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二人。 iw.side
〜あけおめ‼︎〜
!!!新年初投稿!!!
ニキめめです‼︎
主が1番好きなコンビです‼︎(どうでもいいですね)
⚠︎多少の暴力表現
長め
※この話はひーくん視点でお送りします、めめ視点がいい方は次の話へれっつごー
岩本side
___始まりは、SnowManがデビューする前のときだった。
運命の人に出会った。
その人は後輩。
かっこよくて、なのに天然なところもたくさんあって、結構おバカさんで、(後輩なのに)俺より身長高くて、垣間見せる笑顔がとても可愛い。
この子の名前は……まだ知らなかった。初めて出会った時は。
初めて出会ったのは、事務所の廊下でだった。
次のスタジオへ俺が移動していたとき。
後ろで物凄い音が響いた。
誰かが転んだような。
時間を見れば、集合までまだ少し余裕があったので、助けようと思い音がした方を向けば予想通り人が転んでた。
「大丈夫か」
?「…すみません、大丈夫ですっ、⁉︎」
慌てていたのか語尾が少し裏返っている。
大丈夫です、と言いながらあげた顔はとても整っていて端正だった。
この世のものとは思えないくらい美しい。
髪の毛は艶のある漆黒で、先端まで切り揃えてあるテクノカット。
体は見る限り細くてしゅっとしてた。
思わずその容姿に見惚れた。
何者?
同じ事務所?Jr.?
…あ、見たことある。
後輩なのはわかるんだけど………
?「す、すみませんっ、ごめんなさい、、、、」
迷惑でもかけたと思ったのだろうか。
突然謝ってきた。
「いや、謝んな。俺は大丈夫だけど…大丈夫?」
?「だだだ、大丈夫、ですっ、」
そう言って後輩くんが立ちあがろうするも、足を捻ったのだろうか、片足を庇うようにしゃがみ込んだ。
「…え、大丈夫?怪我してない?」
?「だっ、大丈夫、ですっ」
「見せろ」
あたふたする後輩くんの手をさっと避けて、ズボンの裾を|捲《まく》りあげた。
そこに現れたのは、捻って赤く腫れた足首。
結構痛そう。
「うわっ…捻ったよね、大丈夫?…じゃないよな」
?「だ、だいじょ…」
「真っ赤…」
?「ほんと、大丈夫っ、ですからっ、」
「大丈夫じゃなさそうな顔だな」
?「大丈夫ですって、、」
「ちょ、こっち」
後輩くんを側にあった休憩室に連れて行く。
まだ少し抵抗があるのか、むすっとした顔で椅子に座っている。
拗ねたような怒ったようなその顔はめちゃくちゃ可愛い。
休憩室の自販機で水を購入し、持っていたタオル(※使用前)を濡らし、後輩くんの足首に巻いた。
?「ありがとう、ございますっ、」
まだ喋り慣れていない幼児のように|辿々《たどたど》しくお礼を述べる様子も可愛い。
「本当はもっと見ててあげたいけど、この後すぐ仕事あるから…。ごめん。じゃあな」
後輩くんの頭をぽんとしてから、腕時計を見ると集合まで残り1分。
やべ、と思って全速力で駆けて行った。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
「はぁ、はぁ、セーフ、?」
なんとかスタジオに滑り込んだ。
そこには俺を除くSnowManのメンバー5人が笑いながら待っていた。
亮平「大丈夫、ギリセーフだよ」
「よかった……」
辰哉「珍しいね。どーしたの?」
「いや………あっ‼︎」
名前聞いてない。
後輩くんの。
名前分かんなかったら何も始まんないじゃん、馬鹿すぎる俺。
翔太「何あったんだよ」
「…あー、俺の馬鹿っ‼︎」
涼太「どうしたのよ」
「なんか、さっき行く途中の廊下で後輩?が転んでて。助けてたらこんな時間に…」
大介「で?何が馬鹿なんだって?」
「…ぃゃ、名前聞き忘れたなーって、、」
辰哉「え?別によくn…」
亮平「照、好きになっちゃったとか?その子のこと」
「…そうかもしんない」
SnowMan-照「「「「「えぇぇ⁉︎」」」」」
涼太「ほんと?」
「たぶん……」
翔太「名前は?どこのグループ?」
「それが分かんないから困ってんの‼︎」
大介「それは困ったね〜」
亮平「特徴は?」
「えーっと……顔がとにかくかっこいいかな」
辰哉「いや、うちの事務所入ったらそりゃ当たり前ね?」
「じゃあなんで顔デカ化け物がいるんだよ」
辰哉「化け物じゃねーし⁈」
亮平「他は?」
「髪色は黒で、テクノカット」
翔太「てくのかっと、?」
大介「なんだよそれ」
「えー…w こんな感じの」
耳上辺りで手を水平に動かし、
「襟足は長いかな」
とだけ言った。
亮平「まぁ…よく分かんないけどとにかくかっこいいってこと?」
「あ、それだけじゃなくて可愛い」
涼太「どういうこと、?」
「笑顔がものすごく可愛いの」
亮平「かっこよくて可愛い………全く情報掴めないわ…w いっぱいいるもん、こんな子」
「えー……まあいっか。そのうちまた会えるんじゃないかなってことで。じゃ、始めよっか」
しかし、その日の仕事はなかなかに過酷で、あの後輩くんのことは忘れてしまった。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
忙しい日々を送っている俺。
ある日、社長に俺だけ呼び出された。
…俺なんかした?w
何もありませんように、と願いながら社長がいる部屋へ入った。
「こんにちは」
社長「久しぶりだな」
「っす」
社長「一つ、リーダーに提案があるんだが」
「…?はい、」
社長「SnowManのメンバーを増員しようと思っている」
「え、⁉︎」
社長「突然のことですまない。しかし、デビューするにはこれが最善だと思うんだ」
「…誰が増えるんですか」
社長「関西の方のJr.の向井康二くん、宇宙sixの目黒蓮くん、そして少年忍者のラウールくんだ」
「なるほど…写真はありますか?」
社長「それは楽しみにしてくれたまえ」
「え、あ、はい、w」
社長「ま、予定だけどな」
「そうっすか…w」
社長「いかがかな?メンバーにはもうすでに許可を貰っているが」
そうなの⁉︎⁉︎
なんで言ってくんないんだよ。
「それでデビューできるなら。俺たちは9人体制でやってやりますよ」
社長「そうか」
「たくさんの人たちに批判されるかもしれないけど……そんな批判した奴らを後悔させてやれるくらいのトップアイドル目指します」
社長「いい心意気だな」
「そして…今いるメンバーは勿論、新たに加わる3人も俺が精一杯守ります。」
社長「ありがとう。じゃこれで手配を進めて行く」
「お願いします‼︎」
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
ついに新たに加わる3人と対面する日。
メンバー全員、結構ドキドキしている。
大介「緊張する〜……」
辰哉「誰か教えてくんないからさ、社長」
翔太「顔ぐらい教えろよって感じな」
涼太「教えてほしいよね」
亮平「ついに俺にも年下できるのかな♪」
「楽しんでこうぜ」
そう言った瞬間、かちゃりと遠慮気味にドアが開いた。
「「「「「「ようこそ〜、SnowManでーす!」」」」」」
「「「よろしくお願いします…!」」」
3人の顔をよく見つめた。
……え?
「…⁉︎」
1人の子と目が合った。
どこかで見覚えがある。
とても端正で美しい顔。
艶のある黒髪のテクノカット。
しゅっとして細い体つき。
まさか、、、!
その子は俺と目が合うと、ちょっと恥ずかしそうに下唇を噛んだ。
その仕草が可愛くて、笑顔を浮かべる。
俺の笑顔を見ると、時が止まったかのように一瞬固まってから、あちらも笑顔を返してきた。
何この空間。平和すぎて幸せなんだけど。
そして自己紹介で、その子は名を『目黒蓮』と名乗った。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
3人が加入して一週間。
なんだか目黒の様子がおかしい。
俺と目が合うと、びくっとしてから慌てて視線を逸らすようになった。
しかも俺といると、体調悪いのか顔赤いし、呼吸も辛そう。
なんでだろ、俺避けられてんのかな。
あいつ、俺にアレルギー反応でもあるのかな…。
そう思ってふっかに相談してみると…
辰哉「ん〜、面白いね」
「何がだよ」
辰哉「確認だけど、照は好きなんだよね?めめのこと」
めめ、というのは目黒のあだ名。
俺は呼んでないんだけど。
「まぁ………うん、」
辰哉「はー、こんなに面白い恋愛初めてだわ」
「だから何が…」
辰哉「ん?それはこっちの話。で、照。俺に言えることは一つ。」
「…⁇⁇⁇」
辰哉「絶対投げ出すなよ?諦めんな。今諦めたら本当に後悔する。…それだけ」
「なんだよそれ」
辰哉「他のメンバーに聞いても同じ答え返ってくると思う」
「は、?」
じゃ、と言って立ち去ったふっかをただ呆然と見つめた。
こいつは何が言いたいんだ。
恋愛なんてしたことがなかった俺にはよく分かんなかった。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
一ヶ月が経った。
目黒も俺もどんどん口数が少なくなっていって、ついに週に一回話すか話さないかレベルまで来てしまった。
そのせいで、旧メンバーにはどうしたのとめちゃくちゃ心配される始末。
そろそろメディアにもバレそう、報道されそうなんていうピンチ。
恋愛ってこんな難しかったっけ…。
話すの恥ずいんだもん、仕方ないじゃん、、
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
目黒との距離の詰め方がイマイチ分かんなくて苦戦する日々。
新曲のダンスの振り入れで、ペア(1組はトリオ)を組んでやるっていうことが決まった。
基本こういう組み分け担当のふっかに目黒と同じにしてくれ、と|懇願《こんがん》しておいた。
で、いよいよ組み分け。
辰哉「ペア…まあ1組トリオだけどさ、どうする?」
「…別にふざけなければ俺は誰でもいい」
念の為の一言。
ラウール「僕トリオがいい‼︎」
辰哉「OK、じゃあラウは確定ね」
大介「その他は〜?」
康二「俺もラウと一緒がええんやけど」
亮平「いいよいいよ‼︎じゃあ俺そこのトリオ入ろうかな」
辰哉「じゃあトリオは決定って感じ?」
大介「そーだね‼︎…蓮は希望ある?」
蓮「え…っと、、、」
辰哉「照とかは?」
ふっかナイス。
マジナイス。
蓮「…⁉︎//」
一瞬驚いたように震える目黒。
やっぱ俺嫌われてる、?
「俺は全然いいよ?目黒大人しいからやりやすいし」
大介「大人しいからやりやすいって…www」
「事実じゃん」
辰哉「じゃあめめ、照とでいい?」
蓮「全然…喜んで、?」
マジでわかんねー。
俺嫌いなのか、なんとも思ってないのか。
こいつの感情読み取るのむずすぎる。
辰哉「じゃあ俺なべ貰うわ」
翔太「げっ」
辰哉「『げっ』てなんだよ」
翔太「面倒くさいなって」
辰哉「うっわ最低」
大介「じゃあ俺舘さんとだ〜‼︎」
涼太「よろしくお願いいたします」
てことで無事目黒と一緒になった。
部屋を移動して、2人きり。
絶妙な緊張感がまた良い。
一方の目黒は黙って|俯《うつむ》いたまま。
「やろっか、蓮」
ミスった。
名前で呼んじゃった。
やばいやばいやばい。
蓮「…⁉︎///」
目黒は俯かせてた顔を勢いよく上にあげ、ほんのり赤い顔で俺を見つめる。
何かを言おうとしているのか、口をぱくぱくさせている。(まって、めちゃ可愛い)
慌てて、
「…目黒?」
と訂正し直す。
目黒の顔の赤らみは一気に消え、通常の顔色に戻った。
なんなのこの現象。
蓮「ぁ、はい、やりますっ」
「おっけー」
てことでなんかハラハラする始まり方だったけど、無事始まりました。
今回の振りは手の動きがポイント。
ウェーブのようで、ウェーブでない、謎の動きが入ってる。
この動き結構むずい…
目黒出来るかな、ってちょっと心配になって目黒の方向いたら、予想通り苦戦してた。
「目黒、大丈夫そ?」
と声をかけてみる。
手と睨めっこしていた目黒は、俺が声をかけると、ぴくっと反応した。
蓮「あ、えっとはい、、?」
「何がわからない?」
蓮「手の動き…です、」
でしょうね。
「あー、ここ?」
一応お手本の動作を見せる。
蓮「…あ、はいそこです」
「ちょ、いい?」
目黒の腕に手を伸ばし、掴む。
驚いて目黒が動かした手と、俺の指先が触れた。
やばいやばい、めっちゃドキドキする。
蓮「…はい、っ、‼︎///」
目黒も手が触れたことにびっくりしたのか、慌てて俺から視線を逸らした。
今は教えるの最優先。
目黒の腕を掴み、動かしてみる。
「こうして、こっちにこう行ってからのこう。…こうばっかりだけどわかった?」
蓮「…っはい///」
「よかった。休憩入れようか」
蓮「はい」
ベンチが一つしかない。
…佐久間がやったな、これ。
元々ベンチ二つあるはずなのに。
あいつ…(怒り)
あとで怒っとこ。()
てことで仕方なくベンチに隣同士で座った。
距離は肩が触れ合う寸前。
なんだか異常に気まずくて、無言で飲み物を飲んだ。
突然、
蓮「岩本くんって、、好きな人いるんすか…」
と聞いてきた目黒。
飲み物を吹き出しそうになった。
やばいやばい。
目黒に俺の恋のこと知られたら俺終わりなんだけど。
目黒、絶対好きな人いないもん。
…はぁ、、
流れで、
「好きな人?…うーん、いないかな」
と|誤魔化《ごまか》してしまった。
へー、と流してくるかと思いきや、ちょっと引っ掛かるような表情を見せた目黒。
…なんでだろ。
ここで終わるかと思えば、
蓮「…じゃ、じゃあ、気になる人は…?」
と問い詰めてきた。
こいつどうした、壊れたか?
「気になる人…もいないかな」
慌ててまた誤魔化す。
まあいいでしょ、目黒に好きな人どーせいないんだし…。
蓮「えっ」
驚きの声を漏らす目黒。
少しひっくり返っている声がなんだか面白くて、少し笑ってしまった。
「そんな驚く?w」
蓮「…と、いや、意外だなって」
意外って…
「そう?目黒はいるの?」
蓮「俺は……いな……い、です」
ほらやっぱり。
いないんだよ、いない。
俺もいないって答えて正解だったわー。
…って俺、これ片想いってこと?
待って待って待って。
混乱中。
「そっか」
蓮「…はい」
「じゃあそろそろ練習に戻ろうか」
蓮「……分かりました」
なんだか心残りがありそうな返事。
ほんとどうしたんだろ。
…まあ俺もやばいんだけどね。
片想いなのかぁ………。
で、そのあとは目黒の様子が気になりつつもちゃんと二人振り覚えきって。
帰る時は、
「あ、もう帰る?」
蓮「はい、」
「目黒さ、来週の水曜日空いてる?」
蓮「水曜日…?1日OFFですけど……」
「よかったら一緒にタピオカ屋でもいかない?」
蓮「…いいんですか、……行きます」
「わかった。時間とかはまた今度連絡するね」
蓮「はい」
ってちゃんと誘った。
頑張ったんだよ俺。
「……てな感じのことがあって」
辰哉「はー…__ほんと二人とも馬鹿だわ__」
「ふっか今なんて言った?」
辰哉「なーんでーもなーい」
「で、俺はどうすればいいの、?」
辰哉「ねぇ、照はさ考えた?」
いつのまにか佐久間や翔太、舘さんや阿部まで俺とふっかの会話を取り囲んで聞いていた。
「なにを…?」
辰哉「『照が好きな人いないって言ったからめめも流されてそう言ってしまった』っていう可能性」
「…‼︎」
辰哉「…ね」
「…でもそんなわけ、」
亮平「その可能性否めないね」
大介「ひかるやったな〜」
佐久間は既に俺が一回叱りつけた。(どっちかっていうと怒鳴り散らした…?)
ちゃんと。有言実行。
「…ぅ、」
辰哉「恋ってたった一言で大きく変わっちゃうの、よく分かったでしょ」
「本当に俺どうすればいいの〜‼︎」
辰哉「最後のチャンスは水曜日だな」
「…?」
翔太「告れ(同時)」
涼太「告りましょう(同時)」
亮平「ゆり組…♡」
「…ぇぇ、////」
辰哉「もうこれしか無いよ」
大介「俺らも手伝うから‼︎」
「…わかった」
その日から俺ら6人は告白に向けたくさんの準備を始めた。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
目黒とダンスレッスンをした翌日。
いつも通り目黒は仕事に来た。
が。
目黒は何かが空っぽになってしまったような、人形のような状態になっていた。
にこりともせず、怒りもせず、悲しみもせず、楽しそうにもしない。
ずーっと無表情。
つまらなさそうな顔をしている。
辰哉「めめ」
蓮「はい」
辰哉「どうしたの、ずっと無表情だけど」
蓮「普通ですけど」
大介「普通じゃないでしょ⁉︎」
蓮「普通です」
翔太「普通じゃねえだろ、嘘つくんじゃねえよ」
蓮「あの。俺今他のことやってるんで邪魔しないで頂けますか」
涼太「みんな目黒のこと心配して言ってるんだよ」
蓮「別に。そういう要らない感情求めていないので」
亮平「めめ、」
蓮「邪魔しないでください」
康二「めぃめぃ、」
蓮「うるさい」
ラウ「めめ…」
蓮「うるさいです。みんな俺のこといじめたいんですか」
その言葉にみんなが黙った。
「目黒」
蓮「…っ、?」
俺が声をかけると、今まで全く見せなかった動揺が顔に現れた。
「ちょっとこっち来い」
蓮「…」
隣の空いている楽屋に手招きした。
一瞬戸惑いを見せたけども、素直についてきた。
2人だけの空間。
「目黒。どうしたの」
蓮「…っ、なんでもないので邪魔しないでくださいっ、」
「…苦しそうだよ?何があったの」
蓮「か、関係っ、ないからっ、、」
関係無い、か。
そうだよな、、。
「………そっか。辛かったらいつでも頼れよ」
蓮「…」
ぎゅっと唇を噛んで切なそうな表情を見せた目黒が儚くて、すぐにどっか消えてしまいそうだった。
そのままその日は何もなかったように過ぎたが、必要なこと以外、誰も何も喋らなかった。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
ついに、運命の水曜日。
タピオカ屋で2人で黙々とタピオカを飲んでいた。
相変わらず目黒は無表情。
だけど、ふっかによると、
『照といるときだけめめ何かが違う。照に何かあるんだと思う』
と言っていたのでそれを信じることにした。
俺がタピオカを飲み終えた頃、目黒に声をかけてみた。
「目黒?」
蓮「はい、?」
「まだ時間あるしそこの公園でも行かない?空とか見ようぜ」
確か目黒、空好きだったよな。
蓮「いいね」
それだけ言うと、目黒はタピオカを一気に飲み干した。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
運良く公園は空いていた。
静けさが漂う公園のベンチに座って、目黒と空や子供を眺めていた。
よくわかんないけど、人形のようになってから常に張り詰めた空気を纏っていた目黒だったけど、今日はなんか安心したような感じだった。
ずーっと他愛無い会話をしていた。
目黒といるこの時間はとても楽しかった。
「そろそろ帰ろうか」
陽が少しずつ傾いてきて、俺は目黒にそう言った。
すると、
蓮「ま、って、」
風鈴のように涼やかな声だった。
俺を少し慌てながら呼び止める声。
そして、その声と同時に手に温もりを感じた。
驚いて、目黒の方を振り向く。
照「…?」
黙り込む目黒を見て、疑問が浮かび首を傾げる。
左右に視線を泳がした目黒。
しばらくすると、覚悟を決めたのか俺を見上げた。
蓮「岩本くんっ、、っ好き、、です、//」
と言う言葉を紡ぎ出した目黒。
…好き?
目黒が?俺のこと?
頭が混乱し始めて、目黒を見つめたまま黙り込んだ。
目黒の瞳にみるみる涙が|迫《せ》り上がってきた。
…やべ、泣かせちゃう。
俺が慌てて謝る前に、
蓮「…ごめん、、なさいっ、」
と何故か目黒が謝った。
俺も段々申し訳なくなってきて、
照「…__ごめん__」
と小さく呟いた。
そして、告白の準備をする為に繋がれた手をぱっと振り払った。
蓮「…っ、」
目黒が息が詰まったような声を漏らす。
そのあと、その綺麗な瞳から大粒の涙が零れた。
「ごめん」
目黒を泣かせてしまった。
どんどん申し訳ない気持ちに襲われていって、謝罪の言葉を|放《はな》った。
蓮「…」
目黒はずっと黙っている。
ずっと、ひたすら涙を零しながら。
準備のため背中を向ける。
色々取り出そうとしていると。
ざっ、と立ち上がる音が聞こえ、直後に駆け出す足音がした。
まさかと思って振り向くと、目黒が走り始めていた。
その背中はどんどん遠ざかっていく。
「え、目黒、待て、目黒‼︎」
慌てて声を掛けるも、目黒はとうとう見えなくなった。
やばいやばいやばい。
逃げちゃった。
カバンを背負って、急いで目黒を追いかけ始めた。
昨日見た、『路上で男性を襲う 大学生3人組』というタイトルのニュースが何故かフラッシュバックされた。
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+
目黒が通ったであろう道を追っていくと、途中で見慣れたスマホが落ちていた。
目黒のか。
それを拾って、走りながらそのスマホを眺める。
落ちた衝撃だろうか、端っこが少し欠けている。
…ちょっと待てよ。
目黒、スマホ落としたってことは……………
やばいじゃん。
もう完全にこれは俺の|所為《せい》。
さらに走るスピードを上げた。
しばらく走り続け、路地裏付近にまで来た。
何やら不穏な空気が漂う路地裏。
ここに居たりして…
俺こういう所無理なんだけど………。
恐る恐る路地裏に入り込むと、声が聞こえてきた。
「-------だ、-----け-、こ----ん--」
何こいつら。
うっせえな………。
でもなんだか嫌な予感がして、少しずつ近づいていく。
「俺た--好きな--のことを忘れ---あげる」
「かわいそーにw」
誰?
覗こうとすると、
「ぐすっ、ぅぅ、__やだっ__………」
どこかで聞き覚えのある声がした。
抵抗してる………目黒。
上半身裸の。
…は?
そしてその目黒を囲む男3人組。
……ニュースで見た奴、?
泣いてる目黒を見ると、段々と|苛々《イライラ》が募ってきた。
……あいつら、目黒に何してんだよ。
蓮に。
?「誰が可哀想だって?」
昼の路地裏に、俺の声が響き渡った。
蓮「…………⁇…うそ、‼︎」
俺の姿を視界に捉えると、待ってましたと言わんばかりにぱっと笑顔になった。
男1〜3「「「は?」」」
男たちが誰だよ、という風に俺を見る。
「ひかるくっ、、、‼︎涙」
俺の名前を呼ぶ目黒。
ちょっと待ってろ、今助けるから。
心の中でそう呟く。
「お前ら。…俺の蓮に何してんの?」
蓮「…⁉︎/////」
男1〜3「「「は?(再び)」」」
とにかく目黒を自由にするために、目黒に抱きついているマジで気色悪い男にヘッドロックをかけてから勢いよくアスファルトの地面に叩き落とす。
バキッと音がした…のは気の所為ってことで。
その次に隣の男の腹に蹴りを数発入れた。
無様に喘いで、地面に丸まってから気絶した。
最後に残った男を睨みつけ、首を掴んだあと、顔面を殴りつけた。
顔の原型がなくなるぐらい。(※あくまでも岩本さんの感想です)
パンっと手を払い、立ち上がる。
蓮「…‼︎」
きらきらとした瞳で俺を見上げる目黒。
落ちてた目黒の服を着せてやって、ついでに俺の上着をかけてあげる。
「はぁ、…目黒何された?怪我してない?大丈夫?」
呼吸を整えてから、目黒と視線を合わせるためにしゃがんだ。
蓮「だい、じょうぶっ、、くちびる、だけ、」
唇?と思って目黒の顔の方を見ると、唇から鮮やかな紅の血が湧いていた。
照「うわ、唇めっちゃ血出てるじゃん。何されたの?」
人差し指で目黒の唇をなぞる。
指で目黒の唇に付いた血を全部拭き取った。
蓮「おれがっ、、かんじゃった、の、だいじょうぶ、」
声抑えようとしたのか。
「そっかそっか。他には?」
くしゃりと髪を乱して目黒の頭を撫でた。
蓮「ひか、、く、……………おれっ、、こ、わかっ、、た、、」
と|溢《こぼ》す目黒。
「うん、」
蓮「も、……だめ゛、っで、、グスッ、おも゛、…っ、で、……ひくっ、ぐすっ、」
目黒をここまで怖がらせて。
マジで許せねえ、あいつら。
もう一発蹴り入れてやろうかな。
「蓮。…よく頑張ったな。もう大丈夫、俺が守る」
ぎゅっと震えているその体を抱きしめた。
俺が抱きしめると、また目黒が泣き始めた。
蓮「…なんで、」
涙が収まった目黒が最初に|放《はな》った一言がこれだった。
「ん、」
そういえば、と思いスマホを返した。
少し驚きながら俺を見つめた目黒。
蓮「……なんで、俺、たすけてくれたのっ、?」
「そりゃぁ………大切な人助けらんなかったら筋トレしている意味なくなるだろ」
蓮「…たいせつ、、メンバー、?」
「…((拗」
マジでこいつ馬鹿。
メンバーがこの状況だったらたしかに助けるけど‼︎
目黒に使う『大切』はまた別なんだよ。
蓮「__えっと、__」
俺が拗ねたのを見て突然慌て始める目黒。
「…もう、蓮は本当に馬鹿なんだから」
雫で濡れた目黒の拳を包み込む。
拳をゆっくり、丁寧に開き薔薇の花を握らせた。
蓮「……⁉︎」
ぽかんと薔薇を見つめる目黒。
この表情可愛い。食べたい…((((
そのあと、イヤーカフを目黒の耳につけてみる。
マジ似合うじゃん。
蓮「…ぇ、?」
え、と小さく溢した目黒。
可愛いな、やっぱ。
「蓮」
蓮「⁉︎////」
下の名前で呼ぶと、肩がびくりと揺れ、一気に赤くなる目黒。
「蓮、愛してる。俺と付き合って」
そんな目黒に告白した。
今までの想いをぶつけた。
蓮「…え、?」
意味がわかっていないのか固まる目黒。
「愛してるよ」
蓮「…ぁぃ、してる、?」
「うん。何回でも言うよ?蓮、愛してる」
蓮「…おれ、、のこと、?」
「うん。俺が愛してるのはこの世でたった1人、今俺の目の前にいる蓮だよ」
蓮「ほんとに、?ぐすっ」
また泣き始める目黒。
「愛してる人に嘘はつかないよ」
蓮「でも、好きな人も気になる人もいないって……」
「蓮は愛してる人だもん」
…ということにした。
阿部、ほんとにありがとう…(このセリフの考案者が阿部ちゃんなので by主)
蓮「…‼︎////」
「ね?」
蓮「これゆめ、?」
「夢じゃない。蓮、愛してる」
蓮「うれしい……」
「俺と付き合ってくれない?蓮が彼女になって」
蓮「俺、、彼女、?」
「可愛いもん。彼女ね」
蓮「…喜んで、‼︎」
そう言ってから、またぽろぽろと涙が目黒の頬をつたった。
そんな泣き虫な目黒をもう一度ぎゅっと抱きしめた。
あったかい。…あったかい。
「ごめんな、今まで辛い思いさせちゃって」
謝った。
本当に目黒には色々迷惑かけたもん。
蓮「いい、…今うれしいから全部いいの、」
「そっか」
蓮「岩本くん…」
この瞬間、目黒に名前呼びを教育させようと思った。(((
「俺の彼女になるなら照って呼んで」
蓮「ひかる、、くん////、」
照れ気味の目黒。
まだ教育してかないとな。(((
「まぁ…許す」
少し不服そうに口を尖らせてみたけど、結局ぎゅっと抱きしめた。
蓮「おれも、…ひかるくんのこと、す………違う、、…あいしてるっ、////愛してる愛してる愛してる…‼︎」
突然告白しだす目黒。
やばい、嬉しい。
こんな風に思ってくれてたなんて。
「俺も。愛してる」
蓮「…///」
「んはっ、蓮耳まで真っ赤」
蓮「嬉しい、けど…恥ずかしいんだもん、やっぱ…」
「あとね、もう一つサプライズあるんだけど」
蓮「なに、?」
「俺と…だけじゃないけど」
薔薇を持っていないもう片方の手にそれを握らせる。
蓮「…か、ぎ?」
「そう。俺とだけではないけど、SnowManでシェアハウスするよ」
蓮「ほんと、⁉︎」
「うん」
蓮「やった、‼︎」
嬉しそうな目黒。
この表情可愛い………けど。
こいつさ、俺が好きって言った時よりも喜んでない?
…待って、マジで嫉妬する。
蓮「嬉しい…けど」
「けど?」
次に来る一言に少し期待する。
蓮「…いちばん嬉しいの、ひかるくんと付き合えたことだからね、?」
「…ニコッ」
目黒も俺の心見透かしてんな。
…いつか目黒の心を全部見透かせるようになろ。
絶対。
蓮「ふふ、」
小さく笑みを溢す目黒。
「じゃ、帰ろうか」
蓮「うん、‼︎」
目黒が俺の方に手を伸ばす。
その意図を察し、目黒の方に手を伸ばし俺ら二人の手が触れ合った。
一瞬手を離しかけた目黒だけど、俺の手をぎゅっと掴んだ。
一瞬その手を見つめ、思った。
「こうでしょ」
目黒の指と指の間に、俺の指を絡める。
蓮「…⁉︎///」
人生初の恋人繋ぎ。
新鮮。
「ふふ、今日さ蓮ずーっと真っ赤だよ?w」
蓮「…やめて…////」
「可愛いからいいよ」
蓮「…/////////」
「今日どうだった、蓮」
蓮「…さ、最高の1日だったっ///」
「そっか。俺も」
蓮「今の会話なに、?/////」
「え、夫婦ってこーゆー会話するもんじゃないの?」
少し冗談めかして言う。
蓮「…⁉︎…ふうふ、?」
「将来なるんじゃないの?w」
蓮「えぇ…/////」
「ま、この話はまたいつかね」
蓮「ん、//」
そんな会話をしつつ、俺ら二人は手を繋ぎ家へと向かった。
fin.
以上です‼︎
長いのに読んでくださりありがとうございます‼︎