基調で、赤とか入ったかっこいいやつとか。
和傘持ってたら最高。
そして問題(?)のルイスくんですね。
やっぱり水色系のアリスモチーフ一択でしょ!
でもね、黒のアリスモチーフも調べたら可愛かったんだよな…。
うさぎのぬいぐるみ持ってて欲しい。
大きいリボンもつけて欲しいな。
兎に角可愛くしたい((やめてくれby.lewis
なんか今回、話しすぎじゃね?
ま、いっか。
それでは、また次回お会いしましょう!
次回、最終回カモ。